「Galaxy S II」を宇宙に飛ばしたバルーンの設計者に話を聞いてきた
スマートフォンとビデオカメラを観測用の気球に搭載して一般の人々から送られてくるツイートを表示する様子を生中継しつつ宇宙まで飛ばす、という「Galaxy S II」のプロモーションイベント「SPACE BALLOON PROJECT」が「文化庁メディア芸術祭」のエンターテイメント部門で大賞を受賞。気球の制作を担当したJP AEROSPACE社のCEO、John Powell氏が来日しているということなので一体どのように仕組みを使って宇宙までの打ち上げを実現したのか直接本人に聞いてきました。
この人が「JP Aerospace」の代表を務めるJohn Powell氏。
バルーンはだいたい大人2人分くらいの大きさで、重量は約10キロとのこと。
青い羽根はスタビライザーで、上昇や落下の際に本体が回転してしまうのを防ぐためのパーツだそうです。
バルーンと本体をつなぐ場所に設置された青い箱は切り離し装置。
落下時に速度を緩めるためのパラシュートはこのようにカゴに収められています。
パラシュートを納めたカゴの下部には穴が開いており、大気が濃くなる高度まで落下してくると空気抵抗を受けて自動的に適切なタイミングで傘が開くようになっています。
設置されている宇宙飛行士の人形は、実際の飛行にも使用されたもの。
後ろからみるとこうなっています。
「Galaxy S II」とつながるUSBケーブルです。飛行の直前までバッテリーを充電するために、このようにスグに接続できる場所に出してあるそうです。
宇宙飛行士の人形の正面にある黒いパーツはカメラ。
背後に設置されたバッテリーと接続されています。
大気が薄くなる高高度で日光を浴びると放熱がしづらくなって高温になり他のパーツを焦がしてしまうことがあるため、断熱用の部品が下に敷かれているそうです。
接合部やスイッチボックスは結構手作り感があふれています。
落下後に行方不明になった場合に備えて、連絡先が書かれています。
制作に携わった人たちのサインが書かれたパネルが貼り付けてありました。
実際に宇宙に打ち上げたものと同様の気球を前に熱心に仕組みを解説してくれたJohn Powell氏。
宇宙まで行ったのに意外にも手作り感満載のバルーンですが、よくよく考えるとスペースシャトルもロケットも究極の一品手作りもの。そういう意味ではやはりスペースバルーンも由緒正しき逸品、「文化庁メディア芸術祭」に行けば宇宙のロマンを目の前で感じられるはずです。
© SAMSUNG ELECTRONICS JAPAN
・関連記事
「Galaxy S II」がバルーンで宇宙へ到達、落下していく様子も生中継 - GIGAZINE
WiMAX+NFC+有機EL+1.4GHzデュアルコアCPU搭載「GALAXY SII WiMAX ISW11SC」 - GIGAZINE
ドコモ版とは別モノになったau版「GALAXY SII WiMAX」フォトレビュー - GIGAZINE
WiMAX搭載「GALAXY SII」はどれだけ速くインターネットにつながるか調べてみた - GIGAZINE
世界初のAndroid 4.0「Ice Cream Sandwich」採用、「Galaxy Nexus」正式発表 - GIGAZINE
・関連コンテンツ