サボテンだらけの世界、日本人には想像もできないアリゾナとメキシコの旅

J-POPの歌詞に出てくることから「サボテンの花」にはずっと可愛らしいイメージを持ってました……アメリカ南部のアリゾナ州で原生のサボテンを見るまでは。ずっしりとした寸胴から伸びた腕は筋肉モリモリのマッチョマン。寡黙な奴らですが、威圧感で押しつぶされそうです。でも、サボテンの広がる景色がこんなに楽しいとは知りませんでした。訳の分からないくらいに種類も豊富。アリゾナとメキシコにあるサボテンは皆に愛されていて、あらゆる場所で目にすることができます。市場では食用として販売されていたので食べてみました。日本人には馴染みの薄いサボテンだらけの世界を紹介します。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。それまでそれなりに旅してきたのに、サボテンが一面に広がる景色は想像もしていませんでした。世界は広すぎます。
◆荒野に生きるサボテン
グランドキャニオンの観光を終えて、アリゾナ州の州都フェニックスを目指します。グランドキャニオンでは標高2000mを超えていたのですが、南下するに連れて標高を下げて、緑が溢れる森の景色は乾燥し、ニョキニョキとしたサボテンが姿を表しました。フェニックスから更に南下してメキシコの国境も近い「Organ Pipe Cactus National Monument」は言葉を無くすくらいにサボテンだらけ。メキシコ北部もサボテンでいっぱいでした。
道脇がこんな感じに。

大繁殖。

枝分かれしない種類のサボテン。

電柱より高く背丈を伸ばしていました。

辺りは乾燥しています。

「Organ Pipe Cactus National Monument」のサボテン。

サボテンの森。

道路を挟んでサボテンだらけ。

一本、一本が本当に大きい。

ソノイタ(Sonoita)という国境からメキシコに入ったら、しばらくはサボテンしかありませんでした。

真っ直ぐと伸びる道路。この区間は100kmに渡って、街も人の姿もなくサボテンしかなく。

こんな感じで道脇にはサボテンが静かにしていました。

急な岩場にだってサボテンは育っています。

花をつけたサボテン。

ツンツンとした姿で、控えめにつける花は可愛らしくありませんか?「あなたの為に咲いてるんじゃないから」とでも言い出しそうで。

サボテンのてっぺんにあるコブは「いつしか分からないけど花が咲くよ」と聞きました。

タイタニックの映画の真似事をしているような3本のサボテン。

やりきれないことでもあったのか、枝分かれが激しいですね。

◆種類
アリゾナ南部からメキシコ北部に関しては毎日サボテンを見てました。種類は分からなくても、違いは分かります。こうしていろんなサボテンを集めてみたのですが、記事にするあたってインターネットを調べてみても何がどうなっているのか見当がつきません。「こいつはサボテンなのか?」というのも。多種多様なサボテンが自生していると分かって頂けたらと思うのですが……。
01:ウチワサボテン。この種類のサボテンは食用にもなっています。

02:茎節には棘があってプニプニとしています。姿かたちは木のようです。

03:枝分かれせずに、どこまでも1本の茎節で伸びる種類。

04:03に似てますけど、背丈が伸びないような感じでした。花を咲かせていたのがこいつです。

05:小さいサボテンが密集しています。

06:腕を伸ばすサボテン、デザインなどで見るサボテンはこの形が多かったです。

07:ウチワサボテンの仲間だと思うのですが、茎節の形が変わっていました。

08:こちらも変わったサボテン、巨大で上部で枝分かれをしません。

09:05に似ていますが、もっと細かく密集してます。棘の形も違っています。

10:棒状のサボテン、変な場所から茎節を伸ばしているのが面白い。

11:緑の部分はプニプニとして棘もあるのですが、茶色の部分は木の枝みたいに固くなっています。これもサボテンの仲間なんでしょうか?

12:小さな茎節が集まって一つのサボテンを作っています。

13:サボテンではないと思うのですが、枝と棘しかない植物。

14:こちらもサボテンじゃないですが、ペンキで塗ったような緑の幹の木。Palo Verdeと呼ばれる木のようです。

◆人々の生活の中で
サボテンは自然の中だけではなくて、人々の暮らしの中にも入り込んでいました。アメリカではタコスのファーストフードのデザインにサボテンが入っていたり。この辺りのガーデニングのスタイルもサボテンが主役。食用になっているので食べることも可能です。
街の中に溶け込んだサボテン。

サボテンの隣にテントを張りました。

ガソリンスタンドの店先に。

ユースホステルのマークもアメリカンジョークでサボテンに。

同じくユースホステルのコンセント。

街中でオブジェクトになっていたり。

飲用水の自動販売機でもデザインに使われています。

メキシコに入ったら街路樹がサボテン。

メキシコのガソリンスタンドにもサボテンの姿。

玄関先にもこんな立派なサボテンが……。

観葉植物として路上でも販売されています。

ホステルの共同キッチンにも観葉植物として置かれてました。

市場にも食用としてサボテンが売られています。ウチワサボテンの一種のようです。

茎節を切って和えてあるサボテンサラダ。ワカメのようにヌメヌメとしてますが悪くありません。そこら辺のおばちゃんが作ったサラダなんですけど、野菜の使い方とか味付けとか最高ですね。

続いて果実も食べました。

周りの弾力性のある部分はキュウリのような食感で、中心の赤い部分はシャリっとしていますが種が多くて食べ辛いです。酸っぱい中にほのかな甘みがあって難しい味でした。とりあえず試してみたのですが、美味しい果実の選び方とか、調理方法とかあるかもしれません。

◆ドラゴンフルーツ
この記事を書くまでは深く考えなかったのですが、実はオーストラリアを一周中にサボテン畑の中で働いたことがありました。ドラゴンフルーツはサボテン科の植物になるそうです。ニョキニョキと変な植物だと思っていたのですが、棘が目立たなかったのでサボテンだとは思いませんでした。
ドラゴンフルーツの畑。

コンブみたいな形をした茎節。

大きくて美しい白い花を咲かせていました。

この赤い果実を食用にします。

◆テキーラ
サボテンではないですが、アガベ(竜舌蘭)の畑もありました。メキシコの植物は固かったり、棘があったりと何かとたくましい。アガベはテキーラの原料になっていて、メキシコでは栽培もされています。お酒の名前と一緒であるテキーラの街周辺ではアガベの栽培が盛んでした。
アガベの畑。

中心から広がるように硬質の鋭い葉っぱを伸ばしています。

葉っぱではなくて中心の茎に当たる部分がテキーラの原料に。

テキーラの製造工場。

◆日本でもサボテン
実は日本の実家にもサボテンがあって、旅の間にもスクスクと育っていました。
2005年01月17日。

2005年11月14日。

2008年06月01日。

2009年04月02日。

2010年03月06日。

2012年06月10日。

この記事を書く為にサボテンについて調べたのですが、鞠のような形のサボテンは未だ見ていません。綺麗な花も咲かすサボテンも多いみたいです。中米、南米とまだまだ走っていくので、また何かみつけたらどこかで報告します。ここまで植生が違っているとは思ってもいなかったので、これからも引き続き楽しみにしています。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com)
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in 取材, Posted by logc_nt
You can read the machine translated English article A world full of cactus, a journey of Ari….