地球に優しいウシはゲップをしない、温暖化対策のためウシを品種改良中
温室効果ガスとして二酸化炭素の20倍強力なメタンはウシのゲップに大量に含まれていて、世界のメタン排出量の実に4分の3近くがウシのゲップによるものだそうです。そこで温暖化対策の一環としてウシのゲップの量を抑える研究がカナダで進められています。
詳細は以下から。Cows that burp less methane to be bred - Telegraph
カナダのアルバータ州エドモントンにあるアルバータ大学の農業・食品・栄養科学分野の教授Stephen Moore氏は、環境に優しいウシを交配するためウシの4つの胃でのメタン発生にかかわる遺伝子を研究しています。
Journal of Animal Science誌に発表された論文によると、Moore教授はメタン排出量が通常より25%少ないウシを誕生させるための初期試験に成功したとのことです。
しかし長期的な効果を測定するには更なる研究が必要とのこと。
「今はメタン排出量の少ないウシの診断マーカーを開発中です。血液や毛のサンプルで遺伝子を診断できるような次世代の技術に期待しています」とMoore教授。
排出メタン量を減らすにはウシを早く育て、市場に出るまでの期間(牧場でゲップをしている期間)を短くすることも有効です。またMoore教授によると食べた飼料が効率よく筋肉として身に付き、メタン排出量が少ないウシを交配することも可能とのことです。
メタン排出を抑制するために、家畜に草や低品質の飼料より発酵しにくい高エネルギー・高油脂の飼料を与える試みもすでに行われています。
アメリカ・ニューハンプシャー州にあるダノングループ傘下のオーガニックヨーグルトメーカーStonyfield Farmの広報Nancy Hirshbergさんは「アメリカのすべての酪農家が12%メタン排出量を減らせば、50万台の自動車がなくなるのと同じ効果が得られます」としています。
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