レビュー

48MP超広角写真や4K・120fpsムービーの撮影が可能になったiPhone 16 Proのカメラ性能やバッテリーの持続時間をチェック


2024年9月20日(金)に登場したAppleの「iPhone 16 Pro」はApple独自のAI機能「Apple Intelligence」に対応したiPhoneであると同時に、48メガピクセル(MP)の超広角カメラが搭載され、4K・120fpsのムービーも撮影できるようになるなど、前世代の「iPhone 15 Pro」からカメラ性能も進化しました。そんなiPhone 16 Proで写真やムービーを撮影したり、バッテリーの持ちをチェックしたりしてみました。

iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Max - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/iphone-16-pro/

iPhone 16 Proのスペックについては、以下の記事でiPhone 15 ProやiPhone 16と比較しながらベンチマークテストを行っています。

A18 Pro搭載のiPhone 16 Proに買い替えるべきなのか?iPhone 15 ProやiPhone 16とベンチマーク結果を比較検証してみた - GIGAZINE


◆iPhone 16 Proで写真を撮ってみた
iPhone 16 Proのカメラで前世代から進化した大きなポイントは「カメラコントロールの追加」「48MP超広角カメラ」です。このうち、カメラコントロールは下位モデルであるiPhone 16にも搭載されており、以下の記事でじっくりとチェックしています。

iPhone 16から搭載された「カメラコントロール」は画面を触れずにカメラの設定を調整できる新機能、ただし慣れには時間がかかりそう - GIGAZINE


実際にiPhone 16 Proで撮影した作例が以下の画像。なお、サムネイル画像をクリックすると元画像を見ることができます。

大阪・新世界の通天閣をiPhone 16 Proで撮影。倍率は1倍です。


倍率2倍だとこんな感じ。


倍率5倍。


以下は同じ位置から通天閣をiPhone 15 Proの倍率3倍で撮影した写真。前世代のiPhone 15 Proは、望遠カメラのズーム倍率は最大3倍だったため、iPhone 16 Proはより遠くのものをしっかり撮影できるようになりました。


また、iPhone 15 Proだと倍率0.5倍の超広角カメラは12MP(4032×3024ピクセル)で撮影可能だったのに対し、iPhone 16 Proの超広角カメラは48MP(8064×6048ピクセル)で撮影できるようになりました。以下がiPhone 16 Proの超広角カメラで撮影した写真。


同じ位置と角度でiPhone 15 Proの超広角カメラで撮影した写真が以下。


解像度が違うだけなので一目見ただけだとその差はわかりにくいですが、iPhone 15 Pro(左)とiPhone 16 Pro(右)で上記の写真に写っている看板を同程度にズームして並べると、iPhone 15 Proの方は看板に書かれている文字がぼやけているのがわかります。


超広角カメラで、大阪・新世界を撮影。


少し暗い商店街を倍率1倍で撮影。


倍率1倍のマクロモードで撮影したプラモデル。


夜中の自動販売機を倍率1倍のナイトモードで撮影。夜間なので辺りはかなり暗かったのですが、約2秒間の露光撮影によりかなり明るい写真に仕上がりました。


超広角カメラのナイトモードで撮影した駐輪場の写真が以下。この駐輪場には明かりがなかったのでほぼ真っ暗だったのですが、ナイトモードによって自転車のスポークまではっきり見えるほど明るく写っています。なお、ナイトモードでの撮影の場合は12MP(4032×3024ピクセル)での撮影となります。


◆4K・120fpsムービーを撮影してみた
iPhone 16 Proは4K・120fpsでムービーを撮影できるようになりました。純正の「カメラ」アプリによるスローモーション撮影だけではなく、通常のムービー撮影でも、4K・120fpsの設定を選択することが可能です。

