「セシウムさん」テロップ作成者解雇、検証番組に出演し証言
番組放送中に「怪しいお米 セシウムさん」などというテロップが誤表示された問題について、東海テレビ自身が検証番組を放送、その中に問題のテロップを作成したとされる下請け社員が出演し、テロップ作成の動機などについて語りました。この男性社員は所属していた会社を懲戒解雇されました。
番組内で、不適切なテロップを制作したテロップ制作会社の50代男性について検証委員会から質問が投げかけられる場面がありました。声に加工はされていなかったものの、顔や氏名などが明かされることはありませんでした。
「セシウムさん」テロップを作った段階で、番組の女性若手タイムキーパーから注意があったものの、「『すぐに直して下さい』と言われた記憶というか、まったく認識もありませんでした」「(修正を求められた)記憶はない」と証言。
タイムキーパーを務めていた若手社員は「(男性社員からの返答は)『あとでやっときます』というような『わかってますよ』というかたちに聞こえた」としていて、両者の認識にズレがあったというような内容で構成されています。
続いて、「なぜ非常識な言葉を入れたんでしょう」という問いに対しては、「本当に思いつきでちょっとしたふざけ まあ思いついたことをぽんぽんと文章に入れてしまっただけ。とくに会社の中の人たちとか こうしてやろうとかそういう気持ちはまったくなかったです」としていて、会社への恨みや報復などの意味合いではなく、思いつきで浮かんだフレーズを入れただけというところを強調。
検証委員会から詰問されると、しどろもどろになりつつも、「すぐに差し替えるつもりだったのでまさか放映されるとは思っていなかった」というような内容を語り、セシウムさんというフレーズに関しては「確かに不愉快なところもあったかもしれませんがその時はそこまで思っていなかったです」「ダミーで適当に思いついたのをただ特に重要性もなくただ自分の中だけで文章を作ってしまった」としていて、あくまで独断による制作だったことを強く申し立てているようにも見えます。
外部のテロップ制作会社に身を置きつつも、東海テレビで30年近くこの仕事をしてきたとのこと。東海テレビがトップページで宣言しているところによると、この男性社員は東海テレビの子会社である東海テレビプロダクションの社員ではなく、また別の会社の社員だったということです。
この男性は8月28日づけで所属会社を懲戒解雇されています。この後も同じような問答が繰り返されるのですが、一貫して男性の独断による制作であったこと、他者からの指示を受けていなかったことを繰り返しています。
「テロップが作成されてしまった理由」「テロップが放送されてしまった理由」と章立てて構成し、どういう経緯で今回の「セシウムさん」問題が起きたのかという、ある種物理的とも言える側面はかなり事細かに解説されています。そしてそれらの原因となったものとして「コミュニケーション不足」と「当事者意識の欠如」などの項目を挙げて改善をするとしています。解説には多くの登場人物が登場しますが、テロップ制作を行った男性社員以外の処分については特に言及されていませんでした。
動画は約2週間程度下記リンク先で掲載されるとのことですが、掲載終了日時は発表されていません。1時間とかなり長い動画ではありますが、騒動が起こるに至るまでの詳細な「解説」がされていることは確かなので、気になる人は早めに見ておいた方がよいと思われます。
検証 ぴーかんテレビ不適切放送 ~なぜ私たちは間違いを犯したのか~
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