求職中の労働者を襲う「ゴーストジョブ」とは?
ネットなどに掲載される求人の中に、実際は募集していないのに掲載を続けている「ゴーストジョブ」と呼ばれる求人が多数あることがわかりました。調査会社の調べでは、採用担当者の81%が不適切な求人を掲載していることを認めたとのことです。
'Lot of demoralized people': Ghost jobs wreaking havoc on tech workers
https://www.sfgate.com/tech/article/ghost-jobs-california-tech-industry-19871249.php
ゴーストジョブ、つまり実際には募集していないポジションの広告は、近年予算削減などでレイオフが続くテクノロジー業界を中心に求職者を悩ませています。求職者を支援するMyPerfectResumeが2024年に実施した調査によると、オンライン上にはびこるゴーストジョブの中には、正当な企業だと偽って詐欺師が掲載した偽の求人もあれば、正当な企業が不当な理由で掲載しているものもあるといいます。
MyPerfectResumeの調査では、ゴーストジョブを掲載する理由として、採用担当者の38%が「求人サイトでの存在感を維持するため」と答えたほか、26%が「将来に向けて候補者を確保しておくため」、23%が「採用をストップしているときでも会社が安定しているように見せるため」と回答しています。また、25%は「特定の従業員を置き換えるのがどれほど難しいのかを確かめるため」と答えており、全く採用する気がないのに求人を出している採用担当者が相当数存在したことも判明しています。全体として、採用担当者の81%がゴーストジョブを掲載していることを認めたとのことです。
オンラインで簡単に履歴書を作成するためのサービス「Resume Builder」が実施した別の調査では、66%が「会社が成長しているように見せるため」との回答を出しているほか、63%が「従業員に新人が来て仕事が減ると思わせるため」と回答するなど、社外だけでなく社内の人もだまそうとする採用担当者がいることがわかりました。
ただし、同じ調査では68%が「ゴーストジョブを掲載することで収益が上昇した」、65%が「従業員の士気にプラスの影響が出た」と回答していて、全体的には70%程度の採用担当者が「ゴーストジョブを掲載することは道徳的に容認できると考えている」と答えており、採用担当者側と求職者側に認知の違いがあることが指摘されています。
海外メディア・SFGATEのインタビューに応じたとある技術系求職者は、「求職者は応募書類のリサーチや履歴書のブラッシュアップに多くの時間を費やしています。それなのに、求人情報が本物なのかどうかを確かめるためにさらなる時間を費やさなければならないという事実には驚かされます。仕事を求めて応募したのにゴーストジョブで意気消沈した人はたくさん知っています」と語りました。
Resume Builderの調査担当者によると、ゴーストジョブを掲載せよという命令は一般的に人事部から発せられることが多く、上級管理職や経営幹部ですら同様の命令を発することがあるそうです。
全米のハイテク企業従業員を採用するリクルーター兼キャリアコーチ、ジョン・ロヴィグ氏は「ゴーストジョブは、職を探す人々を悩ませるやっかいな問題です。休職者は就職活動を前に進めたいと思うものですが、掲載されている求人が本物ではない場合、当然ながら非常に困ったことになります。何百通と履歴書を送っても一切返事がないのは人々にとって大きな打撃になります。募集していない職務に対して積極的に採用活動を行っているように見せかけるのは問題で、特にハイテク業界では、ここ数年レイオフが多かったためか、このようなことが頻繁に起こっているのです」と述べ、そのような慣行を「容認できない」と一蹴しました。
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in Posted by log1p_kr
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