取材

ソフトバンク孫社長が2011年冬春モデル発表会で行った質疑応答、iPhoneにはノーコメント


本日昼に行われたソフトバンクモバイルの2011年冬春モデル発表会で、同社社長、孫正義氏が行った質疑応答の内容をお届けします。

下り最大110Mbpsを実現する高速通信サービス「Softbank 4G」の開始を表明したこともあってか、いつもよりも多く時間を取っており、「KDDIからも発売される」という報道が行われたiPhoneについての質問なども寄せられました。

質疑応答に望む孫社長


フリー神尾:
今回のラインナップ全般についてお聞きします。以前の発表会でスマートフォンの主力はiPhoneだとおっしゃっていたのですが、今回はAndroidスマートフォンが充実してきました。iPhoneとの販売面の共存についてお聞かせください。

孫:
iPhoneは依然として業界の中でも最も優れたスマートフォンの1つであることは間違いなく、革新性は続いていくと考えます。一方、Androidの世界も、世界中のメーカーがしのぎを削って競争しております。多様化したニーズを満たしていくように、若い女性向けだとか、日本固有のワンセグやおサイフケータイ、赤外線のような多くのユーザーのニーズにマッチできるような機能がこなれてきて、それらの機能が完全に溶け込んだスマートフォンも、今後幅広く扱っていきたいと考えています。

フリー神尾:
では、iPhoneが絶対的主力であるというところは変わっていくという認識でしょうか?

孫:
iPhoneは依然として最重要機種のひとつですが、併せてさまざまなニーズを満たす品揃えを充実させていきます。ネットワークは「Softbank 4G」という形で業界最高速・大容量のものを用意して、スマートフォンのニーズを取り込んでいけるように徹底してがんばっていきます。

フリー石野:
新機種の「104SH」の紹介に「次期プラットフォーム」とありましたが、詳しくお教えください。

孫:
GoogleのAndroidは続々とOSのバージョンアップが行われていきます。「104SH」は、その最新のAndroidのバージョンアップの機能が取り込まれたOSを入れたものになります。Googleさんの方から次世代Androidのバージョンが発表されておりませんので、この場での公表は差し控えさせていただきますが、春の時点で最新のものを導入するということです。


フリー石川:
「104SH」の説明の際に、下り最大21Mbpsの「ULTRA SPEED」を使用可能で、空いている周波数を利用できるため快適とコメントされていましたが、テザリングへの対応は?

孫:
現在検討中です。

ライター山田:
「Softbank 4G」の料金は定額なのでしょうか、それとも段階制なのでしょうか。

孫:
価格については今日はまだ正式なコメントはできませんが、競合他社さんと十分競合できるものにしていきたいと考えています。


日経新聞:
iPhoneについておうかがいしたいのですが、KDDIさんが年明けにもiPhoneを発売するのではないかと言われていますが、御社の販売業績などに与える影響は?

孫:
他社さんのことについてはノーコメントとさせていただきます。

週刊ダイヤモンドこじま
「Softbank 4G」は2.5GHz帯の次世代ネットワークということですが、それでは現在許認可を申請している900MHz帯は必要なくなるのでしょうか?

孫:
2.5GHz帯と900MHz帯はまったく用途がちがいます。建物の中や山の中など電波が届きにくいところに少しでも電波を浸透させるのに900MHz帯は大変有効なので、積極的に活用したいと切望しているところです。許認可の申請中ではありますが、非常に重要だという考えは変わりません。本日発表いたしました「Softbank 4G」は大容量・高速通信を行うという目的なので、2つの目的は異なります。


フリー井上:
Android端末がこの冬春モデルで充実してきましたが、ソフトバンクモバイルというとiPhoneやiPadに注力している面があるかと思います。社内的な面も含め、この充実したAndroid端末をどうやって販売していくのでしょうか?

孫:
開発の者たちは、これまでもAndroidの技術について、他社に負けないだけの開発を進めています。しかしながら、確かに販売や社内の体勢に関して、積極的に販売しているということはありませんでした。営業施策についてということもありますが、Androidの技術の面が、正直当時は十分にこなれていないと感じていたところも多々ありました。しかし、ここにきてやっとAndroidもバージョンアップを重ねてきて、日本市場に併せたワンセグやおサイフケータイや緊急地震速報など、日本のユーザーに合う機能がそろってきたので、真剣に取り組んでいきます。

フリーほんだ:
Wi-Fiの基地局を急増させたということですが、その一方、自動接続させる場合に、エリアにつながっているようで通信できない状態になってしまって困っている方もいるのですが、こういったケースに対策を行った上で基地局を増やしていったのでしょうか?

