レビュー

「手札のある神経衰弱」という一風変わったゲームスタイルで記憶力だけでなく戦略も重要なカードゲーム「トリオ」レビュー


1から12までの数字が書かれた36枚のカードだけを使い、手札や場にあるカードの数字を当てる神経衰弱のようなゲームが「トリオ」です。Engamesからトリオを提供してもらったので、どんなゲームなのか早速遊んで確かめてみました。

ゲーム紹介:トリオ(TRIO)日本語版|Engames
https://note.com/engames/n/n8daac1586af6

「トリオ」のパッケージはこんな感じ。


中には説明書とカードが入っていました。


カードは、1から12までの数字が書かれたものが各3枚ずつ、合計36枚あります。


「トリオ」には「シンプルモード」と「スパイシーモード」という遊び方と、プレイヤーが4人または6人のときだけ遊べる「チーム戦」というルールがあります。今回は4人でシンプルモードから順番に遊んでみました。

シンプルモードでは、36枚のカードをシャッフルし、プレイ人数が3人の場合は9枚ずつ、4人なら7枚、5人なら6枚、6人なら5枚ずつ、各プレイヤーへ裏向きで配布します。余ったカードは裏向きのまま中央に配置。


カードを受け取ったプレイヤーは自分だけ見えるように表向きにし、数字の小さい順にカードを並べ替えます。これで準備は完了です。


手番が来たプレイヤーは、「中央のカード」または「自分・他人の手札」から1枚ずつ順番にカードをめくっていきます。中央のカードをめくる場合はどこからめくってもOKですが、自分の手札からめくる場合は「一番小さい数字」あるいは「一番大きい数字」からめくらないといけないルールがあります。他人の手札をめくる場合、他人に対して「一番小さい数字をめくってください」「一番大きい数字をめくってください」などと要求し、要求されたプレイヤーは必ず指定されたカードをめくらなければなりません。

プレイヤーは大きく分けて以下の3つからめくって見るカードを選びます。

1:「中央」8枚
2:自分の「手札」
3:自分以外の「手札」


どこからめくって見てもOK。同じ人の手札を連続でめくって見るのもアリです。連続で違う数字のカードをめくったら手番終了で、公開したカードを元の場所に戻します。同じ数字をめくったら手番継続で、3枚連続して同じ数字を引いたらそれら3枚のカードをすべて自分の手元に移動させてゲットし、手番終了です。最終的に3組のカードをゲットするか、「7」のカードを1組ゲットしたプレイヤーが勝利となります。

というわけで、初手プレイヤーはまず隣にいたプレイヤーに「一番大きい数字のカード」を出すよう要求しました。


隣の隣にいたプレイヤーにも同じように最大のカードを出してもらったところで、1人目がめくったカードと違う数のカードが出てきました。以下のように、「それまでに公開したカードと違う数字のカード」が出てきたら手番終了です。


次のプレイヤーはまず中央のカードをめくりました。出てきた数字は「8」です。


プレイヤーは続けて中央のカードをめくります。


「4」でした。違う数字を引いたので手番終了です。


次のプレイヤーは中央からめくり、「11」を公開。


自分の手札で最も大きい数字も「11」だったので公開しました。


さらに、初手プレイヤーの要求で「11」をめくっていたプレイヤーがいたことを覚えていて、当該プレイヤーに「最も大きい数字を出してください」と要求。同じ数字が3枚出たので3枚ともゲットし、手番終了です。


次のプレイヤーは、他のプレイヤーに「一番小さい数字」を出すよう要求。


続けて同じプレイヤーに再び「一番小さい数字」を出すよう要求しました。このように、同じプレイヤーに同じ要求をしてもOKです。


ルールはとても簡単なので割とサクサク進み、開始から10分足らずでリーチに到達するプレイヤーが出てきました。


「最大値は?」「最小値は?」という質問を通して相手の手札がだんだんわかっていくのが「トリオ」の特徴で、例えば「この人は最大値を9と申告したから、10以上は持ってないんだな」とか、「場から12が消えたってことは次の最大値は11だな」みたいなことをある程度理詰めで推理して判断できるようになっていくのが面白いポイント。

