ByteDanceのCursor対抗AIエディタ「Trae IDE」はユーザーデータをサーバーに送信しプロセスも異様に多いことが判明

「Trae IDE」はTikTok運営元のByteDanceがVisual Studio Code(VSCode)をベースに開発したコードエディタで、AIによるコーディング補助機能を無料で使えることがアピールされています。そんなTrae IDEについて、「プロセス数が異様に多い」「ユーザー情報を収集している」といった分析結果が公開されました。

GitHub - segmentationf4u1t/trae_telemetry_research
https://github.com/segmentationf4u1t/trae_telemetry_research

Trae IDEはAIによるコーディング補助機能を備えたコードエディタです。人気を博しているCursorと同じくVSCodeをベースに開発されており、Claude 3.5とGPT-4によるコーディング補助機能を無料で使えることが大きな特徴としてアピールされています。

そんなTrae IDEについて、「プロセス数が多すぎる」という報告が寄せられています。以下の画像は左から順にTrae IDE、VSCode、Cursorのプロセス数を示したものです。VSCodeと比べるとCursorはプロセス数が2個多く、Trae IDEはそれ以上に多いことが分かります。

Trae IDE、VSCode、Cursorのプロセス数とメモリ使用量をまとめるとこんな感じ。Trae IDEは異様にプロセス数が多く、メモリ使用量もVSCodeの5倍以上に増加しています。

さらに、ネットワークを監視した結果、Trae IDEが定期的にByteDanceのサーバーに接続しており、「ハードウェア構成」「OS」「アクティブ時間」「セッション継続時間」「リソース消費状況」「マシンIDやユーザーIDなどの固有識別子」「プロジェクト情報」「難読化済みファイルパス」などを送信していることも明らかになりました。設定でテレメトリを無効化してもサーバーへの情報送信は続いたとのこと。

発見者が問題についてDiscordで報告した結果、プロセス数は大幅に削減されました。しかし、ユーザーデータの収集については修正されず、反対に「track」という単語がNGワードに指定され、「トラッキングについて言及すると自動的に7日間ミュートする」という仕組みがDiscordサーバーに導入されてしまったそうです。