孫:
基本的には、(基地局の)数が少ないと、なおさらエリア外の途切れが多くなるので、数が増えると電波が強くなります。喫茶店などの中で、強いWi-Fiの電波を直接受けることができますので、必ずしもフリンジの具合が悪くなるわけではありません。

技術的なことで言いますと、セキュリティの面で、たとえばニンテンドーDSなどの比較的セキュリティが弱いものと、PCやスマートフォンのようなセキュリティに強いものが同時につながっていると、PCやiPhoneまでセキュリティの弱い方に引きずられるという問題がありました。しかし今回は技術的に対応して、この部分は随分と改善できています。われわれがWi-Fiの先駆者としての経験値を生かし、他社に先立って改善していきます。

読売新聞:
「みまもりホームセキュリティ 101HW」について、どういった層をターゲットにしているのでしょうかか?また、この商品は東日本大震災の発生で、社会情勢が変化したことを踏まえて開発したのでしょうか?

孫:
開発は震災前から行っていました。独身住まいの若い女性は、自宅に夜帰ってくる時、自宅に誰か侵入者がいないか心配になったりすると思いますし、小さいお子さんがいるご家庭やお年寄りがいるご家庭は、セキュリティについて真剣に悩んでいると思います。「みまもりホームセキュリティ 101HW」は気軽に導入できて安く、ソフトバンクならではの通信を搭載した全自動のものです。工事も不要なので、新たな提案となると思います。

ソフトバンクは3Gの通信機能を搭載したフォトフレームを他社に先駆けて、世界で最も多くの数販売してきました。新しい需要を喚起するような提案をこれまでもしてきたつもりですが、これからも勉強していきたいと思います。

毎日新聞:
今日発表されたもの以外に、もう1機種の新機種として期待されるiPhoneが来週にも発表されるとされていますが、それに対する期待感を。また、auさんということではなく、マルチキャリアでAppleがiPhoneを展開されていくということで、iPhone 4までの国内で1社だけが展開していた状況が変わる可能性があるわけですが、それを克服していく施策などをお教えください。

孫:
ノーコメント。次。

日経PC金子:
今回の15機種の中にはSIMロックフリーのものはありますか?

孫:
(今回発表した新機種の)SIMフリーについては確認します。すでにSIMフリーの機種は出していますが、ほとんど売れなかったんですね。SIMフリーとしての機能を要求してきたお客様はほとんどいらっしゃらなかった。総務省さんからのご指導もあり出してはみましたが、現実問題として需要がなかったので、様子をもう少し見ていきたいところです。

フリーさの:
「Softbank 4G」のサービス自体は2011年11月に開始されますが、それに対応した「ULTRA Wi-Fi 4G」の発売が2012年2月となっていて3ヶ月の間が空きますが、この間のサービスはどのように行っていくのでしょうか?

孫:
11月1日から始めるのはテスト的なサービスインが限定的に行われます。「ULTRA Wi-Fi 4G」が来年に出てからが本格的な消費者への展開となります。MVNOはこれからいろいろと検討していきます。

フリー林:
ソフトバンクさんの携帯は、定額ローミングで海外に持っていっても使えるのがウリだったと思いますが、「AXGP」でもそういった運用はできるのでしょうか。また、「AXGP」を中国やインド以外のキャリアにも進めていくのでしょうか。

孫:
新しい世界の4Gの技術スタンダードとして、「AXGP」についてさまざまなキャリアさんと検討を進めています。チャイナモバイルなどの企業が、われわれと併せて展開していくことによって、他のキャリアにも刺激を与えるのでは。中国とインドの人口だけで世界の半分になると言われていますので、そういう意味では彼らが意志決定をしているのが大きな方向性になるかと考えています。

日経新聞きど:
今回の端末の売り方について。足元はモジュール系端末や「みまもりホームセキュリティ 101HW」などARPU(通信事業における顧客一人あたりの月間売上高)が低いものが占めていますが、ARPUが上がるような端末が増えてくるのでしょうか。また、値付けについて、御社は他社より高めの端末があるのですが、それを月々割で大きく下げるような方針でいくのでしょうか

孫:
基本的に、従来の日本のスマートフォン以前の機種、フィーチャーフォンはARPUが低いんです。そのため携帯端末としてのARPUは増え、いわゆる通信売り上げの絶対値は着実に上がっていくだろうと思います。それに加えて、まったくあらたな需要を喚起するために、みまもり携帯や「みまもりホームセキュリティ 101HW」などを出していきますが。これはプラスアルファ。両方を足してARPUは高く推移していると考え、自信を持っています。

