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IntelがArrow Lakeのゲームパフォーマンス改善アップデートを発表、5つの根本原因のうち4つを修正


発売当初からパフォーマンスにばらつきが見られ、Intel自身も不具合を認めて修正を約束していたプロセッサー「Core Ultra 200S」について、Intelが「パフォーマンスを妨げる5つの問題を特定し、そのうち4つを修正する更新プログラムを配布した」と発表しました。

Field Update 1 of 2: Intel Core Ultra 200S Series Performance Status - Intel Community
https://community.intel.com/t5/Blogs/Tech-Innovation/Client/Field-Update-1-of-2-Intel-Core-Ultra-200S-Series-Performance/post/1650490

Intel announces Arrow Lake performance fix is now available — another update coming next month | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intels-arrow-lake-performance-fix-is-now-available-another-update-coming-next-month

Intel Reports Findings on Missing Arrow Lake Performance, Targets Jan 2025 for 0x114 Microcode | TechPowerUp
https://www.techpowerup.com/329990/intel-reports-findings-on-missing-arrow-lake-performance-targets-jan-2025-for-0x114-microcode

Core Ultra 200Sは既存の製品に比べて消費電力を抑えつつ処理性能を向上したとうたわれたモデルでしたが、特にゲームプレイ時における環境ごとの性能のばらつきがひどく、性能を検証したレビュワーによって良い・悪いの評価が二極化するという事態が起こっていました。


Intel自身もこのことを認め、「ローンチ当初のパフォーマンスはIntel自身の予想を下回るものだった」として修正を約束していました。

Intelが発表した「Core Ultra 200(Arrow Lake)シリーズ」のパフォーマンスが予想を下回ったため修正が約束される - GIGAZINE


Intelの調査の結果、パフォーマンスを左右する5つの根本原因を特定したとのこと。その原因は以下の通りです。

◆1:パフォーマンス&パワーマネージメント(PPM)パッケージに欠陥がある
◆2:Intel Application Optimization(APO)が有効にならない
◆3:Easy Anti-Cheatを利用してゲームタイトルを起動しようとするとブルースクリーンが発生する
◆4:レビュワー向けBIOSでパフォーマンスが正しく構成されていない
◆5:新しいBIOSパフォーマンスの最適化


より詳しい内容は以下の通りです。

◆1:パフォーマンス&パワーマネージメントパッケージに欠陥がある
プロセッサの動作はソフトウェアで調整可能で、Windowsの場合は「電源プラン」の設定で調整できます。Intelによると、Windows 11 24H2にOSレベルでのPPM設定の欠陥があったため、6%~30%という大幅なパフォーマンス低下が発生。これによりCPUスケジューリングの異常な動作やベンチマークごとの評価のばらつきにつながったとのことです。

◆2:Intel Application Optimization(APO)が有効にならない
Intel Application Optimizationは、ゲームまたはOS内でリアルタイムにスレッドスケジューリングの最適化を行い、パフォーマンスを向上させる機能です。この機能について、前述のPPMの欠陥によりプロセッサーが異常な状態になり、有効にならないことがあったとのこと。また、レビュワー向けにリリースされたマザーボードのBIOSバージョンでは、デフォルトでAPOが有効になっていなかったということです。


◆3:Easy Anti-Cheatを利用してゲームタイトルを起動しようとするとブルースクリーンが発生する
この問題の根本原因は、Windows 11 24H2とPCゲームにバンドルされているEasy Anti-Cheatドライバの問題でした。Easy Anti-Cheatを開発するEpic Gamesは修正済みのドライバーを配布しています。

◆4:レビュワー向けBIOSでパフォーマンスが正しく構成されていない
初期に製品を提供されたレビュワーがBIOS設定をデフォルトに戻した場合、パフォーマンスを向上させる設定に切り替わらないことがありました。これにより、コンピュートタイルのリング周波数が不安定または変動する、PCIe Resizable BARの恩恵を受けるゲームのパフォーマンスが向上しない、Intel APOの恩恵を受けるゲームのパフォーマンスが向上しないなどの問題が発生しました。

◆5:新しいBIOSパフォーマンスの最適化
Intelは「調査の結果、最近開発された、あるいはこれまでにリリースされたマザーボードBIOSイメージには対応できなかったパフォーマンスの最適化の問題をいくつか特定しました」と述べ、今後修正することを約束しています。


1番目から4番目までの問題はWindows 11 Build 26100.2314で修正済み。5番目の「新しいBIOSパフォーマンスの最適化」の修正はIntelによる検証後、2025年1月前半にリリースされる予定です。

Intelは「利用可能なアップデートを今すぐ適用することも、1月の最終的なパフォーマンスアップデートを待つこともできます。あなたが経験するパフォーマンスの向上は、あなたのシステムの現在のパッチ/アップデートの状態、あなたが利用するアプリケーション、あなたが適用するBIOS/OS/ソフトウェア設定によって異なります。最後に、レビュワーおよびユーザー・コミュニティからの惜しみないフィードバックに感謝します」と述べました。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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