サイエンス

常識を覆す「超流動」ヘリウム実験の貴重なムービー


超流動」とは、液体の粘性抵抗が消失した状態のことで、容器の壁をのぼって外にこぼれ出したり、原子一個がやっと通れる程度のすき間に浸透したり、さまざまな常識を覆す現象が見られます。

で、この面白い現象を液体ヘリウムで行っているムービーがネット上から見ることができます。再生は以下から。
5min - Superfluid: Liquid Helium Phenomenon - Video

上記ムービー、ただ見るだけでは一体何がすごいのかさっぱりわかりませんが、以下の説明を読むとそのものすごさが理解できます。


まずは超流動転移。東京大学低温センターの説明によると、液体ヘリウムの沸点は4.2K(-269℃)と非常に低いため、沸騰しているように最初は見えるのですが、超流動ヘリウムになると摩擦が無くなるため、外部から入った熱が温度を上昇させても、瞬間的に周囲から冷やされ、最終的にその熱は超流動ヘリウムの液面から蒸発していく気体ヘリウムによって運びだされ、液面は非常に静かになります。大阪市大超低温研究室超流動ヘリウム4に関するページの説明の方がこれはかなりわかりやすいかも。

これが沸騰状態


超流動ヘリウムになると途端に静かに


で、次が驚愕の映像、壁をよじ登る超流動ヘリウム。一体どういう理屈でこんな事になるのかという説明も東京大学低温センターのページに書いてあり、それによると、通常は水分子間の引力、つまり粘性があるために水分子は下に引っ張られるが、超流動ヘリウムは摩擦がないため、なんと容器であるガラス原子の引力に引っ張られてしまい、そのまま毎秒数十メートル以上の速度で非常に薄い層となってガラス容器壁面をよじ登り、底の部分からしたたり落ちるそうで。

この矢印の部分からよじ登って、底からたれている、信じがたい光景。


で、最後が噴水効果。ガラス管の中の超流動ヘリウムを熱すると、常流動ヘリウムに転移し、超流動ヘリウムの濃度が下がり、超流動ヘリウムが下からガラス管の中に流れ込んでくるために液面が上昇。結果、超流動ヘリウムが噴水のように吹き出るそうで。

噴水効果の真っ最中らしい


なお、ほかにも上記の東京大学低温センターには高画質なムービーが、さらに富山大学極低温量子科学研究センターの超流動ヘリウム実験ページには「カピッツァの蜘蛛」のムービーがあります。日常生活ではまず目にすることのない実験の様子が垣間見られて非常に価値があります。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse

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