エジプトの砂漠で白亜紀の海に生息していた「サメの歯の化石」が多数発見される

サメは恐竜や樹木よりも古い約4億年前に誕生した非常に古い種であり、当時から現在に至るまで世界中の海を泳ぎ続けています。そんなサメの歯の化石がエジプトの砂漠で多数発見され、現在の砂漠がかつては栄養豊富な海であった可能性が指摘されています。
Egyptian shark graveyard: New Late Cretaceous Lamniform shark Assemblage from Duwi Formation of Abu-Tartur Area, Southwestern desert, Egypt - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195667126001655
An Ancient Shark Graveyard Has Been Found in The Egyptian Desert : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/an-ancient-shark-graveyard-has-been-found-in-the-egyptian-desert
約1億4500万~6600万年前にあたる白亜紀の地球は、地殻変動による温室効果で温暖かつ湿潤な気候が保たれており、極地の氷はほとんど存在していませんでした。海面も現在の地球よりはるかに高く、200m以上高い時期もあったため現在人が住んでいる陸地の多くは海の中に沈んでいました。
エジプト南西部のワーディー・ゲディード県にあるアブ・タルトゥール鉱山(アブ・タルトゥール高原)も、かつて海の底だったことが知られています。アブ・タルトゥール鉱山は農業肥料や工業用途に使われるリン酸塩が産出するリン鉱山です。
以下の地図で赤く囲われているのが、アブ・タルトゥール高原のある場所です。海から遠い内陸部に位置していることがわかります。

リンは比重が重いため地球の低いところにたまりやすく、川や海へ流れ込むと海底に蓄積しやすいという性質があります。そのためリン鉱山がある場所はかつて海であり、さらにリンの循環や濃縮が活発な、海洋生産性が高い豊かな海域であった可能性が高いそうです。
カイロ大学の古生物学者であるタレク・ヤシン氏らの研究チームは以前の研究で、アブ・タルトゥール高原にある地層から2種類の「サメの歯の化石」を発見していました。サメのような大型捕食者が複数存在するということは、生態系ピラミッドの下部を支えるプランクトンや、それらを捕食する小型の魚類や無脊椎動物、さらに上位の海洋は虫類などで構成された生産性の高い食物網があったことを示唆しています。
そこでヤシン氏らの研究チームが再びアブ・タルトゥール高原で発掘調査を行ったところ、新たに14本もの「サメの歯の化石」が発見されました。これらのサメの歯には針のように細長く伸びたものもあれば、幅が広いノコギリ状になったものもありました。
以下の画像は、新たに発見された歯の表側と裏側をそれぞれ撮影した写真です。世界各地で発見された化石記録に基づき、今回発見された歯は「Cretalamna cf. maroccana(クレタラムナ属)」「Scapanorhynchus cf. raphiodon(スカパノリンクス属)」「Serratolamna cf. serrata(セラトラムナ属)」「Squalicorax bassanii(スクアリコラックス属)」「Squalicorax pristodontus(スクアリコラックス属)」という5種類のサメのものであることが示されました。

今回特定されたサメはいずれも絶滅種であり、すべてアブ・タルトゥール高原で発見されたのは初めてでした。また、「Serratolamna cf. serrata」と「Squalicorax bassanii」はエジプトで発見されたのも今回が初だったとのことです。
サメの歯の形状がさまざまであったことから、これらの種類は直接競合していたのではなく、豊かな海洋環境の中で異なる生態系ニッチを占めていた可能性があるとのこと。研究チームは、スクアリコラックス属は沿岸域や大陸棚の沿岸寄りから、スカパノリンクス属は大陸棚の外洋寄りやその斜面のより深い海域からやってきた可能性があると指摘しています。
なお、サメが生息していた時代にはアブ・タルトゥール高原の堆積物はほとんど蓄積されなかったため、幅広い時間スケールがひとつの地層に収まっています。そのため、今回発見されたサメたちは必ずしも同時期に生息し、同じ頃に死んだとは断定できません。
科学系メディアのScienceAlertは「今日では、かつてサメの楽園だった頃の面影はほとんど残っていません。テチス海は消滅して海底は砂漠と化し、かつてその海域を泳ぎ回っていた捕食者たちは数百万年も前に姿を消しました。しかし、岩に埋め込まれたほんの数本の歯が、まるで過去の映写機のように失われた世界全体を鮮やかによみがえらせることができるのです」と述べました。
・関連記事
9300万年前の「翼が生えたサメ」の化石が発見される - GIGAZINE
「ゴジラシャーク」と呼ばれたサメの化石が新種の生物のものだと判明 - GIGAZINE
1900万年前にサメの大量絶滅「シャークポカリプス」が起こっていた可能性がある - GIGAZINE
サメ映画で人気の古代の海の王者メガロドンの体形はレモンザメに近かったことが明らかに - GIGAZINE
史上最大のサメ「メガロドン」は温血動物だったことが判明 - GIGAZINE
絶滅種「メガロドン」は太古の海の頂点に君臨する最強の生物だったことが分析により明らかに - GIGAZINE
サメが恐竜や樹木よりも古い時代から生き延びられているのはなぜ? - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in サイエンス, 生き物, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article Numerous fossilized shark teeth from the….







