落日のBlackBerryにMicrosoftとGoogleが興味を示す
By berrytokyo
つい先日、スマートフォンOS・端末の「BlackBerry」で知られるリサーチ・イン・モーション(RIM)がBlackBerry 10のリリース延期と社員の1/3の解雇を発表しました。CEOはまだまだ戦意を見せていますが、会社を取り巻く状況が厳しいという現実は変わりません。
そんなRIMに対して、スマートフォンの競合相手であるMicrosoftやGoogleが興味を示しています。
Google Design Chief Would Love to Work With RIM on an Android Phone With a Real Keyboard - ABC News
Google社内でAndroidのユーザーエクスペリエンス担当をしているディレクターのMatias Duarteさんは、近ごろのAndroid端末のキーボードはほとんどがソフトウェアキーボードで、ハードウェアキーボード搭載モデルがないことを認め、まだハードウェアキーボード搭載モデルは必要だと語りました。
もともとDuarteさんはGoogle入社前はPalm Pre端末でソフトウェアデザインを担当しており、個人的にハードウェアキーボードを搭載した端末に長く触れてきた経験があって、ハードウェアキーボード搭載端末の居場所はまだあると考えているとのこと。
DuarteさんはGoogleがハードウェアメーカーと連携して端末を作るNexusプログラムの担当者の1人でもあり、「RIMがAndroid端末を作ってくれるなら大歓迎です。すばらしいキーボード付き端末を作ってくれるだろうから」と語っています。
By BestBoyZ GmbH
Exclusive: Microsoft tie-up, network sale among RIM options: sources | Reuters
また、ロイター通信では3つの情報筋から情報を得ており、これによると、MicrosoftもRIMについて興味を持っているとのこと。Microsoftは今年2月に大手携帯電話端末メーカーのノキアと業務提携をしており、ノキアではMicrosoftの最新OSを端末に採用していますが、これと同様の提携を行うために、スティーブ・バルマーCEOがここ数ヶ月ほどアプローチをかけています。
RIMが生き残る方策の1つとして、開発が遅れている独自のBlackBerryOSを放棄し、Microsoftがリリースする次期スマートフォンOSであるWindows Phone 8に乗り換えるというのは悪い手ではありません。しかし、RIMとしての独立性が失われてしまうため、このプランには魅力がないとRIMは考えています。
By okalkavan
Microsoftが興味を持っているのはRIMの持つ無線技術特許であるという話もありますが、RIM、Microsoftとも、この件についてはコメントしていません。
また、RIMが生き残る別の方策として示されているのが、その独自のネットワークをプライベート・エクイティ・ファンドやテクノロジー企業へと売却すること。購入した企業ではこのネットワークを他のスマートフォンプロバイダへと開放してサービス提供ができますが、一方で、ファンドはネットワークビジネスとハードウェアビジネスの切り離しを進めるはずなので、RIMの端末ビジネスに未来がなくなってしまうという懸念もあります。
かつてRIMでは、元共同CEOのJim Balsillieによってライバル会社にネットワークを開放するというプランが検討されたことがあります。このときはプランは実行には移されることなく、Balsillieは会社を去りました。しかしRIMは今後、このときに検討されたプランよりももっとネットワークをオープンにせざるを得ないのではないかとヘッジファンドは見ています。
By ilamont.com
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