X(旧Twitter)上でイーロン・マスクが実名をさらしあげた政府職員に対してトランプ支持者による個人攻撃が始まっている
by Steve Jurvetson
X(旧Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏は、ドナルド・トランプ次期政権において政府効率化省(DOGE)諮問グループの共同リーダーを務める予定です。政権移行前の記事作成時点ではまだDOGEは始動していないのですが、すでにマスク氏は「無駄だと思われる政府省庁」やその職員をXで槍玉にあげており、マスク氏のフォロワーやトランプ支持者が個人攻撃を始めてしまっていると報じられています。
Elon Musk Unleashes X Army on Federal Workers. ‘A Tough Way to Find Out She’s Losing Her Job.’ - WSJ
https://www.wsj.com/tech/musk-unleashes-online-army-on-federal-workers-a-tough-way-to-find-out-shes-losing-her-job-f57a2e94
Elon Musk is directing harassment toward individual federal workers - The Verge
https://www.theverge.com/2024/11/22/24303594/elon-musk-harassing-federal-workers-x
約17万人のフォロワーを持ち、反バイデン的な投稿で知られる「datahazard」というXユーザーが、国際開発金融公社の気候多様化部長というポジションについているアシュリー・トーマス氏について疑問を投げかけ、「アメリカの納税者がトーマス氏の雇用に金を支払うのはおかしい」と主張しました。
これに対して、イーロン・マスクが「まやかしの仕事がこんなにもたくさんある」とコメントを付けてリポストしたことで、状況は大きく変化します。
So many fake jobs https://t.co/aVH8QtMcLE
— Elon Musk (@elonmusk) November 19, 2024
datahazardやマスク氏はトーマス氏やその所属機関である国際開発金融公社を無用の長物とみなしていますが、経済紙のThe Wall Street Journalによれば、国際開発金融公社の気候多様化部門は高度に技術的な部門であり、極端な気象現象に対する農業やインフラの強化など、アメリカの戦略的利益に資するイノベーションを特定することに焦点を当てていると説明しています。
しかし、マスク氏のポストの閲覧数は3200万回以上を超え、マスク氏のフォロワーやトランプ支持者から大量の批判や嘲笑的なミームが投稿され、果てにはトーマス氏のLinkedInとFacebookのページが非公開となりました。
datahazardのアカウント代表者はThe Wall Street Journalに対して、「トーマス氏は公人である政府高官のリストに名前が掲載されているため、トーマス氏らの名前を明かすのは正当な行為である。納税者は、誰が政府を運営しているかを知る基本的な権利を持っている」とダイレクトメッセージで語ったとのこと。
この状況に対して、市民権活動家のマイケル・スコルニク氏は「あなたは自分が何を話しているのか全く分かっていない。家族を養うために正直に働いている人を危険な方法でターゲットにしている」とdatahazardとマスク氏を批判しました。
You have absolutely no idea what you are taking about and dangerously targeting a person who works an honest job to provide for their family.
— Michael Skolnik (@MichaelSkolnik) November 19, 2024
Climate diversification is a strategy to reduce the risk of climate change on food security and the economy by diversifying crops,…
アメリカ政府職員連盟(AFGE)のエベレット・ケリー会長は「このような行為は連邦職員に恐怖を植え付けることを意図している」と批判しています。
ITメディアのThe Vergeは「マスク氏は組織的にXを自身の意見を広めるメガホンに変え、面白いと思ったり役に立つと思ったりするあらゆる目的のためにそのメガホンを振り回してきた」と述べ、DOGEの活動が本格的に始動した後も今回のようなケースが多くの公務員に起こり得るだろうと推測しています。
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