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サイエンス

iPadは不眠の原因?寝る前のパソコン使用に医師が警告


(by jeffspot)

紙の本から電子書籍への移行が進む中、日本でも発売が間近にせまったiPad電子ブックリーダー的に使おうと考えている人や、すでにソニーの「VAIO type P」やシャープの「Netwalker」などの軽量で小型な端末で電子書籍を楽しんでいるという人も多いのではないでしょうか?

電子書籍を読むためのパソコンないし専用端末を選ぶ際の大きなポイントの一つに、ベッドに持ち込めるサイズや寝たまま持ちやすい形状という要素があります。iPadNetWalkerの最新モデル「PC-T1」のようなタブレット型の機器は2つ折りの機器と比べその点で有利で、購入を考えている人の中には寝る前の読書用という使い方を想定している人も多いと思われます。

しかし、健康を考えると寝る前の読書には昔ながらの紙の本が一番なのかもしれません。iPadなどの機器が発する光が人間の体内時計を狂わせ不眠の原因になるとして専門家は警鐘を鳴らしています。

詳細は以下から。Using laptops or iPads just before bed 'increases risk of insomnia' - Telegraph

アメリカの科学者たちは、明るい光を発する機器は人間の脳と睡眠パターンを混乱させると警告しています。ノートパソコンやiPadのような機器は、「まだ昼である」と脳に勘違いさせ、眠りの訪れを遠ざけ、不眠症のリスクを高めるとのことです。

眠りの専門家たちによると、人間の体内時計は通常は21時から22時の間に、一日の終わりへむけ「おやすみ体勢」に入り始めるのですが、パソコンの使用はその体内時計を混乱させます。生物学的には人間の脳は太陽が出ている間に覚醒するようにできています。これは、朝のまぶしい光が、夜の間に分泌されていたメラトニンという眠りにかかわるホルモンの分泌を止める信号になるためです。

iPadを含む電子機器が発する可視光線の中でも専門家が特に懸念しているのは波長が短い青色光です。青い光は太陽光にも含まれ、日中の空を青く見せているのですが、夕方以降は地表に届きにくくなります。このため人間の目は光の中でも青い光に特に敏感とのこと。

科学者たちは、脳を休め寝つきをよくするには、こうした電子機器をいじるより昔ながらの紙の本を読む方がずっと良いとしています。パソコンや携帯端末のモニターを見る場合と違い、紙の本を読むときは読書灯の光は本のページに当て、直接光源を見つめることはないからです。

「可能性としては、もしiPadやノートパソコンを就寝直前まで使っていたら、その光が脳を刺激し覚醒させ、眠気を遠ざけるということは大いにあります」とノースウェスタン大学の神経科学の教授で同大学の睡眠・概日生物学センター長のPhyllis Zee教授は語っています。「さらに重要なのは、これらの機器の光がサーカディアン・リズムに影響を与えうることです。サーカディアン・リズムとは、いつ寝ていつ起きるかを決定する人間の脳の中の時計のことです」

もちろんこれは読書用としての使い方に限らず、就寝直前までゲームをするような使い方でも同じことが言えます。


ベッドの中でDVDやインターネットの動画を鑑賞する、といったノートパソコンの使い方も寝る前には避けた方がよさそうです。


カリフォルニア大学ロサンゼルス校の睡眠障害センター副所長のAlon Avidan博士は「昔ながらの本、眠気をもよおすようなつまらない本を、ランプの明かりで読めばよいのです。ランプは本が読めるだけの明るさで、明るすぎないように注意してください。そうすれば(電子機器を使うのと比べ)ずっと心地よくリラックスすることができるでしょう」と語っています。

寝る前の読書も電子書籍に乗り換えたいという人には、アマゾン・キンドルのような電子ペーパーを使用するタイプの端末がおすすめかもしれません。

なお、テレビも青い光を発し、視聴時には光源を見ることになりますが、iPadやノートパソコンのように至近距離で見ることはないため睡眠パターンに影響する可能性は低いとのことです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log