円高ドル安が進んだ物価の違和感、アメリカはここまで安くなっていた

サブプライムローン問題、リーマンショックをきっかけに、ここ数年の為替相場は円高ドル安で進んできました。2011年の震災直後に戦後最高値を更新し、同年10月31日には1ドル=75円32銭まで円は上昇します。総選挙で自民党が政権に返り咲き、大胆な金融緩和政策の方針で円安の流れに変わってきましたが、それでも2012年は1ドル=77円~80円で推移していました。この1ドル=80円の為替で、アメリカの物価を円に換算してみます。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。海外にいると円は強ければ強いほど旅がしやすくなりますが、先進国なのに安すぎるアメリカの物価には違和感を覚えていました。
アメリカでは野菜、果物、生肉、パンといった生鮮食品の消費税は低く設定されています。ここにポテトチップス、チョコレート、炭酸飲料も含まれていてるのは、アメリカらしくありますが。自転車部品やアウトドアグッズの消費税は高い設定となっていて、そこにトイレットペーパーや歯ブラシなども加わっていました。この消費税も州ごとに税率が違っていて、モンタナ州では一切の消費税がかかっていません。また同じアリゾナ州でもフラッグスタッフとフェニックスでは税率が違ったりしてました。
日本と物価の比較がしやすいように、分かる範囲で税込みの価格を計算してみました。
・モンタナ州は食品0%、その他が0%
・ユタ州ソルトレイクシティは食品が3%、その他が6.85%
・アリゾナ州フェニックスで食品が2%、その他が9.3%
となっていますので参考にしてみてください。
地域による物価の差もあるかもしれません。アメリカ50州における世帯収入のランキング(2009年)によれば
・モンタナ州が43番目
・ユタ州が14番目
・アリゾナ州23番目
となっていました。基本は安いところで買物をしていました。
◆食品
バナナ 258g(0.64$=51円)

オレンジ 403g (0.91$=72円)

メキシコ産アボカド (0.71$=57円)

牛肉 362g (4.11$=329円)

鶏肉 480g (0.97$=77円)

ソーセージ 454g (1.01$=81円)

ケチャップ 567g (1.20$=96円)

パン 454g (1.00$=80円)

ヨーグルト 170g (0.40$=50円)

チーズ 227g (1.84$=147円)

インスタントライス 397g (1.83$=146円)

ツナ缶 142g (1.21$=97円)

フルーツ缶 432g (0.92$=73円)

レーズン 128g (1.03$=82円)

サラミ2本 (1.00$=80円)

マルチャンのカップ麺 64g (0.30$=24円)

ニッシンのカップ麺 3パック 192g (0.30$=24円)

ニッシンのインスタント麺 5パック 425g (1.03$=82円)

台湾産のハイチュウ 50g (1.12$=90円)

1パック5枚入りのガム 4パック (1.03$=82円)

ハリボーのグミ 142g (1.12$=90円)

ドーナツ菓子 99g (1.12$=90円)

スナック菓子 113g (1.12$=90円)

プリングルス 182g (1.55$=124円)

自動販売機の缶ジュース 355ml (0.35$=28円)

コンビニのカップジュース 1300ml (0.81$=65円)

「飲み過ぎた時の危険性を実感できるアメリカの大容量エナジードリンクの数々」の記事より、ロックスターのコーラ味 473ml (1.14$=91円)

NOS 473ml (1.60$=128円)

「100円マックよりお得、アメリカのマクドナルドにある1ドルメニュー全紹介」の記事より、ダブルチーズバーガー (1.06$=85円)

サラダ (1.10$=88円)

「アメリカ人が太る理由が分かった気がした巨大化した食料品たち」の記事より、アイスクリーム 1420ml (1.12$=90円)

ハムステーキ 476g (3.08$=246円)

「世界標準が通用しないアメリカのお金と単位の使い方」の記事より、自動販売機のコカコーラ缶 355ml (0.50$=40円)

自動販売機のペットボトルコーラ591ml (1.60$=128円)

「アメリカのファストフードはマクドナルド以外にもハンバーガーだらけ」の記事より、「In-N-Out Burger」のハンバーガーとポテトとドリンク (6.72$=538円)

「Subway」のサンドイッチ (5.35$=428円)

