サイエンス

なぜルールを守れない人が存在するのか?


世の中には「赤信号を守る」などの単純なルールさえ破ってしまう人がいます。ルールに対する人々の反応の違いについて、実は脳の情報処理システムに違いがあることが原因かもしれないとして、オランダ・ライデン大学の管理・法・安全保障専門家であるリサート・プランテンガ氏が仕組みを解説しています。

Waarom regels voor een gedeelte van de bevolking niet werken - Universiteit Leiden
https://www.universiteitleiden.nl/nieuws/2024/09/waarom-regels-voor-een-gedeelte-van-de-bevolking-niet-werken

プランテンガ氏によると、人間の脳は大ざっぱに言って「2つの情報処理システム」があり、それらは密接に連動しているそうです。この情報システムのうち、人間はどちらかを好む傾向にあるとのこと。


情報処理システムのうち1つは経験的システム、もう1つは合理的システムです。プランテンガ氏いわく、経験的システムを好む人は主に過去の経験や感情、直感に頼り、合理的システムを好む人は理性と論理をより重視するといいます。

プランテンガ氏は、このようなシステムの違いが「ルールを守る」という行動に影響していると指摘。具体的には、経験的システムを好む人々は直感や感情に導かれて不合理だと感じるルールを破り、合理的システムを好む人は理性に従ってルールを守るのだそうです。

政策立案も研究するプランテンガ氏は、政策立案者が策定したルールが思い通りにいかない理由は上記の仮説が原因だと提唱しています。


プランテンガ氏は「ルールが必ずしも望ましい効果をもたらすとは限らないのです。政府や政策立案者は主に合理的な人々を念頭に置いて規則を策定していますが、経験を重視する人々がいることを十分に考慮していません。過度な規制による負担は経済的損失をもたらし、政府に対する信頼を損ないかねません」と指摘しました。

例えば、何かのルールで人々の行動が阻害されたとき、その経験が人々にネガティブな感情を残し、規則を順守する意欲を失わせる可能性があるといいます。

プランテンガ氏は「規制緩和を望む政策立案者は規則に対する人々の反応にもっと留意すべきです。経験重視の人々はしばしば何も考えずに反応し、自分が属する集団の道徳に導かれています。ルール作りの際にそれを考慮しなければ、規制は決して機能しません。不満を助長するだけです」と付け加え、ルールを策定する際には人々の心理的な側面を分析することが重要だと述べました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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