「QNAP製NASにファームウェアアップデート後ログインできなくなる」という報告が相次ぐ
ネットワークストレージメーカーのQNAPは2024年11月14日に、NASシステムのファームウェアアップデート「QTS 5.2.2.2950 build 20241114」をリリースしました。しかし、一部のユーザーから「該当のファームウェアへのアップデート後、NASにログインできなくなった」との報告が相次いでいます。
QNAP NAS users locked out after firmware update snafu • The Register
https://www.theregister.com/2024/11/25/qnap_faulty_update/
QNAP’s Latest Firmware Update Causes Problems for Some Users
https://cyberinsider.com/qnaps-latest-firmware-update-locked-some-users-out-of-their-accounts/
2024年11月14日にリリースされた「QTS 5.2.2.2950 build 20241114」は、セキュリティ機能の強化と一部のモデルでの「QuTS hero」サポートなどの新機能を導入するものです。
しかし、一部のユーザーはQNAPコミュニティに対し、アップデートのインストール後に発生した諸問題を報告しています。具体的な問題が以下。
・「ログイン資格情報が正しくないか、アカウントが無効になりました」というエラーメッセージが表示され、QNAPシステムへのアクセスができなくなった
・「Malware Remover」「QuLog Center」「Resource Monitor」などの重要なアプリケーションの起動に失敗する
・モデルの識別が正しくない
・外部ストレージデバイスが認識されない
・Samba経由で共有フォルダにアクセスする際のログに異常がある
・NASの再起動後「不正アクセスまたは初期化が不完全」という警告が表示される
「Toxic」というユーザーによると、これらの症状はTS-x53Dなどの古いモデルで特に発生しやすいことが指摘されています。
QNAPの広報担当者は海外メディアのThe Registerに対し「私たちは2024年11月14日に、QTS 5.2.2.2950 build 20241114をリリースしました。しかし、一部のユーザーからインストール後のデバイス機能に関する問題を報告するフィードバックを受け取りました。これを受けてQNAPはこのアップデートを速やかに撤回し、包括的な調査を実施しました。その後、QTS 5.2.2.2950 build 20241114の安定版を24時間以内に再リリースしています」と報告しています。
by Andrew Currie
また、QNAPは影響を受けるモデルについて「HS-453DX、TBS-453DX、TS-251D、TS-253D、TS-653D、TS-453Dmini、TS-451D、TS-451D2という限られたモデルのみで、この他のユニットは今回のアップデートによる問題の影響を受けません」と述べています。さらにQNAPは影響を受けたユーザーに対し、ファームウェアのダウングレードか技術サポートに連絡して支援を求めるかの2つのオプションがあることを伝えました。
なお、一部のユーザーは「私はこの問題をQNAPに指摘しましたが、現状、QNAPのサポートは沈黙しています。今回のアップデートによって起こりうる問題に対するガイダンスさえもありません」と述べ、QNAPの対応を批判しています。
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