「ベジタリアン」は異性にモテない可能性、出会い系アプリでベジタリアンとプロフィールに書くと惨敗するとの実験結果

恋人と食生活や食べ物の好みが合うかどうかは、長期的な関係を築く上で重要なポイントです。しかし、もし出会いの幅を狭めたくないのであれば、出会い系サイトやマッチングアプリのプロフィールに「ベジタリアンです」とは書かない方がいい可能性があることが、ポーランドの研究により判明しました。
Dating a Vegetarian? Perception of Masculinity, Attractiveness, and the Willingness to Date Vegetarians| Social Psychological Bulletin
https://spb.psychopen.eu/index.php/spb/article/view/14457
Men who like MEAT are more likely to bag a date - because women see them as more masculine than vegetarians, study finds | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-14337465/Men-MEAT-likely-bag-date-women-masculine-vegetarians.html
Why being vegetarian might hurt your chances on dating apps
https://www.psypost.org/why-being-vegetarian-might-hurt-your-chances-on-dating-apps/
ワルシャワ大学のドミニカ・アダムチク氏らの研究チームは、2024年12月19日に査読付き学術誌のSocial Psychological Bulletinに掲載された論文の研究で、食事の習慣、特に菜食主義が恋愛の相手としての魅力や適性の認識にどう影響するかを調べる実験を行いました。
実験の参加者の人数は女性204人、男性200人の合計404人で、年齢は18~82歳、平均年齢は約45歳でした。参加者は全員が肉を食べる非ベジタリアンで、異性愛者でした。
実験では、各参加者に人気のマッチングアプリ・Tinderのレイアウトに似せた架空のプロフィールが提示されました。プロフィールは、男性版と女性版とで名前と顔写真が違う以外は内容が同じでしたが、食生活に関する部分だけ「動物愛護のためベジタリアン(倫理的理由)」「環境保護のためベジタリアン(環境的理由)」「健康のためベジタリアン(健康的理由)」「食生活への言及なし(対照群)」の4つに変えたバリエーションが作られました。

そして、4種類のプロフィールをランダムに受け取った参加者に、全体的な「好感度」、その人とデートをしたいかどうかの「交際意欲」、相手がその性別らしさを備えているかどうかの「性別の一致」、男性や女性の特徴19項目にどれくらい合致しているかの「男性性・女性性に関連する特徴の所有度」の4項目で相手を品定めしてもらいました。
この実験の結果、プロフィールに食事のことが何も書かれていない対照群は全体的にポジティブに評価されたのに対し、ベジタリアンは概してあまり人気がないことがわかりました。
特に健康に気を遣ってベジタリアンになった人は最低評価で、最もデートしたくなく、最も性別と一致せず、最も男性らしくない、または女性らしくないと評価されるという、散々な結果でした。
研究者らによると、ベジタリアンが不評だった理由の1つは「類似性効果」という現象で説明できるとのこと。これは、人は同じ価値観やライフスタイルを共有する人を好きになるという現象です。ライフスタイルの中でも食習慣は特に深い価値観を反映することが多いため、肉を食べる人はベジタリアンを自分とは根本的に違う相手だと認識し、恋愛の対象として魅力的ではないと感じた可能性があります。
この推測は、ベジタリアンの人はベジタリアンと恋愛関係になることを好むという先行研究によって裏付けられると、研究チームは述べました。

もう1つの発見は、ベジタリアンになった動機が評価に与えた影響です。環境への配慮や動物愛護の精神から肉を食べない人に比べて、自分の健康を気にしてベジタリアンになった人は自己中心的だと否定的に評価された可能性があります。
また、健康志向のベジタリアンには「生活や食事のこだわりが強く、デートでも要求が厳しい」という固定観念があり、これがデート相手として敬遠される原因になっているのかもしれません。
今回の研究で見られた大きな性差として、「倫理的な理由でベジタリアンになった男性に対する女性の評価は、同じ理由でベジタリアンになった女性に対する男性の評価よりもかなり手厳しかった」という点が挙げられます。これは、動物を大切にすることが男らしさのイメージと反する感受性や情緒性の高さと結びついており、そのせいで女性受けが悪くなったのではないかと、研究チームは推測しています。
さらに、ポーランドの土地柄も結果に影響している可能性があります。研究チームによると、伝統的な家庭観が色濃く残っているポーランドの食文化は、肉料理が中心だとのこと。そんなポーランド社会では、肉中心の食事が男らしさと結びつけられており、ベジタリアンの男性は「男らしくない」と見なされる傾向があります。また、肉料理が伝統的だということが、肉食を拒絶する女性の評価に何らかの影響を与えていることも考えられます。

研究者らは論文に「強さと支配に基づく伝統的な男性らしさを拒絶する女性は、伝統的な男性らしさを受容する女性とは違った目で、男性のベジタリアンを見ているかもしれません。これはまた、ベジタリアンの男性が一部の女性から『真の男ではない』と感じられている理由の説明にもなるかもしれません」と記しました。
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in サイエンス, 食, Posted by log1l_ks
You can read the machine translated English article Experimental results show that vegetaria….