なぜ3Dプリンターはどんどん安くなっていくのか?ついに2万円以下のものも登場
By killbox
1984年に3Dプリンターが発明されてから約29年、3Dプリンター市場では約4万5000円で購入可能である安価な製品がどんどん登場しています。一時は高価であり一般人が手を出しにくかった3Dプリンターが、なぜ急速に安くなっているかの理由をArs Technicaが探っています。
Why basic 3D printers are crazy cheap now | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2013/06/why-basic-3d-printers-are-crazy-cheap-now/
アメリカでは既に2つの3Dプリンター専門オフラインショップがオープンしており、人々の3Dプリントに対する興味が増してきているようです。人々の3Dプリントに対する興味に呼応するように、300ドル(約2万9000円)で発売されているPrintrbot Simpleや200ドル(約1万9000円)のMakibox A6 LTなどの安価な3Dプリンターが次々と登場しました。
2012年にReplicator 2を発売したMakerBotを買収した3DプリンターメーカーのStratasysの発表によれば、2012年には3万5000から4万台の3Dプリンターが売れ、2013年には2倍の売り上げが予測されるとのこと。
By Wirawat Lian-udom
雑誌MAKEの編集長であるMark Frauenfelder氏は3Dプリンターの値段がどんどん下がる理由として、より安価なハードの使用・3Dプリンター産業の拡大・ローエンド3Dプリンターをもっと安くするための試行錯誤を挙げています。
2200ドル(約21万5000円)で販売中のMakerBot Replicator 2は大きなものをプリントできますが、プリントの土台となる部分が49cmx42cmx38cmとなっています。一方、200ドル(約1万9000円)であるMakibox A6 LTは大きなものはプリントできない分、土台が29cmx23.5cmx23.5cmとMakerBot Replicator 2の約4分の1の大きさしかありません。Frauenfelder氏は、MakerBot Replicator 2はデスクトップPCでMakibox A6 LTはネットブックのような感じ、と例えておりMakibox A6 LTが個人利用や家で使用するには十分であると述べています。
MakiboxのJon Buford氏によると、他社がベルトと滑車を使っている3Dプリンターの本体部分にCNCマシンでも使われている安価な親ネジを使って3Dプリンターの値段の低下につなげているとのこと。
また、3Dプリンターを作成する小さな企業が部品を大量に購入することによって、結果的に3Dプリンターが安くなって消費者に還元されているということもあるようです。
By Digitalarti
3Dプリント産業のアナリストであるPeter Basiliere氏は、「一般的なプリンターと違い、本体以外に専用のソフトウェアや樹脂のような特別なインクを必要とする3Dプリンターはまだまだ主流にはなることはできないでしょう。しかしながら、高校で3Dモデリングを学ぶ生徒はどんどん増加しているので、3Dプリンターが主流になる日が来るかもしれない。3Dプリント産業の現在の状況と同じようなことが1980年代のPC産業に起きていたよ」と言及しています。
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