格安の液晶テレビで有名な「バイ・デザイン(bydsign)」が破産開始手続を受ける
まだ大型液晶テレビが今ほど安価ではなかった2009年当時に、倍速表示にも対応した42インチフルHD液晶テレビを10万円を切る価格で提供するなど、コストパフォーマンスの高い製品を販売していたバイ・デザインが破産開始手続きを受けたことが明らかになりました。
詳細は以下から。
薄型テレビベンチャー バイ・デザイン株式会社 破産手続き開始決定受ける 負債14億5500万円 大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB]
この記事によると、薄型テレビの草創期に、テレビパネルや部品を外部から調達、中国を中心とした海外メーカーに製造委託するビジネスモデルで低価格化を図ることで、当時割高だった大手メーカー製品の半額程度の価格を実現し、話題を集めたバイ・デザインが1月26日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けたそうです。
同社は積極的な営業活動や大手量販店向けへの納入などによって、2005年12月期に年売上高約54億6500万円を計上しており、2006年12月期にはブランドの浸透やサッカーワールドカップ特需、取扱店の増加、海外市場開拓などから年売上高約75億円を計上していたとのこと。
しかし従業員がかつての職場であるアメリカのメーカーの機密情報を漏らしたとする訴訟に絡んで、アメリカ市場での販売中止を余儀なくされる事態になったほか、大手メーカー製品の低価格化が進んだことなどから、2007年12月期に約5億円の最終赤字を計上。
さらにゼンテック・テクノロジー・ジャパンと業務提携して製品輸入業務を委託しましたが、ゼンテック社の不適切経理問題が発覚するなどしており、競争が激しさを増す中で事業資金確保に苦戦したことなどの影響から販売は伸び悩んだ結果、2009年12月期の売上高は約18億7100万円にとどまったとされています。
昨年10月に格安の液晶テレビやデジタルチューナーなどを提供していた「ダイナコネクティブ」が自己破産しましたが、いずれも液晶テレビの普及に一役買った存在であるだけに、このような結果となってしまったことは寂しい限りです。
bydsign Corporation 液晶・プラズマテレビのバイ・デザイン 公式ウェブサイト
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