セキュリティ

アメリカ政府が中国製通信設備の撤去に30億ドルを投じることが決定


2024年12月23日(月)にアメリカのジョー・バイデン大統領が2025年度の国防権限法案(NDAA)に署名しました。2025年度のNDAAでは、中国製通信設備の撤去および交換を進める「リップ&リプレイス」プログラムに対して30億ドル(約4700億円)の支出が決定しています。

Statement from President Joe Biden on H.R. 5009, Servicemember Quality of Life Improvement and National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2025 | The White House
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2024/12/23/statement-from-president-joe-biden-on-h-r-5009-servicemember-quality-of-life-improvement-and-national-defense-authorization-act-for-fiscal-year-2025/


FCC ‘rip and replace’ provision for Chinese tech tops cyber provisions in defense bill | The Record from Recorded Future News
https://therecord.media/fcc-rip-and-replace-china-tech-tops-ndaa

US House To Vote On $3B For Rip And Replace Telecom Program
https://thecyberexpress.com/us-house-to-vote-on-rip-and-replace-program/

US allocates $3B to 'rip and replace' Chinese technology at smaller telcos - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2024/12/25/us-allocates-3b-rip-replace-chinese-technology-smaller-telcos/

アメリカでは「ソルト・タイフーン」や「ボルト・タイフーン」といった中国政府に関連するとされるハッカー集団の脅威が顕在化しており、中国製の通信設備の潜在的リスクに対処する必要が生じています。

ハッカー集団「ボルト・タイフーン」の背後に中国政府がいるというアメリカ政府とMicrosoftの主張を中国側が「自作自演の茶番」だと否定 - GIGAZINE


中国製の通信設備はアメリカ全土で広く使われており、中小規模の通信プロパイダーにとっては通信設備の撤去および交換のコストが大きな重荷となります。そこで、連邦通信委員会(FCC)は2019年に19億ドル(約3000億円)の予算を確保して「リップ&リプレイスプログラム(正式名称:Secure and Trusted Communications Networks Reimbursement Program)」呼ばれる補助金プログラムを2021年10月~2022年1月に実施しました。

リップ&リプレイスプログラムでは「2020年6月30日以前にHuawei製もしくはZTE製の通信設備を取得した顧客数1000万人以下の通信プロパイダー」を対象に通信設備の撤去費用が提供されました。しかし、FCCはリスクのある通信設備の撤去に49億8000万ドル(約7800億円)が必要がと見積もっており、議会が承認した19億ドルでは足りない状況が続いていました。

今回成立した2025年度のNDAAでは、リップ&リプレイスプログラムに対して追加で30億ドルの予算を投じることが決定しました。これにより、アメリカ国内に残っている中国製通信設備の撤去および交換作業が進展すると見込まれています。


なお、アメリカ政府はFCCに対して周波数オークションの収益をリップ&リプレイスプログラムに充てるように求めています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
FBIが中国による大規模ハッキング対策のため「暗号化されたアプリ」を使うよう注意喚起 - GIGAZINE

中国のハッカーがアメリカ大統領選のハリス陣営とトランプ陣営を狙って不正アクセスを試みていたことが判明 - GIGAZINE

26万台ものルーターやネットワークカメラにマルウェアを感染させた中国のボットネット「Raptor Train」をFBIが破壊 - GIGAZINE

中国が「Huaweiを5G通信網から排除したらNokiaとエリクソンに報復する」とEUに圧力 - GIGAZINE

セキュリティ企業のSophosが5年以上に及ぶ中国のハッカーとの戦いを記したレポート「パシフィック・リム」を公開 - GIGAZINE

中国のハッカーが世界中にある約2万台のFortiGateシステムに侵入しているとオランダ政府の軍事情報安全保安局が警告 - GIGAZINE

in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.