取材

NTTドコモがAndroidスマートフォン「LYNX 3D」や次世代通信サービス「Xi」の開始時期などを発表


10月26日にお伝えしたように、本日NTTドコモが2010年冬春モデルとなる新機種および新サービス発表会を実施しました。

裸眼3D対応Androidスマートフォン「LYNX 3D」をはじめとした複数のスマートフォンや下り最大37.5Mbpsの高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」の開始時期や料金などが発表されています。

詳細は以下から。
■Androidスマートフォンを含め、冬春モデルのラインナップは合計28機種です。
NTTドコモの2010年冬春モデル、スマートフォンの全ラインナップが明らかに


■第3.9世代携帯電話「LTE(Long Term Evolution)」を採用した下り最大37.5Mbps(一部では75Mbps)の次世代高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」の開始時期が今年12月24日であることが明かされました。
NTTドコモの高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」は12月24日開始、料金プランも決定


■10月5日に発表されたAndroidタブレット「GALAXY Tab」に引き続き、さらにもう1台タブレット端末を投入することを明かしました。
NTTドコモがタブレット端末を投入へ、「GALAXY Tab」に続く2機種目に


■携帯電話向けサイトをスマートフォンで見られる仕組みの構築を検討予定であることも明かされました。
「携帯電話向けサイト」をスマートフォンで見られる仕組みの構築をNTTドコモが検討


■12月24日に開始される高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」についても、従来と同等の帯域制限が導入されるとのことです。
NTTドコモが「Xi(クロッシィ)」でも帯域制限を導入へ、基準はFOMAと同等に


<質疑応答>

フリー神尾:
今回のラインナップ全体について伺いたいのですが、フューチャーフォンを19機種出されるということで、昨今の従来型の携帯の販売動向を見ると若干多い印象を受けましたが、冬春商戦で従来型がきちんと売れるという勝算はあるのでしょうか。また、スマートフォンと従来型の携帯の販売比率とラインナップ比率を教えてください。

山田隆持代表取締役社長(以下、山):
私どもとしては、iモード機を5000万人に使ってもらっているので、この部分をブラッシュアップしていくつもりです。昨今はスマートフォンに光が当たっていますが、従来型の携帯電話も多くの方々に使っていただいています。ブランドコラボにつきましても、今回は7ブランドとやらせていただきました。また、カメラやイルミネーションにもこだわりました。

スマートフォンに力を入れていますが、従来型、つまりiモード機にもきちんと取り組んで行きます。中高生が初めて持つ機種にブランドケータイを、と思っていますし、法人向けのものもございます。iモード機はまだまだお客様に持っていただけるのではと考えています。


スマートフォンと従来型携帯の比率は、来年はまだ逆転しないのではないかと思います。しかしスマートフォンの比率が高くなっていくのは確かです。3年から4年かけて、スマートフォンが逆転するのかなと思っているところです。逆転するころには、スマートフォンの方が明らかに機種は多くなっているかもしれません。来年はまだ比率は変わらず、2年目には近接し、3年目ごろに逆転という感じでしょうか。


日経PC金子:
スマートフォンのシェアについてお聞きしたいのですが、先週ありましたソフトバンクの発表では、孫さんはまだまだiPhoneに非常に強みがあることを示していましたが、docomoのスマートフォンがシェアを広げていくためにどのような方策を取っていかれるのでしょうか。

山:
現時点では、私どものスマートフォンのシェアと比べますと、iPhone4のが高いことは確かです。こちらとしてはXperiaやGalaxyで頑張って追いかけているところです。特に私どもはオープンOSのAndroidに注力しています。なぜなら私どもはキャリアなので、docomoならではのサービスをぜひ乗せていきたいんですね。それにはオープンなAndroidが最適です。シェアを伸ばしていくには素晴らしい端末が必要なのは当然ですが、docomoならではのサービスを乗せ、アプリを増やしていきたいとも考えております。

iモード機で提供しているコンテンツを、スマートフォンにも簡単に移せるような仕組みを考えていきたいですね。スマートフォンを使って、iモード機で人気のあったコンテンツをたくさん見てもらうことを考えています。

金子:
では、従来型の携帯サイトがスマートフォンで見られない不満は改善されていくのでしょうか?

