中学校でのスマホ禁止ルールは生徒の生活の質や健康状態を大幅に改善することはないとの研究結果

各国では学校でのスマートフォン使用を禁止する動きが強まっており、これにより生徒の集中力やメンタルヘルスが改善すると期待されています。ところが新たな研究では、中学校におけるスマートフォン禁止ルールは、生徒の生活の質や健康状態に大きな影響をもたらさないとの結果が示されました。
Health economics analysis of restrictive school smartphone policies in secondary schools in England (SMART Schools) | BMJ Mental Health
https://mentalhealth.bmj.com/content/29/1/e301892
School smartphone bans save time but don't improve student mental health, study finds
https://www.psypost.org/school-smartphone-bans-save-time-but-dont-improve-student-mental-health-study-finds/
学校では生徒によるスマートフォン使用を制限するため、さまざまなルールが設けられています。そもそも学校内へのスマートフォンの持ち込みを禁じている学校もあれば、学校にいる間は電源を切ってカバンやロッカーにしまうよう義務づけているケースや、休憩時間や昼休みなどには使用を許可する場合もあります。
しかし、スマートフォンの使用を制限する方針の根拠となる証拠は、依然としてまちまちだとのこと。これまでの研究では、スマートフォンの制限によって授業時間中のスマートフォン使用が減少する可能性が示されていますが、メンタルヘルス・身体活動・睡眠・学業成績といった広範なメリットを実証することは困難です。
そこで今回、バーミンガム大学の応用健康科学者であるサミュエル・ペリー博士らの研究チームは、イングランドの中学校におけるスマートフォン利用に関する方針の評価を行いました。

研究ではイングランドにある20校の中学校に通う、12~15歳の生徒815人が対象となりました。20校のうち13校はスマートフォンを制限する方針を取っており、学校内における娯楽目的でのスマートフォン利用は禁じられていました。残る7校はスマートフォンに寛容な方針で、休憩や昼休みといった特定の時間帯や、屋外などの場所に限って娯楽目的のスマートフォン利用が許されていました。
研究チームは学校側の視点から、スマートフォンの方針によって生じるコストを算出しました。まずは生徒の行動監視やルールを破った事例の記録、保護者への連絡、制裁措置の適用、ルールを破った生徒との面談といったルールの施行に必要な職員の時間を算出し、職員の給与見積もりを用いてこの時間をコストに換算したとのこと。
また、スマートフォンに関するルールの違いが生徒にもたらした影響は、健康状態に基づく生活の質と長さを組み合わせた質調整生存年(QALYs)と、メンタルヘルスに特化したメンタルウェルビーイング調整生存年(MWALYs)という2つの医療経済学的指標を用いて測定されました。
分析の結果、スマートフォンについて寛容な学校と制限する学校の間で、生徒の医療経済学的指標にほとんど差はみられませんでした。スマートフォンを制限する学校では、QALYsがわずかに増加してMWALYsがわずかに低下すると推定されましたが、この推定値はいずれも不確実でゼロに近い値だったとのこと。そのため、スマートフォンの制限が生徒の幸福度を向上する、あるいは損なうという証拠にはなりませんでした。
また、いずれのタイプの学校も職員はスマートフォンの管理に多くの時間を費やしており、これはスマートフォンを制限する学校では年間で常勤職員約3.1人分、寛容な学校では常勤職員約3.3人分に相当しました。スマートフォンを制限する方針は生徒1人あたり年間94ポンド(約2万400円)のコスト削減になると推定されましたが、この推定値にも不確実性があると指摘されています。

研究チームは、「スマートフォンの使用に関する制限的な方針を持つ学校と、寛容な方針を持つ学校に通う青少年のメンタルヘルスや幸福度には、大きな違いは見られないでしょう」「一方でスマートフォンの使用に関する制限的な方針は、学校職員が生徒のスマートフォン関連の行動を管理するのに費やす時間を減らすことで、学校にささやかな経済的メリットをもたらす可能性があります」と結論付けています。
心理学系メディアのPsyPostは、今回の研究結果はあくまで一時点の状況を調べた観察研究であり、学校がスマートフォンの方針を変える前後を追跡していない点に注意するべきだと指摘。また、コストの見積もりは各学校の上級職員の報告に依存している点や、データの評価期間が短い点にも注意が必要だと主張しました。
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in サイエンス, スマホ, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article A study suggests that banning smartphone….