「甘さに加減がないアメリカのチョコレートキャンディの攻撃力」の記事より、スニッカーズ 58.7g (0.67$=54円)

キットカット 83g (1.03$=82円)

◆生活
トイレットペーパー4ロール (0.94$=76円)

ペーパータオル1ロール (0.83$=67円)

コルゲートの歯ブラシ (1.20$=96円)

石けん2個組み (1.36$=109円)

ビックのライター (1.38$=110円)

アメリカの旗 (1.00$=80円)

防寒用の鍋つかみ (1.03$=82円)

Maxell イヤホン (5.47$=437円)

漫画ドラゴンボール (4.36$=349円)、日本の再販制度と違って値引き販売されていました。従来の本体価格は7.95$=636円です。

散髪 (8.00$=640円)

コインランドリーでの洗濯機 (2.00$=160円)

コインランドリーでの乾燥機10分間 (0.25$=20円)

レギュラーガソリン 1L (1.05$=84円)

セルフ洗車場 (2.99$=239円)

グランドキャニオンのポストカード (0.39$=31円)

日本にポストカードを送る切手代 (1.05$=84円)

日本への小包 Medium Box (47.95$=3836円)、アメリカ合衆国郵便公社のサービスで重量は関係なく箱単位の課金システム。

ボトルゲージ (4.58$=366円)

Slime Tube Protectors (11.19$=895円)、タイヤとチューブの間にはさむパンク防止用のチューブです。

シマノ DeoreLXチェーン CN-HG73 (32.79$=2623円)

Bike Peddler Take A Look Cyclist Mirror (17.49$=1399円)、眼鏡やサングラスにつける後方確認用のミラー。

バングラデシュ製 ズボン (12.81$=1024円)、夏物処分のセール品でした。

熊撃退スプレー (9.33$=746円)

中国製のダッフルバッグ (15.15$=1212円)

中国製のウエストポーチ (6.88$=550円)

サーマレスト ProLite Plus (120.18$=9614円)、アウトドア用のマット

ユタ州でトイレ、シャワー共同のワイファイ付きキャビンに1泊 (38.59$=3087円)、この部屋は一人でも二人でも値段は変わりません。

ユタ州のモーテル1泊 (29.99$=2399円)、これに10%少しのホテル税がかかるのですがユタ州、アリゾナ州では30$台のモーテルの看板を何度かみかけていました。

◆買物場所
アメリカでは買物に困ることはありませんでした。村にでさえ、小さなスーパーマーケットがあって、街くらいになれば、独立系のスーパーマーケットでも大きな店舗を構えます。大きな市になればウォルマートやセーフウェイといった全国展開するスーパーマーケットが競争を繰り広げていました。日本の100円ショップにあたる1$ショップも全国に展開していて、安価な中国の雑貨だけではなく食料品も扱っているので便利です。アメリカの車社会に欠かせないガソリンスタンドには、日本でも見慣れたコンビニも併設されていて、休憩にも利用することができました。
セブンイレブン

サークルK

am・pm

ガソリンスタンドのジェネラルストアー

村のスーパーマーケット

街のスーパーマーケット

ウォルマートは世界最大のスーパーマーケットチェーン

倉庫型スーパーマーケットのコストコ

1ドルショップのDollar General

1ドルショップのFamily Doller

自転車やアウトドアグッズならREI

◆まとめ
日本と同じくらい発展しているアメリカは紛れも無い先進国です。日本の2.4倍の3億1000万人が住むアメリカだからこそ、激しい競争の中で物価が下がるのも分かります。貧富の差の拡大によるフードスタンプ受給者の増大も物価を下げる一因となっているでしょう
ただ、こうして値段を並べてみた1ドル=80円の世界は行きすぎではないでしょうか。スニッカーズ、プリングルス、モンスターエナジーもアメリカブランドとはいえ安くなりすぎです。カップ麺が24円なんて、物価の安い国でもなかなか見ることができません。「今の93円は、かなり円安過ぎなのだ」という新聞の記事もありましたが、本当にそうなのでしょうか?1ドルが100円だった時期もあったわけで、紹介した写真のドル価格を100倍にしてみて下さい。
何が正しいか分かりませんが、1ドルが80円まで進んだ円高で、アメリカの物価はこのようになっていました。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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