山:
iモード機で見ていただいた公式サイトなどが見られるように、乗り換えが簡単になるようにしていくつもりです。


日経新聞渡辺:
LTEについてお聞きします。利用の目標やどのように普及していくのかについて教えてください。ソフトバンクも、ウルトラハイスピードという御社のものより速度が出るものを提供していきますが、さらに(docomoのサービスの)通信速度は上げていくのでしょうか。

山:
まず、xiについてはキャンペーン価格を作りました。その1つの目的は入りやすい料金にして、多くのお客様に使っていただきたいからです。高速大容量でいくと、利用効率が現状の3倍よくなるわけです。周波数は限られた資源ですから、それをいかに重要に使わせていただくかだと思っております。LTEを主力としてこれから増設していきたいと考えています。当然、トラフィックの高いところからLTEを入れていく。原則としてW-CDMAの増設をせずにLTEで対処できないかと考えている。ローカルでトラフィック不足になったら仕方ありませんが、(トラフィックが)高いところはLTEで何としてもカバーしていきます。

当初LTEで電波の申請をさえていただきましたが、3年間で3000局設置と目標を前倒して進めております。2014年度目標で約3万5000局、カバレッジは70%を目指していきたいですね。

それともう1つ、ウルトラハイスピードについて。ウルトラハイスピードは10メガヘルツ帯をつかって42Mbpsのスピードを実現するそうですが、私どもが10メガヘルツ帯を使えれば72Mbpsで提供が可能です。周波数利用効率を考えて、LTEを増設していきたいです。docomoのネットワークというのは品質がいいということで、パソコンの通信端末ではお客様満足度2年連続1位をいただいているので、今後も継続していきたいと思います。


ケータイウォッチ津田:
xiは帯域制限の予定があるのでしょうか。あるとすればどのような基準で(制限が)かかるのでしょうか。また、先ほどFOMAユーザーの99.6%が5GB以内の通信利用で収まっているとおっしゃいましたが、今後変化していくことはあるとお考えでしょうか。

山:
帯域制限というのはアプリ制限のことかと思いますが、LTEにはアプリの制限は行いません。お客様に自由にお使いいただきたいからです。先ほどはFOMAユーザーの99.6%が5GB以内の通信で済んでいると申し上げましたが、これからはお客様がたくさんのデータを扱う時代になりますから、じわじわと(5GB以内の通信に収まるユーザーの)割合は減っていくと思います。

ケータイウォッチ津田:
多くのデータ通信を使ったユーザーに制限をかけますか?

山:
現在FOMA回線で行われている内容と同じです。直近の3日間で300万パケット(約366MB)を超えて通信状況が混雑していると、通信速度制御の対象になります。


NHK林:
iPhoneを独占的に扱っているソフトバンクが先日6機種のスマートフォンを発表しましたが、docomoの社長としてこの動きについて率直にどうお感じになりましたか?

また、スマートフォンの分野に関して、何がdocomoの武器なのかお教えください。

山:
技術的な観点からお話させていただくのが1番いいのではと思います。iPhoneは垂直統合モデルなので、通信事業者にとってはネットワークが土管化されているのが確かなところです。AndroidOSはオープンなので手を加えて、docomoならではのものを盛り込むことが可能です。なので、Androidがキャリアにとっても重要なツールなのではないかと思います。

世界的な流れでは、iPhoneのシェアをAndroidのシェアが上回ったということがあります。いずれはAndroidの数が多くなればアプリの数も多くなるのでは。やはりiPhone一筋ではなかなか苦しいと思いますので、そこでAndroid端末を出したのではと感じています。しかし他社のことなので、あまり立ち入ったことは申し上げられません。

私どもの強みは端末とサービス、そしてネットワークです。サービスの中にはコンテンツも入れていただきたいところですが、iモードで出してきたコンテンツをスマートフォンにも移行できるようにしていきます。ネットワークが良くなければ、これからお客様が快適に使うところに支障が出てきます。3つかけあわせたものがどのようになってくるかというところですね。

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in 取材,   モバイル, Posted by darkhorse_log

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