コーヒーが体に与える良い影響と悪い影響


コーヒーには寿命を長くする効果があるという好意的な研究結果がある一方で、難聴のリスクに関係しているといったネガティブな研究結果も報告されています。そんなコーヒーのルーツや体に影響を与える仕組みを解説する動画が公開されています。

Coffee and what it does to your body - BBC World Service - YouTube


コーヒーの原種の1つとして知られるのがエチオピア原産のアラビカコーヒーノキです。伝説では「9世紀ごろに、エチオピアのカルディが飼っているヤギが赤い木の実を食べて突然興奮しだした。カルディも同じ実を食べて、味の良さに驚いた」というのがコーヒーの始まりとされています。


また、歴史的にはイエメンのスーフィ教徒がコーヒーの実を焙煎(ばいせん)して現代のコーヒーに近い飲み方をしていたと伝わっています。


15世紀にはコーヒーハウスがオスマン帝国全土に広がり、その後数世紀かけてヨーロッパにも広がりました。ヴォルテールなどの哲学者は1日に数十杯ものコーヒーを飲んだとされており、コーヒーがなければ啓蒙(けいもう)思想は生まれなかったとも言われています。


コーヒーは奴隷貿易の原動力になったという側面もあります。例えば1800年代初頭にはアフリカ人奴隷たちがブラジルで世界のコーヒーの3分の1を生産していました。


現代では、世界全体で毎日20億杯ものコーヒーが飲まれています。


コーヒーに含まれるカフェインが体に作用する仕組みは次の通り。まず、コーヒーを飲むと各種成分が小腸で血中に取込まれます。


そして、カフェインは血管を通って全身に運ばれます。


最終的にカフェインは神経系に到達します。


カフェインはアデノシンに似た形をしており、アデノシン受容体と結合することができます。以下の図は、角張った物体がアデノシンで、球体がカフェインを示しています。


アデノシンとアデノシン受容体が結合すると、「心拍数を下げる」「リラックスを促す」「眠気を促す」といった効果が生じます。一方で、カフェインとアデノシン受容体が結合すると、その部分にアデノシンが結合できなくなり、心拍数が下がりにくくなり眠気が生じにくくなるというわけです。


また、カフェインには疲労感を抑えて身体能力を向上させる効果もあります。このため、アスリートの中にはカフェインのサプリメントを服用している人もいるそうです。


専門家によると、午後のカフェイン摂取を控えることで、翌朝のカフェイン摂取の効果を最大化できるとのこと。


健康な成人の1日当たりのカフェイン摂取推奨量は400ミリグラムで、コーヒー4~5杯に相当します。この量を超えてコーヒーを飲むと「不眠症」「神経過敏」「不安」「胃の不快感」「吐き気」「頭痛」などの副作用を引き起こします。さらに、コーヒー約12杯分に相当する1200ミリグラムのカフェインを摂取すると発作などの危険な作用が現れることもあります。


一方でコーヒーを適度に飲めば「2型糖尿病」「心血管疾患」「一部のがん」「パーキンソン病」のリスクを下げられることも分かっています。

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in 動画,   , Posted by log1o_hf

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