以下のムービーはiPhone 16 Proで電車の車窓に流れる風景を4K・120fpsで撮影したもので、等倍速・2分の1倍速・4分の1倍速の3種類を編集してつないでいます。YouTubeの仕様上、120fpsは60fpsに自動変換されてしまっていますが、120fpsムービーの2分の1倍速は60fpsで、等倍速と同程度になめらかな映像となっています。また、4分の1倍速の部分はフレームレートが30fps相当になっています。

iPhone 16 Proで撮影した4K・120fpsの車窓風景ムービーを等倍速・2分の1倍速・4分の1倍速で再生 - YouTube


◆バッテリー持続時間と充電時間をチェックしてみた
iPhone 16 Proのバッテリー持続時間は、公式スペックだとビデオ再生(ストリーミング)は最大22時間とのことでしたが、この「ビデオ」の解像度は不明。そこで、実際の持続時間をチェックするため、バッテリー残量100%の状態から4K動画を画面輝度最大・音量最大の状態でストリーミング再生し、どれだけバッテリーが持つのかをチェックしてみました。

以下のムービーは再生し始めてからバッテリーが尽きるまでをタイムラプスで撮影した様子。18時から動画再生を始め、約7時間30分後の1時31分頃にバッテリーが0%になりました。

iPhone 16 Proで4K動画をストリーミング再生してバッテリーの持ち時間を計測してみた - YouTube


iOSのバッテリー管理画面で見たバッテリー残量のグラフはこんな感じ。


次に、0%から100%になるまでの充電時間を計測しました。電源にはAnker PowerHouse II 400を、ケーブルにはUSB-PD対応のUSB-Cケーブルを、入力の電圧・電流チェックにルートアール 双方向・メタル筐体・多機能表示 USB Type-C電圧・電流チェッカーを使っています。充電開始時の入力電力は15.00V×1.299A=19.485Wでした。


充電開始から30分でバッテリーは50%まで回復しており「約30分で最大50%充電」という公式スペック通りの結果となりました。入力電力は15.00V×1.070A=16.050W。


充電開始から1時間後、バッテリーは82%にまで回復しました。この時点での入力電力は4.865V×1.407A=約6.845Wでした。


充電が完了したのは1時間35分後でした。積算電流量が1658mAh、積算電力量が1万7083mWhなので、平均電圧は約10Vという計算になります。また、iFixitによると、iPhone 16 Proのバッテリー容量は3274mAh×3.879V=約12700mWhとのことなので、今回の充電における電力ロスは約25%といったところ。


以下のグラフは、10分ごとのバッテリー残量(青、単位%)と入力電力(赤、単位W)の推移を示しています。充電開始直後は20W前後で充電が行われ、バッテリーがチャージされていくにつれて電力は抑えられています。


◆まとめ
普段iPhone 15 Proを使っている編集部員がiPhone 16 Proを実際に数週間使ってみて感じたのは、iPhone 15 Proからスペックは上がっているものの、普段使いする上では特に大きな変化を感じられるポイントは少ないという点です。確かにカメラの性能は上がっており、5倍ズームで撮影できるようにはなりましたが、超広角カメラが48MPに進化してもその恩恵を実感できることはほとんどなく、身の回りのものや風景を撮影する分においては特にiPhone 15 Proから進化したと思えるような場面はありませんでした。4K・120fpsのムービーについては動画撮影の幅が広がるものの、普段の生活の上では4K・120fpsのムービーを撮る場面は少ないので、一般的な使い方をするのであればiPhone 15 ProあるいはiPhone 16でも十分というのが正直なところ。バッテリーの持ちについては一般的な使い方であれば1日以上持続するので、問題なく運用できそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「iPhone 16 Pro」フォトレビュー、iPhone 15 ProやiPhone 16と大きさや画面サイズを比べてみた - GIGAZINE

Apple Intelligenceに対応するiPhone 16のA18チップは前世代からどれだけ進化しているのか?ベンチマークを比較してみた - GIGAZINE

「iPhone 16 Pro」フォトレビュー、iPhone 15 ProやiPhone 16と大きさや画面サイズを比べてみた - GIGAZINE

iPhone 16から搭載された「カメラコントロール」は画面を触れずにカメラの設定を調整できる新機能、ただし慣れには時間がかかりそう - GIGAZINE

iPhone 15 Proに搭載されるA17 BionicチップはGPUのコア数増加もRAMは6GBのままとのリーク情報 - GIGAZINE

in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.