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仕事をしていないのに20年間給料を全額受け取り続けた女性が会社を訴える


「働かなくても給料がもらえたら最高なのに」と頭をよぎったことがある社会人は多いはず。働いたのに賃金が支払われない給料未払いが問題になることはよくありますが、逆に働かせずに給料だけを支払い続けたのを不服としたフランスの女性が雇用主を訴えたと、現地の日刊紙・La Dépêcheが報じました。

"Des postes aménagés lui ont été proposés" : Orange répond à la salariée qui l’accuse d’être payée à ne rien faire depuis 20 ans - ladepeche.fr
https://www.ladepeche.fr/2024/06/12/info-la-depeche-une-columerine-payee-par-orange-a-ne-rien-faire-depuis-20-ans-son-employeur-sexplique-12011149.php

Paid to Stay Home: French woman sues telecom giant for 20 years of pay without work - The Economic Times
https://economictimes.indiatimes.com/jobs/hr-policies-trends/paid-to-stay-home-french-woman-sues-telecom-giant-for-20-years-of-pay-without-work/articleshow/111203029.cms

Woman Sues Company for Paying Her to Do Nothing for 20 Years
https://www.odditycentral.com/news/woman-sues-company-for-paying-her-to-do-nothing-for-20-years.html

« Je ne suis plus rien » : une employée handicapée d’Orange placardisée pendant 20 ans porte plainte contre l’entreprise - Le Parisien
https://www.leparisien.fr/faits-divers/je-ne-suis-plus-rien-une-employee-handicapee-dorange-placardisee-pendant-20-ans-porte-plainte-contre-lentreprise-12-06-2024-KMWRIDR2OZA3LEPGFKKB3S3ZEM.php

20年間給料を支払い続けた会社を訴えたのは、生まれつき片まひ(顔と手足の一部)とてんかんを持ちながらも秘書兼人事としてフランスの大手通信事業者・Orange(当時France Télécom)に採用されたLaurence Van Wassenhove氏です。

1993年にOrangeに入社した当初は、障害に配慮した仕事を割り当てられていたVan Wassenhove氏でしたが、2002年に国内の別の地域に転勤するための異動願いを出しました。


会社はVan Wassenhove氏の異動願いを受理しましたが、転属先の新しい職場はVan Wassenhove氏に合わず、産業医も「この仕事はVan Wassenhove氏には適さない」と報告していました。

しかし、Van Wassenhove氏がさらに新しい職場に転属されることはなく、2004年にはついにまったく仕事も割り当てられなくなり、Van Wassenhove氏はそれ以来出勤することも、同僚と連絡を取ることも、業務連絡のメールを受信することもなく自宅で生活しているとのこと。自閉症を持つ息子の母親でもあるVan Wassenhove氏は、自分を「employée paria(のけ者の従業員)」と呼んでいます。


しかし、Van Wassenhove氏が出勤しなくなってからも、Orangeは毎月満額の給料を支払い続けました。2015年には、Orangeによって仲裁人が任命されましたが、事態はなんら改善されず、Van Wassenhove氏に毎月Orangeから給料が振り込まれるだけの状況は変わらなかったそうです。

Van Wassenhove氏は、この待遇は自分に会社を辞めさせるよう仕向けるためものだと考えています。Van Wassenhove氏はまた、職務を果たしてもいないのに給料をもらい続けることは「モラルハラスメントであり、これが会社での孤立につながった」と主張し、やるべき仕事を失ったことで重度のうつ病になったとして、会社を訴えました。

Van Wassenhove氏はメディアのインタビューに、「働かずに家にいて給料をもらうのは特権ではありません。とても耐えがたいことです」と話しています。

以下は、弁護士のDavid Nabet-Martin(左)とVan Wassenhove氏(右)の写真です。この裁判でVan Wassenhove氏の弁護人を務めるNabet-Martin氏は「障害者にとって、働くということは社会に居場所があり、社会から認められ、社会とつながることを意味します」と話しました。


一方Orangeは、Van Wassenhove氏が可能な限り最高の条件で働けるよう手を尽くしたと主張しています。同社はまた、給料全額に加えて返金不可の補助金も支給しつつ、「適切なポジションでの職場復帰」が実現する方法を模索したものの、Van Wassenhove氏が頻繁に病欠したため、そのような選択肢を採ることが困難だったと説明しています。

Orangeは、「Van Wassenhove氏には何度か別のポストで仕事に復帰する機会が与えられましたが、復職には至らなかったので、定期の病気休暇を提供し続けています」と述べました。

これ対し、Van Wassenhove氏は「私は障害のある労働者であって、病人ではありません」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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