2D映像から自然で美しい3D映像を生成する「2D3D変換技術」を東芝が開発、3D対応の「CELL REGZA」も
今年になって3Dテレビが発売されたものの、まだまだ2Dの映像コンテンツの方が圧倒的に多いのが実情である上に、2D映像を3D映像へ変換する技術を利用しても、3D映像として制作されたコンテンツに対して立体感が見劣りしていましたが、高度な演算処理を利用することで2D映像から自然で美しい3D映像を生成する「2D3D変換技術」を開発したことを東芝が発表しました。
また、昨年登場した「100万円REGZA」として話題になった「CELLレグザ」の最新モデルも3機種登場しています。
詳細は以下から。
東芝:ニュースリリース (2010-07-28):2D映像から自然で美しい3D映像を生成する「2D3D変換技術」の開発について
このリリースによると、東芝は2D映像にある複数の要素から高精度に奥行きを推定することで、より立体感を得やすい自然で美しい3D映像を生成する技術を開発したそうです
今回開発した技術は同社の「動き検出技術」や「顔検出技術」といった独自技術を応用したもので、テレビ放送の大半が「動きを伴う部分」「人物が登場する部分」「典型的な構図の風景」の3つに分類されることに着目し、それぞれに最適な奥行き推定要素を適用して組み合わせることで、より立体感のある3D映像を生成するというもの。
動き検出に基づく奥行き生成。「手前にある物体ほど見かけの動きが早く、画面上で物体が動いた距離が大きい物体ほど手前に存在する」という基本原理をもとに、物体の前後関係を推定しています。
続いては顔検出に基づく人物の奥行き生成。2D映像における人物から顔の位置を検出し、顔と肩など体の相対的な位置を統計的にデータ化してテンプレートに割り当てることで、人物の奥行きを生成します。
最後に構図推定に基づく奥行き生成。自然の風景における空、海、陸地など表示映像の色分布の対比を利用して構図を推定し、奥行きを生成しています。
流れにするとこんな感じ。3つの技術から奥行きを推定することで、2D映像から自然な3D映像が産み出されます。
なお、今回開発された「2D3D変換技術」はソニーのPS3などにも採用されているCellプロセッサを利用することで実現する技術となっており、10月上旬から順次発売される3D対応の液晶テレビ「CELLレグザ55X2 / 55XE2 / 46XE2」に搭載されるとしています。
これが「CELLレグザ55X2」です。ダイナミックコントラスト900万:1の高輝度液晶「4倍速メガLEDパネル」を搭載し、3D放送の映像を高精細な3D映像として映し出す「CELLレグザ3D超解像技術」なども採用。
ダイナミックコントラスト400万:1の「広色域VA方式 フルHDクリアLEDパネル」を採用し、薄型化された「55XE2」および「46XE2」も同時に発売予定。「55X2」同様、本体に内蔵された3TBのHDDに地上デジタル放送最大8チャンネルの同時録画を可能とする「タイムシフトマシン2」やUSB外付けHDDへの通常録画をサポートするなど、録画機能が充実しています。ちなみにこちらは「55XE2」です。
「46XE2」
「CELLレグザ」の詳細は以下から。
東芝:ニュースリリース (2010-07-28):3D放送を高精細に映す3D超解像技術を採用した 液晶テレビ「CELLレグザ」の発売について
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