ホンダが2020年代後半のEV普及期に加わる準備として2030年度までにEVへ約10兆円を投資する計画を発表
ホンダが「長期的視点で見ればEV(電気自動車)シフトは着実に進んでいくと確信している」との声明を発表し、2030年度までにEVへ約10兆円の資源投入を行う計画を明らかにしました。加えて、AI技術を用いた自動車の開発に向け、次世代の半導体やソフトウェア技術を自ら研究・開発するための覚書をIBMと締結したことも明かしました。
2024 ビジネスアップデート 説明概要~電動化に向けた取り組みの方向性と財務戦略について~ | Honda 企業情報サイト
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将来のSDV実現に向け、IBMと次世代半導体・ソフトウェア技術の長期共同研究開発に関する覚書を締結 | Honda 企業情報サイト
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2024年5月16日、ホンダが四輪自動車を中心とした自社の取り組みについて説明会を開催しました。ホンダは、2040年にグローバルでのEVおよびFCEV(燃料電池車)の販売比率を100%とする目標に変化はなく、2030年に販売比率40%の達成と200万台以上のEVを生産する計画を立てていると説明。
この目標を見据え、ホンダは「自社ならではの魅力的なEVおよびFCEVの投入」「バッテリーを中心としたEVの包括的バリューチェーンの構築」「生産技術・工場の進化」の3点を、適切なタイミングで投資判断を行いながら着実に進めていくとしています。その結果として、2030年にEV事業の売上高営業利益率を5%に到達させることを目指しているとのことです。
バッテリーについては、バッテリーを中心としたバリューチェーンの構築を行い、外部パートナーシップの強化と自前生産を模索。コスト抑制・安定調達を図り、2030年には北米で調達するバッテリーコストを現行のバッテリー比で20%以上削減するとの目標が掲げられています。
ホンダはアメリカで、2025年にLGエナジーソリューションとの合弁によるバッテリー工場を稼働開始予定。年間40GWhのバッテリーを生産するとしています。2020年代後半にはさらに領域が拡大され、原材料の調達から完成車生産、バッテリーの二次利用、リサイクルまでの全行程を含む「バッテリーを中心としたEVの垂直統合型バリューチェーン」の構築を目指していくとのことです。
EV生産においてカギとなる薄型バッテリーパックの製造ラインでは、アメリカ・オハイオ州のアンナ工場に新設するバッテリーケースの製造ラインに「6000トンクラスの高圧ダイキャストマシン、メガキャスト」を導入し、60部品を超えるバッテリーケースの構成部品数や付帯部品数を5部品に大きく削減するとのこと。
さらに、「次世代の半導体やソフトウェア技術を自ら研究・開発する力を手に入れることが重要」との共通認識に基づき、ホンダはIMBとソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の実現に向けた次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書を締結しました。
ホンダは、2030年以降にAI技術の活用が大きく加速し、モビリティにおいてもAIを用いたSDVが主流になると見込まれていることから、世界最高レベルの処理速度と省電力性能を備えたSDVの実現を目指すべく、IBMと共に半導体技術の共同研究開発を行うとのこと。
グローバル市場においては、2030年までに小型から中大型モデルまで、7モデルのEVを投入する予定であり、特に中国においては2027年までに10機種を投入する独自展開計画も実施するとのこと。日本を始めとする小型EVのニーズがある地域には、軽乗用EVモデルなど複数のモデルを順次投入していくそうです。
調査会社マークラインズによると、2023年の中国の自動車販売台数は前年比10.6%増の2600万台となっていて、中でも中国ブランドのシェアは56%と圧倒的。日本のシェアは15%程度だったとのことで、日本メーカーの参入には高い障壁があるものとみられています。
これら戦略の実現に向け、ホンダは2030年度までに約10兆円を投資するとしていますが、その内訳は以下の通りです。
・ソフトウェアディファインドモビリティ実現に向けた研究開発支出として、約2兆円
・アメリカ、カナダ、日本などでのEVの包括的バリューチェーン構築にかかる投資・出資などとして、約2兆円
・次世代のEV専用工場を含む生産領域、二輪電動化関連、四輪新機種開発支出、金型投資など、ものづくり関連費用として、開発支出3兆円、投資・出資3兆円を合わせた約6兆円
ホンダは「投資判断に際しては、EVの市場への浸透度を見定めながら、適切な投資タイミングを計り、柔軟に対応していきます」と述べました。
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