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伝説の女性飛行士アメリア・イアハートの墜落した機体を太平洋で見つけたと海洋探査チームが発表

by Tekniska museet

女性初の大西洋単独横断飛行に成功しつつも、世界一周への挑戦中に消息を絶ってから機体の残骸や遺体が発見されておらず、その行方が謎に包まれている飛行士のアメリア・イアハートの搭乗機を発見したと、調査会社が発表しました。

Amelia Earhart's plane may have crashed in the heart of the Pacific Ocean, explorer claims | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/have-we-found-sonar-evidence-of-amelia-earharts-lost-plane-not-so-fast-experts-say

Wreckage of Amelia Earhart's Lost Plane Found, Explorers Claim : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/wreckage-of-amelia-earharts-lost-plane-found-explorers-claim

Connecting the Dots
https://tighar.org/Projects/Earhart/Archives/Research/Bulletins/56_WhereIsElectra/56_where3.htm

サウスカロライナ州に本拠を置く海洋調査会社のDeep Sea Vision(DSV)は2024年1月27日に、太平洋にあるハウランド島沖約100マイル(約160キロメートル)の海底でイアハートとナビゲーターのフレッド・ヌーナンが乗っていたロッキード・エレクトラ10Eと思われる機体を捉えた水中ソナー画像を公開しました。


DSVのCEOで自身も元飛行士だというトニー・ロメオ氏は、「イアハートの搭乗機の最もユニークかつ重要な特徴の1つは、尾翼にある特徴的な双垂直尾翼です。ソナーの画像には、その2つの垂直尾翼がある場所から2つの強いエコーのようなものが出ているのが示されています」と話しました。


また、機体が原形をとどめているように見えることから、ロメオ氏は「私たちは、イアハートが飛行機を海面に静かに着水させるためにあらゆる試みを行っただろうと考えており、ソナー画像に見られる飛行機の痕跡は実際にそうだった可能性を示唆しています」とも指摘しています。

発表によると、DSVの探査チームは太平洋の海底5200平方マイル(約1万3500平方km)の捜索に90日間を費やしており、これはこれまでに実施された捜索を合わせたものより大規模だとのこと。

by SDASM Archives

1932年に女性初の単独大西洋横断飛行で名声を博したイアハートは、女性初の世界一周飛行を目指して1937年5月20日にカリフォルニア州オークランドから飛び立ちましたが、太平洋上での通信を最後に消息を絶ちました。

その後の足取りについては諸説ありますが、ロメオ氏は「今回の発見は元NASA職員のリズ・スミス氏が2010年に提唱した、いわゆる『日付変更線説』の応用によるもの」としています。

この説は、ナビゲーターを務めていたヌーナンが日付変更線の上を飛行する際にカレンダーを1日戻すのを忘れ、その結果星を目印にした航法の計算に狂いが生じ、西に60マイル(約100km)の誤差が発生したというものです。

by Brecht Bug

一部の専門家は、今回発表された水中ソナー画像がイアハートの搭乗機である可能性は十分あるとしていますが、この見解に異議を唱える専門家もいます。例えば、歴史的な航空機を回収している国際的なグループ(The International Group for Historic Aircraft Recovery:TIGHAR)は、イアハートが太平洋に位置するキリバス共和国の島に漂着し、その島で暮らした後に死亡したと考えています。

TIGHARはサイエンス系ニュースサイト・Live Scienceに、「ロッキード・エレクトラ10Eは、キャビンを貫きエンジンからもう片方のエンジンまで伸びる巨大な『メインビーム』を特徴とする大変強固な中央セクションを中心に構築されました。一方、ソナー画像の機体は翼が後方に折れ曲がっており、イアハートの飛行機がこのような形になるには中央セクション全体が翼と胴体の接合部で破損する必要がありますが、それはあり得ません」と話しました。

以下の写真は、TIGHARが指摘しているイアハートの搭乗機の「メインビーム」を撮影したものです。


これに対し、ロメオ氏は「ソナーのデータは、対象が遠ければ遠いほど引き延ばされて見えることに注意が必要で、翼が引き延ばされたり、湾曲したりしているように見えるのもそのせいです。これは尾翼も同様で、尾翼と翼の両方をまっすぐにすれば、ソナー画像の機体はイアハートのロッキード・エレクトラ10Eにそっくりです」と反論しました。

DSVは水中を探査できる自律型無人探査機を保有していますが、今回発表したソナー画像のデータを見つけたのはデータの取得から2カ月後のことで、そのときには既に発見地点に引き返すことはできなくなっていたとのこと。そのため、DSVはまだ確証を得るための証拠写真などを撮影できていません。

DSVは、当面の間正確な発見場所を機密とし、今後さらなる捜索を行う予定としています。

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in 乗り物, Posted by log1l_ks

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