1人が携帯端末を2台、3台持つ時代がやってきます。ですから、ARPUの絶対値も大事ですが、それは底高く推移しながらも、トータルの端末数はまだ伸ばせると考えています。

日経BP大谷:
「Softbank 4G」についてなのですが、「AXGP」は諸外国で導入が進んでいる「TD-LTE」と互換性があるとのことですが、それは100%互換可能なのでしょうか。

孫:
実質的には同じ技術だと思っていただければと思います。技術的、専門的なところで言うと、「AXGP」は「XGP」を進化させていて、その時に100%互換が取れるようにしています。スタート当初から100%互換です。

日経さかきばら:
今回いわゆる従来型の携帯がPANTONEケータイ1機種のみですが、従来型携帯の取り組みはどのようにお考えですか。機種が減っていくのは間違いないと思いますが、その展開の考え方をお聞きしたいです。

孫:
ソフトバンクがいろんなメーカーさんにもっとも早くスマートフォンのシフトを宣言して準備を開始してきました。それが3年近く前です。大きな時代の流れとして、意図的にスマートフォンへのシフトを戦略的にいち早く進めています。だからこそ、これだけ幅広い機種がそろっています。単にスマートフォンであればいいというわけではなく、最先端の技術とニーズをきめ細かく取り込んだものを出しています。

従来型の二つ折り携帯に対しては、二つ折りだけどスマートフォンというものも出していますし、スライド式も今回発表しました。従来の携帯のにおいを残したものは、スマートフォンの一部として取り組んで参ります。従来のシンプルな二つ折りケータイというのは1、2機種はある程度継続していきますが、基本は完全にスマートフォンへシフトしていきます。ただ、店頭では従来型の機種はすでにありますので、在庫として品揃えがあり、需要があるうちは販売を継続していきます。


?:
SIMロックフリーへの取り組みについてですが、先ほどSIMフリーに需要がないとおっしゃいましたが、それは機種自体の人気によるところも大きいと思われます。より多くの機種でSIMロックフリーのものを出すことは検討されていないのでしょうか?

孫:
ドコモさんもすでに何機種も出され、SIMロックを外していますが、需要は少ないと感じています。需要があればいくらでも(SIMロックフリーの機種を)作ります。

共同通信みやけ:
700MHz帯~900MHzについて、総務省に許認可の要望書も提出されていると思いますが、競争関係の公平性というところ以外の部分で、御社がその周波数を割り当てられる合理性とはどこにあるのでしょうか?

孫:
ご指摘の通り、三大通信事業者の中で、われわれだけがまだ800MHz前後のところを割り当てられていません。800MHzの周波数の電波が空いていないのでいたしかたない部分もありますが、新たに周波数が割り当てられるということであれば、すでに他社さんに肉薄するだけのユーザー数があり、ネットワークの有効活用もされているわれわれに割り当てられるのは当然のことかと考えます。

共同通信みやけ:
とすれば、イー・モバイルからも同様の主張もあるかと思いますが、その点の方針については?

孫:
イー・モバイルさんは、音声通話を使うユーザーはほとんどいないと思います。98%以上がデータのみで使っておられて、データのみで使うということであれば、すでに許認可を得ている周波数においても、割り当てが追加で必要となるようなユーザー数に至っておりません。

震災で体験したように、われわれが800MHz帯を持っていないことで、ライフラインとしての音声通話が確保できなくなるというのは、3大事業者として非常に問題ではないかと感じています。逆にわれわれが900MHz帯を得れば、イー・モバイルさんに分け与えるのも考慮に値することかと思います。


しかしそれには大変大きな、数千億円単位の設備投資が必要です。われわれはすでに電波品質向上のため、1兆円の設備投資を行うと明言しています。そのため、電波を有効活用するという意味では、3000万人を越えるユーザーを持っているわれわれに割り当てられることで、現在の周波数が大変混雑していて、許認可がないために建物の中や山で信号が伝わりにくい状況を改善できると考えます。

先ほども申し上げましたが、われわれと比較して、基地局の数はKDDIさんが3分の1くらい、ドコモさんもそれより少ないかと思います。われわれも、限られた周波数しかない中では大変涙ぐましい努力をしているところです。それでも、「許認可を受けていないから電波が届かなくていい」とはならないので、さらに基地局を増やしていきますが、許認可は絶対必要であるということを併せてコメントさせていただきます。

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in 取材,   モバイル, Posted by darkhorse_log

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