メモ

【訃報】Appleの創業者でiPhoneやiPodを生み出したスティーブ・ジョブズ氏、死去


Apple社は、同社の創業者であり前CEOのスティーブ・ジョブズ氏が2011年10月5日早朝に亡くなったことを発表しました。

Remembering Steve Jobs - Apple
https://www.apple.com/stevejobs/

Apple has lost a visionary and creative genius,and the world has lost an amazing human being.Thone of us who have been fortunate enough to know and work with Steve have lost a dear friend and an inspiring mentor.Steve leaves behind a company that only he could have built,and his spilit will forever be the foundation of Apple.
If you would like to share your thoughts, memories, and condolences, please email [email protected]
Appleは将来を見通す創造的な天才を失い、この世界は一人のすばらしい人間を失いました。スティーヴと共に同じ時代を生き、または共に働く幸運に与った私たちは、親しい友であり、同時にインスピレーションを与えてくれる師を亡くしたのです。スティーヴは彼だけが作り得た会社を遺しました。彼の魂は永遠にAppleの礎として生き続けるでしょう。
弔辞や(スティーブについての)考え、そして思い出を共有したい方は、こちらのアドレス([email protected])までご連絡ください。


Apple - Press Info - Apple Media Advisory
http://www.apple.com/pr/library/2011/10/05Apple-Media-Advisory.html

IT業界でライバル的なポジションにあったMicrosoftのビル・ゲイツ会長は以下のようなメッセージを寄せています。

I’m truly saddened... | Facebook


内容は以下のような感じ。

スティーヴ・ジョブズの死を心から悼みます。メリンダと私はスティーヴの家族と友人諸氏、そして彼の業績に携わった全ての方々に心からお悔やみを申し上げます。
スティーヴと私は30年ほど前に初めて出会い、それからの半生を僚友として、競争相手として、そして友人として過ごしてきました。
世界は彼ほど巨大なインパクトを持ち、何世代にもわたって影響を及ぼしうるような人物に再び巡り会うことはないかもしれません。
我々は幸運にも彼と共に生き、働くことができたのはこの上なく光栄なことでした。
彼の死を心から惜しみます。

Apple社役員会の声明はこちら。

Apple - Press Info - Statement by Apple’s Board of Directors
http://www.apple.com/pr/library/2011/10/05Statement-by-Apples-Board-of-Directors.html

Statement by Apple’s Board of Directors
We are deeply saddened to announce that Steve Jobs passed away today.

Steve’s brilliance, passion and energy were the source of countless innovations that
enrich and improve all of our lives. The world is immeasurably better because of Steve.

His greatest love was for his wife, Laurene, and his family. Our hearts go out to them and to all who were touched by his extraordinary gifts.

非常に悲しいことですが、本日スティーヴ・ジョブズが亡くなったことをお伝えしなくてはなりません。

スティーヴの優れた才能と情熱と精力は私たちの生活を進歩させ、豊かにした数え切れない革新の源でありました。
世界はスティーブによって計り知れぬほどよりよきものとなりました。

彼が誰よりも愛した妻のローレンとご家族、そして彼の偉大なる仕事に心動かされた全ての人に哀悼の意を捧げます。


また、アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領、Facebook創設者のマーク・ザッカーバーグ、Yahoo!共同創設者のジェリー・ヤン、映画監督のジョージ・ルーカスからも追悼のメッセージが送られています。

President Obama, Bill Gates, Mark Zuckerberg, Others React to Steve Jobs' Death - ABC News
https://abcnews.go.com/Technology/reaction-steve-jobs-death/story?id=14678187

◆バラク・オバマ大統領

"Michelle and I are saddened to learn of the passing of Steve Jobs. Steve was among the greatest of American innovators - brave enough to think differently, bold enough to believe he could change the world, and talented enough to do it.

By building one of the planet's most successful companies from his garage, he exemplified the spirit of American ingenuity. By making computers personal and putting the internet in our pockets, he made the information revolution not only accessible, but intuitive and fun. And by turning his talents to storytelling, he has brought joy to millions of children and grownups alike. Steve was fond of saying that he lived every day like it was his last. Because he did, he transformed our lives, redefined entire industries, and achieved one of the rarest feats in human history: he changed the way each of us sees the world.

The world has lost a visionary. And there may be no greater tribute to Steve's success than the fact that much of the world learned of his passing on a device he invented. Michelle and I send our thoughts and prayers to Steve's wife Laurene, his family, and all those who loved him."

ミシェルと私はスティーブの死を心から悼みます。スティーブは最大のアメリカの革新者でした。彼は人と違う考えができるほど勇敢で、世界を変えられると信じられるほど大胆で、そしてそれを成し遂げられるほど才気に満ちていました。

彼は自分のガレージからこの星で最も成功した会社のひとつを立ち上げることで、アメリカの創造的な魂を示しました。そしてコンピュータを個人的なものとし、インターネットを私たちのポケットに入るものにすることで、情報革命を単に私たちが触れられるものにしただけでなく、直観的で楽しいものにしました。また、彼は物語る時ことで、多くの子供たちと大人たちに等しく喜びをもたらしてくれました。スティーヴはよくこういう言い方をしました。「私は毎日、今日が最期の一日であると思いながら生きている」。彼がそのように生きたからこそ、彼は私たちの人生を変え、全ての産業を再定義し、人類の歴史にまれに見る偉大な一歩を刻んだのです。彼は私たちが世界を見るまなざしを変えたのです。