リーチになったプレイヤーはそれぞれのプレイヤーが出した最大の数を記憶していたため、自分以外の3人に最大のカードを出させてゲームに勝利しました。全員初心者という状況で、ルールを読む時間を除き、ゲームにかかった時間は10分ちょっとでした。


次は「スパイシーモード」をプレイ。ルールはシンプルモードとほとんど同じですが、勝利条件が「何でもいいのでカードを3組集める」ではなく「足す・引くして合計『7』になる組み合わせを2組集める」に変わっています。例えば以下の画像だと「2が3枚」をそろえた時点で、以下の2つの組み合わせの内どちらかを集めれば良いとわかります。

・「5が3枚」:2+5=7になるため


・「9が3枚」:9-2=7になるため


「どの数字をどれと組み合わせれば良いのか」はカードの左下と右下に書いてあるのでわかりやすいです。また、「7を1組集める」という勝利条件も変わらず存在します。


スパイシーモードだと「せっかくカードを集めたのに足しても引いても2にならないからどうしようもない!」と残念な感じになる一方、他の人が欲しいカードを意図せず横取りしている形になったりして思わぬ駆け引きが生まれることがありました。また、1組目をそろえた時点で「次に狙っているカードの組み合わせが大体分かる」という状況になるので、場にあるカードがシンプルモードより推測しやすかったりします。


「最大値または最小値から公開していく」というルールの都合上、「足して/引いて7」をそろえるのはかなり時間がかかります。「なかなか決着がつかないな」と思っていたところであるプレイヤーが手札から「7」を公開。このプレイヤーは惜しくも外しましたが、次のプレイヤーが中央のカードから見事「7」を掘り当て、自分の手札にあった「7」と合わせて3枚ゲットしました。これにてゲーム終了です。


次はチーム戦です。チーム戦では中央にカードは置かず、すべてのカードを均等に各プレイヤーへ配ります。対角線上に座った人同士がチームとなり、チームで合計3組のカードか、「7」を1組集めれば勝利です。


チーム戦独自のルールとして「カードを1枚交換できる」というものがあります。交換ができるのは「最初の手札を配った後」または「他チームがカードを1組集めた後」のみ。交換するカードは最大でも最小でも真ん中でも何でもOKですが、相談は一切できず、交換したカードを手札のどの位置に置くのかも見せてはいけません。


「相談ができないなら交換する意味はあるのか?」と最初は疑問でしたが、ある程度プレイしていく内に「このカードを出してきたということは、この数字は1枚しか持っていなかったんだな。2枚持っているなら交換に出すわけがないからな」など、なんとなくチームメイトの思考が読めてくるようになりました。交換に「1」を出してみたら相手からも「1」が来た、などの珍現象も起きましたが、そのおかげで「1を出してきたということはつまり……」と推理の余地が生まれたのもグッドでした。


「トリオ」はカードだけを使うというシンプルなゲームかつ、ルールも一発で理解できる簡単さなので、小さい子どもでも楽しめそう。ベースは「神経衰弱」ですが、記憶力だけが物を言う神経衰弱とは違って駆け引きっぽいところもあるので、自分で戦略の幅を作っていける感じがあるのがポイントです。「最大値のカードの数字がなぜそんなに低いのだ?!本当にそれが最大値なのか!?(驚愕)」「同じ数字を2枚持っているからすぐにそろうのか!(嫉妬)」「アレ、あの数字がどこにあるのかわからなくなってきたぞ……(遠い目)」などなど、盛り上がる箇所がいくつもあって楽しくプレイできました。見ての通りカードだけで済むのでかなり省スペースで遊ぶことができ、箱も小さく、どこにでも持ち歩きやすく収納しやすいというのもかなり高く評価できます。

「トリオ」はAmazon.co.jpにて税込1980円で販売されています。

Amazon.co.jp: Engames トリオ : おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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