タイの鉄道会社が乗客や一般市民への注意喚起のためにかつて掲示していたポスターとは?
1951年からタイ国有鉄道によって鉄道の運営が行われるタイ王国では、バンコク駅に併設された鉄道博物館において1965年から1968年に掲示された「鉄道安全ポスター」が展示されています。
Railway Safety Posters – Thai Train Guide
https://www.thaitrainguide.com/2022/06/10/railway-safety-posters/
◆01:見通しが悪い場合の線路の横断には注意してください
◆02:列車の屋根には登らないでください
◆03:列車に乗り降りするためのステップには立たないでください
タイでは客車の扉は開きっぱなしで、その周辺に人が立っているのはよくあることですが、同時に転落する事故も絶えません。近年も、外国人観光客がステップから転落して死亡する事故が発生しています。
◆04:駅のホームに立つときは列車から離れてください
◆05:鉄道橋を渡るときは列車の往来に注意してください
◆06:列車が動いている間は乗り降りしないでください
◆07:線路上で横にならないでください
2021年8月には、線路上で横たわっていた男性が列車にひかれて死亡するという事故がタイで発生しています。
◆08:列車の間を歩かないでください
◆09:線路を横断するときは電車に注意してください
◆10:分岐器に注意してください
分岐器に足や指を挟まれると、骨折や切断の可能性があり、大変危険です。また、日本の岡山県では、カメが分岐器に挟まり列車が遅延するという事例があったため、溝を設置するなどの対策が取られています。
◆11:走行中の列車の窓から身を乗り出さないでください
イギリスでは、時速約120kmで走行中の列車の窓から顔を出した女性が、線路脇の樹木に衝突する事故が2018年に発生しています。
◆12:列車に石を投げないでください
◆13:通信設備を破壊しないでください
◆14:線路上に動物を連れてこないでください
インドでは、2016年から2019年の3年間で約3万5000頭の動物が列車にひかれて死亡したと報告されています。
◆15:線路の近くを歩かないでください
◆16:列車に落書きしないでください
◆17:必ず左右の安全確認を行った上で横断してください
左右の安全確認を怠って、列車の往来に気がつかなかったことによる事故は世界各地で発生しており、日本では2023年7月に佐賀県小城市の遮断機のない踏切で男性が死亡するという事故が起こっています。
これらのポスターは乗客や一般市民への注意喚起として1965年から1968年にかけてタイ国有鉄道が国内のさまざまな鉄道駅に掲示していたとのこと。記事作成時点では、これらのポスターはバンコク駅の鉄道博物館で展示されています。
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