時代遅れでステレオタイプなタイを描いたAppleのCMが地元の国会議員らから猛反発を受け撤回＆謝罪へ

ステレオタイプ的なタイを描写し、全面的にセピア色のフィルターをかけてタイを発展途上国のように見せたとして、AppleのCMが地元の国会議員や観光庁から強い非難を受けました。Appleは謝罪してCMを削除しました。

Apple Pulls Commercial After Thai Backlash, Calls for Boycott - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-02/apple-pulls-commercial-after-thai-backlash-calls-for-boycott

Apple is apologizing for one of its ads again - The Verge
https://www.theverge.com/2024/8/2/24212005/apple-thailand-ad-pulled-underdogs-out-of-office

Apple apologizes for another ad that missed the mark
https://www.engadget.com/apple-apologizes-for-another-ad-that-missed-the-mark-220045564.html

問題のCMは以下のリンクから確認できます。9分57秒の長尺動画で、登場人物がApple製品を使いつつタイを満喫する様子が描かれています。

The Underdogs: OOO (Out Of Office)
https://1thegioi.vn/video/embed/ifnojz596q

映像には全体にわたってセピア色のフィルターがかけられていて、登場人物がトゥクトゥクに乗ったり、老朽化したホテルに泊まったりする様子が映し出されています。この映像に対し、地元の人々が「時代遅れの表現が使われている」「あまりにもステレオタイプすぎる」などとして反発しました。

タイ下院観光委員会の広報担当者であるサトラ・スリパン氏は、「タイ国民はこのCMにひどく不満を抱いています。私は、Apple製品の使用をやめて他のブランドに乗り換えるよう、他のタイ人に勧めたいと思います」とコメントしています。

地元の人々の反発を受け、AppleはCMを放映したことを謝罪。「このCMは地元の制作会社と協力して制作しました。私たちの意図はタイの楽観主義(オプティミズム)と文化を祝うことでした。このCMはもう放映されません」と述べ、CMを撤回しました。

タイ政府は世界的な観光地としての地位とイメージの向上を目指しており、観光産業は経済成長の重要な原動力となっているとBloombergは指摘。タイのセター・タウィーシン首相は「タイを航空と物流のハブにする」と宣言しており、外国人観光客の数を増やして経済の活性化を進めています。

タウィーシン首相はCMをプッシュしていた側の人物であり、「あらゆるコインには裏表があります。ポジティブな面を見ましょう。Appleはタイでビジネスを展開する意向を示しています」と述べたとのことです。