アポロ計画で使用されたエンジンをAmazonのCEOが深海からサルベージ
アポロ11号による月面着陸で立てられた星条旗が2012年に望遠鏡で確認されましたが、そんなアポロ計画で活躍したロケットサターンVに搭載されていたF-1ロケットエンジンがAmazon.comのCEOジェフ・ベゾス氏率いる探索チームによって深海から引き上げられました。
F-1 Engine Recovery | Bezos Expeditions
http://www.bezosexpeditions.com/updates.html
F-1ロケットエンジンはアポロ計画のサターンV型ロケットで使用されたエンジンで、アポロ11号には5基が搭載され、2分30秒の間にロケットを高度約61kmにまで打ち上げたのですが、数分間の燃焼を終えるとすぐに大西洋へと落下。発見はほぼ不可能と考えられていました。
アポロ計画が行われた時ベゾス氏は5歳だったのですが、テレビに映し出されたアポロ計画の様子はベゾス氏の科学技術や探検への情熱に火をつけたとのこと。「NASAはたった5歳の少年に刺激を与えることができる数少ない機関の1つであり、F-1ロケットエンジンの探索に対する努力は子どもたちの発明への興味や探究心を刺激できるのではないか」ということで、人類を月へと運んだアポロ11号のエンジンの探索を決意。2012年にF-1ロケットエンジンを深海4300mで発見し、エンジンの引き上げ計画を開始しました。
40年以上塩水にさらされたエンジンは腐食が進んでいましたが、もともと頑丈に作られていたこともあり、今回発見されたエンジン2基の主な部品を回収できたとのこと。オリジナルのシリアルナンバーは消えたり欠けたりしているためアポロ11号で使用されたものかどうかの確認は現時点では難しいのですが、今後復元が進むにつれて明らかになる可能性もあるそうです。
引き上げられたエンジンの写真は以下から。まずは深海に沈むエンジンの様子。
さらにもう一基。
引き上げの様子。
腐食が進んでいるものの、エンジンの主要部分は無事回収されました。
これ以上腐食が進まないように、しっかりと洗浄が行われています。
ベゾス氏は2012年に自身のブログで発見されたエンジンのうち1台はワシントンD.C.のスミソニアン博物館に、さらにエンジンが発見された場合はシアトルの航空博物館に寄贈するつもりだと語っていました。
・関連記事
アポロ11号の発射シーンをスローモーションでとらえたムービー - GIGAZINE
スペースシャトルを組み立てて打ち上げるまでの様子の写真とムービー - GIGAZINE
軍用機・旅客機・スペースシャトルなどのコックピットを捉えた美麗な写真集 - GIGAZINE
DIYで作ったロケットを有人飛行させるオープンソース・プロジェクトが進行中 - GIGAZINE
SpaceXの再利用可能ロケット「Grasshopper」が高度40mの垂直離着陸テストに成功 - GIGAZINE
・関連コンテンツ