世界は偉大な先見の明を持った人物を失いました。彼の作ったデバイスによって世界中の多くの人々が訃報を知ったという事実以上に偉大な賛辞はありません。ミシェルと私は、スティーヴの妻ローレン、彼の家族、および彼を愛していたすべての人々のもとへ私たちの思いやりの心と祈りを送ります。


なお、このメッセージの中に出てくる「think different」はジョブズがAppleに復帰した1997年のAppleの広告のキャッチコピーです。また、「he could change the world」の下りも同広告が引用していたジャック・ケルアックの作品「路上にて」の一節を踏まえたものです。

◆Facebook創設者 マーク・ザッカーバーグCEO

"Steve, thank you for being a mentor and a friend. Thanks for showing that what you build can change the world. I will miss you."
スティーヴ、師であり友であってくれてありがとう。あなたが作り上げたものが世界を変えられるのだということを見せてくれたことに感謝している。とても寂しいよ。


◆Yahoo!共同創設者 ジェリー・ヤン前CEO

"Steve was my hero growing up. He not only gave me a lot of personal advice and encouragement, he showed all of us how innovation can change lives. I will miss him dearly, as will the world."
スティーヴは私のヒーローだった。彼は多くの個人的なアドバイスや励ましをくれただけでなく、私たち全てに革新が生活を変えうるのだということを示してくれた。世界中の全ての人と同じように、深く彼の死を悼みます。


◆映画監督・プロデューサー ジョージ・ルーカス(「スターウォーズ」「インディージョーンズ」シリーズ作者)

"The magic of Steve was that while others simply accepted the status quo, he saw the true potential in everything he touched and never compromised on that vision. He leaves behind an incredible family and a legacy that will continue to speak to people for years to come."
スティーヴの魔法は、他の人々が単に現状を受け入れている中で、自分が触れる全ての真の可能性を見て、決してそのヴィジョンを妥協しないことだ。彼はかけがえのない家族と後世に語り継がれるであろう伝説を遺した。


この訃報に、Googleのトップページにも「Steve Jobs, 1955-2011」の文字列が出現しています。

Google


ジョブズは学生時代にのちに共同創業者となるスティーブ・ウォズニアック(ウォズ)と出会い、雑誌に掲載されていた無料で長距離電話をかけられる「ブルー・ボックス」を作って学内で販売していました。

1976年、ウォズが自力でコンピュータを作り上げ、当時勤めていたヒューレット・パッカード社に商品化を持ちかけますがあしらわれてしまい、ジョブズとウォズは自分たちで売ることに決定。1976年6月、「Apple Computer I」の販売にこぎ着けます。アップルコンピュータ社が法人化した1977年に発売された「Apple II」は爆発的な人気を呼び、1984年には200万台を売り上げています。

1979年の時点でジョブズらはApple IIの次世代コンピュータ「Lisa」の開発に取りかかっていましたが、独断専行を繰り返すジョブズはやがてLisaプロジェクトから外されてしまいます。しかしジョブズは、同時に進行していたMacintoshプロジェクトへの参加を表明。当初はハードを担当していたジョブズですが、ここでもソフトに口出しするようになり、ソフト側の担当をしていたジェフ・ラスキンが退社することになります。

1984年にMacintoshが発売されますが、需要を読み違えて過剰在庫による赤字が発生。これによりジョブズは「Apple社会長」以外の全ての役職を奪われます。そこでジョブズは会長を辞任、NeXT社を設立して新たなコンピュータの開発にかかります。また、このころルーカスフィルムのコンピュータ・アニメーション部門を1000万ドルで買収して「ピクサー(Pixar)」として独立させました。ジョブズはピクサーに5000万ドルという巨額の投資を行いますが、「トイ・ストーリー」の大ヒットによりこの出資分を越える資産を手にします。

ジョブズが抜けた後のAppleはPower Macintoshシリーズなど好調な部分があったものの全体的には低迷、1994年には需給予測を大幅に外した結果、8000万ドルの赤字を出していて、会社をどこへ身売りするかということだけを考えている状態に陥っていました。そんな状況の1996年にCEOに就任したのが大のMacintoshファンであったギル・アメリオで、ようやくAppleは「再建する」という方向へと舵が取られます。

当時、Appleは次期OS開発に苦しんでおり、開発コード「Copland」はモジュール開発は進んでいたものの個別に開発が行われており、それをOSとして組み上げることができず、開発中止。Windows NTやSolaris、OS/2、BeOSを次期OSの候補としていました。しかしこれも順調に進まず、最終的にはジョブズのNeXT社が開発した「OPENSTEP」を採用することになり、Apple社はNeXT社を買収、ジョブズはAppleに復帰することになりました。

ここからはジョブズの快進撃で、曲面デザインを採用したPowerBook G3、半透明筐体でグッドデザイン賞を受賞したiMac、さらに携帯音楽プレイヤーのiPodと革新的な商品を連発。2007年にはスマートフォン市場に進出してiPhoneを、2010年にはタブレットPCであるiPadをリリースし、Appleの創業者自ら「中興の祖」となって会社を助けました。

しかし健康状態の悪化により、2011年1月に病気療養のため一時休職、8月にはCEOを辞任していました。

プレゼンテーションに姿を現す度に「また何かやるのではないか」「また『ワンモアシング』があるのではないか」と思わせる、大きな存在でした。

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in メモ, Posted by logc_nt

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