軍事用偵察マシンに子どものおもちゃから「ルンバ」プロトタイプまで、iRobot社が作ったロボットが勢揃い
福島第一原発の事故後に現場に投入され、人が立ち入る事ができない場所で作業を行ってきた「パックボット」や家庭用ロボット掃除機の世界的ベストセラー「ルンバ」の初期型など、iRobot社が開発を行ってきたロボットの数々が同社の新製品発表会場に展示されていたので写真とムービーで撮影してきました。
ルンバの発売10周年を記念したイベントの会場に到着。
最新モデルの「ルンバ」600シリーズの発表なども行われる予定のため、大量の報道陣がつめかけています。
その会場の一角にiRobot社が開発を行ってきたロボットたちが並ぶ展示スペースがありました。
敵が潜む建物に窓から投げ込むなどして偵察を行うためのロボット「ファーストルック」。地面にたたきつけても壊れることのない堅牢な設計で、本体中央にあるカメラで周囲を見ながら操作して人が行けない場所の情報を収集することが可能。
人間と大きさを比べると非常にコンパクトであることがわかります。
上から見るとこんな感じ。
ゲーム機のようなコントローラーで操作可能。
無限軌道の脇に備えた脚を動かすことで高さを変えたり、ひっくり返ったりすることもできます。
実際に動き回っている様子は以下のような感じで、意外に素早いです。
軍事用偵察ロボット「ファーストルック」が走り回る様子 - YouTube
2010年4月に起こったメキシコ湾原油流出事故の際に、人が行けない場所に長時間潜水して海水の調査を行うために開発された「シーグライダー」。
横に立っている成人男性の身長の倍近い全長があります。
もともとは軍事偵察用に開発されたものの、福島第一原発の事故現場では建屋内の撮影などを行うために活躍した「パックボット」。
アームの先端にカメラを搭載。
足下はこんな感じ。
後ろ側。
カメラの背面。
アームを伸ばすとかなりの高さまでカメラを持ち上げることが可能。
アームの半ばには物をつかむための手が付いています。
1991年にiRobot社が製作したロボット「ジンギス」。
小型のマシンでもガレキや岩を超えることができる、というロボットの悪路走破性能を証明するために作られたものとのこと。
「アリエル」と名付けられたマシンは浅瀬に仕掛けられた水中地雷を探し出すためのロボット。
子供用に作られた人形型ロボット「マイ・リアル・ベイビー」はこんな感じ。
確かに、すごくリアルです。
後に全世界で800万台以上を売り上げるロボット掃除機の大ベストセラーになった「ルンバ」の1997年に製作されたプロトタイプは以下の通り。
2002年に製品化された初代の「ルンバ」。
翌年に販売がスタートした「ルンバプロ」。
2004年モデルの「ルンバディスカバリー」は以下の通り。
さらに進化を続け指定した時間に掃除をすることが設定可能になった「ルンバスケジューラー」。
2007年に発売された「ルンバコネクト」はウェブカメラ付き。
現行のルンバとほぼ同じデザインになった「ルンバ500」。
今も販売が続いているハイエンドモデル「ルンバ780」は2011年の登場。
この日発表になった最新モデルの「ルンバ630」はこんな感じ。
ロボット掃除機の進化の歴史が一望できる展示です。
日本ではロボット掃除機「ルンバ」の印象が強いiRobot社ですが米国では医療支援ロボットから災害対策、軍事用ロボットなど幅広い製品の販売開発を行っているわけですが、どのロボットも奇をてらっているわけではなく、あくまでも「実用性」を第一に作られていることが、こうして一度に見るとよくわかります。
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