5000円程度で作った気球で宇宙を目指す北海道の学生、高度7000mまで到達
現在北海道で学生をしている方からのタレコミによると、「Gigazineさんで気球で宇宙を撮影した記事を読み、自分でもやってみたくなり、実際に気球を作り宇宙を目指してみました」ということで、かなり気合いの入ったレポートが送られてきました。
from the heavens 手作り気球で宇宙撮影を目指して
http://www.wix.com/jonneysebasua1/fth
「気球を打ち上げて宇宙を撮影したい!と思い立ったが、どのような装置を作ればいいか分からない、風の強さがどのくらいかも分からない、打ち上げた後どうなるかもわからない。分からないだらけからの出発」「なにもデータがなかったので自分で色々調べ設計し、お金もなかったので安く出来るように工夫し、カメラ込で5000円程度で完成しました。落下速度を遅くする単純な機構なども考え取り入れました」
「まずは紐を付けて、気球が流されないようにして試験」
1回目は札幌市北区にて2011年10月8日13時21分に打ち上げ、天気は快晴、無風。
「失敗もあったが、必要なヘリウムの量計算値より大きく異なることや気球で強度が必要とされる箇所、理想的なカメラの取り付け位置などが分かった」ということで結果、高さ300メートルに到達しています。
2回目は11日後の2011年10月29日12時48分、晴れ、東の風1メートル。「1回目の実験の数日後の風の強い日に行った実験で気球と観測機を一組失った。その時の映像は気球と一緒に失われたため、ここで紹介することが出来ない。失敗の原因は紐の結び目が切れたことであった。この失敗を反省し、気球を設計し直し、結び目の数が少なくなるように変更を加えた」
「また1回目の実験から、気球に小さい風船を大量に使うと振動が激しくなり映像が上手く撮影出来ないことが分かったため、直径76cmの巨大な風船を利用することにした。またカメラの位置を下向きから真横向きに変更しより広い視野を得ることが出来るようになった」
「紐付き気球では上げることが出来る限界が紐で制限されてしまうため500mを目標にした。紐付き気球はこれで最後である」
そして3回目は2011年11月10日午前11時16分、天気は快晴で無風、上空は北風、札幌市東区から打ち上げ。
「1、2回目の実験の結果を踏まえ、新しい気球を設計し直し宇宙を観測するため打上を行った。結果としては成層圏まで上がらず、7000mほどで落下してしまったが、札幌から室蘭までの長距離をフライトし、様々な景色を映し出すことに成功した。写真は準備から気球に撮影された風景、流された経路の順に並べてある」
タレコミのメールによると「残念ながら宇宙が見れる高さまで上がりませんでしたが、遠ざかる札幌の街並みや、上空からの支笏湖、羊蹄山を見下ろしたパノラマなど様々な写真を撮ることが出来ました。カメラを載せた気球は180kmの長旅をして、親切な方が拾ってくれ、手元に帰ってきました」とのことです。
なお、「2011年は冬を迎えてしまったため、気象が穏やかになる翌年まで実験は休止である。これまでの実験からの経験とデータを基にさらに改良を施し、2012年夏の風が穏やかな日、宇宙と大気の境界を撮影する」とのことで、宇宙への挑戦はさらに続きます。
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