Huaweiが「SSDと磁気テープのハイブリッドストレージ」を開発中、速く・安く・長く保存可能
HuaweiがSSDと磁気テープを内蔵したハイブリッドストレージ「Magneto-electric Disk(MED)」を開発中です。MEDの初期バージョンは2025年に登場予定です。
Huawei developing SSD-tape hybrid amid US tech restrictions – Blocks and Files
https://blocksandfiles.com/2024/11/08/huawei-developing-meds-to-combat-disk-ship-stop-sickness/
Huawei develops massive 72TB SSD-tape hybrid storage device — first-gen MED drive targets warm and cold storage | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/storage/huawei-develops-ssd-tape-hybrid-storage-device-for-warm-and-cold-storage-first-gen-med-drive-holds-up-to-72tb
磁気テープと聞くとカセットテープやビデオテープといった旧世代の保存メディアをイメージしがちですが、データの長期保存が必要な場面では「LTOテープ」と呼ばれる大容量かつ長期保存が可能な磁気テープカートリッジが現役で活躍しています。しかし、LTOテープはIBMや富士フイルムといった企業によって生産されているため、アメリカからの輸出制限を受けている中国ではLTOテープの入手が困難になる可能性がありました。
そこで、Huaweiはアメリカなどの国々に依存しない長期保存メディアとしてMEDを開発しました。HuaweiによるMEDの発表スライドが以下。MEDは直方体のメディアになるようです。
内部には「SSDのNAND型フラッシュメモリおよびSSDコントローラー」「テープコントローラー」「テープリール2個」「テープ読み取りヘッド」が入っています。LTOテープの場合はカートリッジからテープを外部に引き出してデータを読み取りますが、MEDの場合はストレージ本体の内部で読み取りが完結します。
MEDは「データをSSDに保存した後にテープに移す」という仕組みのため、LTOテープと比べて書き込み速度が高速です。また、SSD内に保存されている情報なら高速な読み出しも可能。一方でテープ内のデータを読み取る際は「データが保存されている領域までテープを巻き取る」動作が必要で最大2分の待ち時間が発生します。
第1世代のMEDは2025年に登場予定で、1個当たりの容量は72TBで、同容量のLTOテープと比べて20%安価に入手可能になります。また、ラック全体の保存容量は10PBに達し、転送速度は毎秒8GB、消費電力は2kW以下とされています。
さらに、第2世代のMEDを2026年~2027年にリリース予定とのことです。
・関連記事
ガラス板にデータを保存するMicrosoftの「Project Silica」がストレージ容量100倍超の7TB・保存期間10倍の1万年に成長 - GIGAZINE
HDD4台分のデータをVHSテープに詰め込むロシア発の技術「ArVid」とは? - GIGAZINE
3M製フロッピーディスクは粘着テープ技術の発展系だった - GIGAZINE
1980年代のインターネットの書き込みが磁気テープから復活 - GIGAZINE
IBMが非圧縮時容量50TBの磁気テープドライブ「TS1170」を発表 - GIGAZINE
・関連コンテンツ