サイエンス

中国国営企業が新型スペースシャトル「ハオロン」のプロトタイプを公開


現地時間2024年11月12日~11月17日に開催された中国国際航空宇宙博覧会の中で、中国国営企業・中国航空工業集団公司(AVIC)の子会社である成都航空機設計研究所が設計した新型スペースシャトル「昊龍(ハオロン)」の模型が公開されました。

China reveals reusable cargo shuttle design for Tiangong space station (video) | Space
https://www.space.com/space-exploration/launches-spacecraft/china-reveals-reusable-cargo-shuttle-design-for-tiangong-space-station-video

China Unveils Haolong Cargo Space Shuttle | Aviation Week Network
https://aviationweek.com/space/launch-vehicles-propulsion/china-unveils-haolong-cargo-space-shuttle

中国有人宇宙技術局(CMSEO)は2023年に、中国宇宙ステーション(天宮)に貨物を輸送するための低コスト貨物輸送システムの案を募集し、2024年10月29日に中国科学院(IAMCAS)と成都航空機設計研究所の貨物スペースシャトルを採用することを発表していました。

こうした経緯で設計されたハオロンの全長は32,8フィート(約10m)、幅は26.2フィート(約8m)で、最大重量は最大3万1000ポンド(約1万4000kg)です。


従来の補給船「天舟」は、貨物を宇宙ステーションに届けた後は大気圏への再突入時に燃え尽きる設計となっていました。しかし、ハオロンは大気圏に再突入後、滑走路への着陸が可能で、実験器具やその他の貨物を地球に戻すことができます。


ハオロンのチーフデザイナーであるファン・ユアンペン氏は「ハオロンはゆるやかな角度の機首と機体最後尾に取り付けられたデルタ翼により、宇宙船と航空機の両方の特性を兼ね備えています。ハオロンはロケットで地球の衛星軌道に打ち上げられ、補給活動を行った後、飛行機のように空港の滑走路に着陸することができます」「地球に帰還したハオロンは、検査、保守、修理を行った後、再び貨物輸送任務を遂行できるようになります」と報告しています。


また、ユアンペン氏は「高い揚抗比により、ハオロンは宇宙での大幅な機動性を実現しています。また、ハオロンは手ごろな価格での運用が可能で、生鮮食品などの貨物を地球から輸送し、科学研究資料を交換できるような柔軟性があります」と語っています。

なお、記事作成時点でハオロンはエンジニアリング検証段階にあるとのことです。

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in 乗り物,   サイエンス, Posted by log1r_ut

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