メモ

中東ではイスラエル空軍の関与が疑われるGPS妨害が2024年だけで5万件発生し民間機が被害を受けている


中東上空ではGPSの妨害攻撃が発生しており、民間の航空機の自動航空システムが位置情報を誤認するなどの被害が発生しています。新たに、妨害電波の分析によってGPS妨害攻撃がイスラエルによるものである可能性が濃厚となりました。

Israeli Air Base Is Linked to GPS ‘Spoofing’ Attacks - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/07/03/world/europe/an-israeli-air-base-is-a-source-of-gps-spoofing-attacks-researchers-say.html

GPSを用いた測位システムでは、軌道上の複数の人工衛星から発せられる「正確な時刻」および「衛星の位置」を受信して位置情報を割り出します。このため、「人工衛星から発せられる情報を模倣した偽物の電波」を発信すればGPS測位システムに位置情報を誤認させられます。


GPS測位システムに位置情報を誤認させる攻撃は「GPSスプーフィング」と呼ばれています。中東ではGPSスプーフィングが頻繁に確認されており、2023年にはイラン近郊を飛行する民間の航空機が位置情報を誤認して領空侵犯しかける事態が発生。また、イスラエルが同国に着陸するパイロットに対して「GPS以外の方法を使って着陸せよ」と通達していたことも報じられています。

中東上空を飛ぶ民間航空機が「想像を絶するGPS攻撃」を受けており意図しない領空侵犯などの危険にさらされている - GIGAZINE


GPSの妨害状況を確認できるウェブサービス「GPSJam」で2024年7月時点の状況を確認すると、イスラエル周辺やトルコ、イラクなどでGPS妨害が発生していることが分かります。


新たに、テキサス大学オースティン校の研究チームが「GPSスプーフィングのために発せられた電波」を分析した上で、イスラエルで収集したデータと分析結果を照合。その結果、イスラエルの空軍基地が中東周辺でGPSスプーフィングを実行していたことが判明しました。

また、別の分析では中東でのGPSスプーフィングが2024年だけで5万件以上発生していることも明らかになっており、スイス・インターナショナル・エアラインズはニューヨーク・タイムズに対して「自社の航空便が毎日のようにGPS妨害の被害に遭っている」と証言しています。

測位システムを開発するSpirent Communicationsのジェレミー・ベニントン副社長は「GPSが使えなくなったからといって航空機が墜落するわけではない」と述べつつ「安全対策が阻害されているという事実は否定できない」と述べ、危機感を示しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
中東上空を飛ぶ民間航空機が「想像を絶するGPS攻撃」を受けており意図しない領空侵犯などの危険にさらされている - GIGAZINE

地球儀を使って「地球上のどこでGPSが妨害されているか」が一目でわかるウェブサイト「GPSJam」 - GIGAZINE

GPSにジャミングがかけられている地域がわかる地図をFlightradar24が公開 - GIGAZINE

GPSの電波は超微弱 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.