24世紀まで持続可能な「水系電池」が誕生

中国の研究者らが、既存のものより10倍長持ちするという「水系電池」を開発しました。
An aqueous battery using an electrolyte with a pH of 7 and suitable for direct environmental discard | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-026-69384-2

New water battery could last until the 24th century — and it can be safely discarded in the environment | Live Science
https://www.livescience.com/technology/engineering/new-water-battery-could-last-until-the-24th-century-and-it-can-be-safely-discarded-in-the-environment
水系電池は電解液に水溶液を利用する電池で、リチウムイオン電池より発火のリスクが低いとされています。
香港城市大学のホイ・チェン氏らによると、既存の水系電池の電解質は主に酸性またはアルカリ性であり、発電の際に酸素発生反応や水素発生反応などを起こして水の消費が加速するため、サイクル寿命が制限されるという課題が存在するとのこと。加えて、電池を廃棄する際に強酸性および強アルカリ性の溶液が環境に害を及ぼすという懸念があるそうです。
そこで、チェン氏らは劣化が遅く環境への害も少ない材料の開発に取りかかりました。
チェン氏らは負極の材料として共有結合性有機ポリマーを合成。ほぼ中性で過剰な反応が起こらないマグネシウム塩とカルシウム塩の電解質を組み合わせ、水系電池を製作しました。
チェン氏らが用いたような有機ポリマーは、一般的に強アルカリ性または強酸性の電解質中で急速に分解してしまうため、これまでの水系電池では寿命が短くなり利用されていませんでした。チェン氏らは中性の電解質を用いることでこの課題を克服しています。チェン氏らが採用した電解質は環境へ非常に優しく、豆腐製造における「にがり」としても使用できるほどだそうです。

今回開発された有機ポリマーは12万回の充放電サイクルに耐えられる可能性があり、一般的なリチウムイオン電池の寿命の10倍以上に相当します。テクノロジー系メディアのLive Scienceは電力網に使用する蓄電池は2024年に平均して1日1.1サイクル稼働していました。このペースであれば、新しい水系電池は交換が必要になるまで約300年間使用できる可能性があります」と伝えました。
しかし、最大電圧が制限されるため、従来型のリチウムイオン電池やナトリウムイオン電池ほど多くのエネルギーを蓄えることができないという欠点があります。
チェン氏らは「今回の研究成果は、中性電解質と適合する負極材料の開発において大きな進歩を示しており、より安全で高性能、長寿命、かつ環境に配慮したエネルギー貯蔵ソリューションを提供するものです」と伝えました。
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in サイエンス, Posted by log1p_kr
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