水面に映るオーロラのゆらめきまでもとらえた美麗なタイムラプス映像
夜明けや日没、雲が流れる様子や夜空の星が動く様子もタイムラプス(インターバル撮影)の題材として魅力的ですが、刻々と形を変えてゆらめくオーロラのタイムラプス映像も実によいものです。
暗闇の中で弱く光るオーロラを映像でとらえるのは、通常の家庭用ビデオカメラでは厳しいかと思われますが、スチルでのオーロラ撮影時は三脚をしっかり固定しての長時間露光が基本となるので、位置を変えず遅いシャッタースピードでそのまま連写、あるいはオーロラの動きがあまり激しくない場合はタイマーで間隔を設定して連続撮影することで、25fpsや30fpsでの再生時には良い具合に動きの出るタイムラプスとなります。
ノルウェー人のカメラマンTor Even Mathisen氏によるオーロラのタイムラプスは、流れる雲の間から垣間見えるオーロラや海面に反射する光までも繊細にとらえた、息をのむほど美しい映像となっています。
再生は以下から。タイムラプスはMathisen氏の地元ノルウェーのトロムソで撮影されたものです。
Aurora Borealis timelapse HD - Tromsø 2010 on Vimeo
入り組んだフィヨルドの地形を生かして撮影されたようです。手前の水面には氷が張っています。
オーロラは夏にも昼間にも発生しているのですが、太陽光と比べるとずっと弱い光であるため周囲が暗くないと観測は困難です。トロムソでは5月半ばから7月末まで白夜となるため、毎年9月から翌年4月にかけてが撮影に適しているとのこと。このタイムラプスに使われた写真は2010年1月から4月にかけて撮影されたそうです。
カメラはキヤノン EOS 5D Mark II、レンズはEF16-35mm F2.8L II USMを使用。FlickrのExif情報によると住宅を前景にしたこの場面では焦点距離23mm、絞りf/2.8、ISO1600で6秒間露光されたようです。
時折流れ星あるいは飛行機のようなものも写り、やはり水面に反射されています。
オーロラは雲より高い位置で起きる現象なので、空の全面が曇っていると地上からは見ることができないのですが、このように雲のすき間からのぞくオーロラもまた美しいものです。タイムラプスにすることで雲が流れオーロラが見え隠れするほか、時間とともに星が移動するのもわかり、地球の動きを感じられる神秘的な映像となっています。
オレンジの街明かりが雲に反射しているこのあたりはISO1250で8秒間露光された写真のようです。このほかにもFlickrで10枚分ほどこのタイムラプスに使われた写真がExif情報と併せて公開されているので、興味のある人はチェックしてみると参考になるかもしれません。
同じTor Even Mathisen氏により2009年に作成されたバージョンのタイムラプスもまた見応えのあるものとなっています。
Aurora Borealis - Tromsø 2009 on Vimeo
こちらのタイムラプスはキヤノン EOS 5Dで撮影されAdobe After EffectsとAdobe Premiere Proを使って編集されたものとのこと。
Mathisen氏はテレビ局勤務のカメラマン(映像)で写真(スチル)は趣味とのことですが、ただオーロラをとらえるというだけでなく構図や前景の選び方まで、さすがの完成度となっています。
月とオーロラ。
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