1年に1回だけ買えるヒガシマル醤油の限定高級醤油「龍野乃刻」を手に入れたので刺身やお肉につけヒガシマルの他の醤油と比べてみたよレビュー
醤油やうどんスープなどで有名なヒガシマル醤油が1年ごとに限定販売している醤油が「龍野乃刻(たつののとき)」です。龍野乃刻は大豆から小麦、米、塩、水にいたるまで選び抜かれた食材が使われているほか、製造過程で甘酒を2回に分けて仕込む「甘酒二段仕込み」という製法で作られているとのこと。そんな龍野乃刻を買うことに成功したので、特殊な製法が作られた限定醤油が一体どんな味に仕上がっているのか確かめるべく刺身やお肉などと合わせて食べてみました。
ヒガシマル醤油 通信販売 / 龍野乃刻
https://shop.higashimaru.co.jp/products/list?category_id=22
龍野乃刻のパッケージはこんな感じ。龍野乃刻は2本入りと6本入りがありますが、今回は6本入りを買いました。
龍野乃刻は1本ずつ箱に入っていました。
箱の側面には名称や原材料名が記されています。原材料は米、食塩、大豆、小麦、小麦たんぱく。そしてことごとくが「播磨産」。ヒガシマル醤油の本拠地となっている兵庫の播磨にこだわっていることがわかります。
塩分は15ml当たり2.6gでした。
スーパーで売っているヒガシマル醤油と違い、龍野乃刻はペットボトル容器ではなくガラス瓶。
裏側には賞味期限ラベルが貼られていました。
そのまま少し味見してみると、塩辛さとともに、わずかな甘さやうま味も感じられます。食感はサラッとしており、一般的なうすくち醤油と似た感じ。「トロトロしてる」とか「もろみが入ってる」といった特別な要素はなく、割と普通のうすくち醤油。
龍野乃刻の味が他の醤油と見分けられるのか否か確かめるべく、同じヒガシマル醤油の「超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇」や「国産丸大豆うすくち」と味を比べてみます。15ml当たりの塩分は龍野乃刻が2.6g、超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇が2.5g、国産丸大豆うすくちが2.8g。なお、今回出てくる醤油はすべて開栓してすぐのものばかりで、近所のスーパーを巡って最も賞味期限などが遠くに設定されているものを選んで買ってきています。
どれがどの醤油なのか隠した状態で複数の編集部員に試食させたところ、「優劣はつけがたいが、味の違いはハッキリ感じる」「明らかに塩分の濃さが違う」「ひとつだけ、お酒のような味のする醤油がある」といった感想が得られました。
龍野乃刻と他の醤油の違いを比べるべく、魚や肉をたくさん買ってきました。比較する醤油は「龍野乃刻」「超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇」「国産丸大豆うすくち」「牡蠣だし醤油」「昆布だし醤油 塩分ハーフ」の5種類です。
まずは、さけとろ、ぶりとろ、まぐろ、鯛、ほたて貝柱、甘えびを刺身で食べてみます。
さけとろの場合、だし醤油以外の3種は味の違いがあまり分かりませんでした。さけとろそのものの味が強いため、醤油は塩分を補う役割として後ろに隠れている印象です。
ぶりとろは脂が多いからか、醤油の発酵食品的な独特の風味が強調され、醤油同士の違いが分かりやすくなります。龍野乃刻は超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇や国産丸大豆うすくちと比べて角が取れた丸い味といった印象。
まぐろに醤油をつけて食べ比べると、醤油の塩分濃度の違いが顕著になりました。龍野乃刻は塩分濃度が濃すぎず薄すぎずちょうどいい具合。一方で国産丸大豆うすくちは塩辛く感じました。
鯛もまぐろと同様に醤油の塩分濃度の違いが明確にでます。編集部員の多くは「龍野乃刻が一番合う」と述べていました。
甘えびは脂が少なく甘味が強いため、塩加減によって味の印象が大きく変化します。甘えびでも「龍野乃刻がちょうどいい塩加減」という意見が多数でした。
ほたての貝柱も甘えびと同様に「脂少なめ・甘味強め」という味わい。このため醤油との相性も似たような感じで、龍野乃刻の適度な塩加減が好相性です。
今度は牛肉との相性を確かめます。
公式サイトでもレシピに載っていたのでまずはカルビから焼きます。
完成。
カルビはかなり脂が多く、肉の味も濃いめ。醤油につけて食べるとアッサリした味で楽しめます。しかし、あまりにもカルビの味が濃いため、「龍野乃刻」「超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇」「国産丸大豆うすくち」の3種の違いはほとんど分かりませんでした。一方で「牡蠣だし醤油」や「昆布だし醤油 塩分ハーフ」はそれぞれの味が分かりやすく、焼肉のたれのようにたっぷりつける用途に向いてると感じました。
もも肉はカルビと比べて脂が少なめ。このため醤油の味がよく分かります。編集部員からは「龍野乃刻は塩分がちょうどいい。国産丸大豆うすくちは塩分が濃すぎる」といった感想が得られました。実際の塩分とは関係なく、あくまでも食べたときの塩のインパクトで「塩分が濃い」という印象を持つわけです。
ヒレステーキはレアに仕上げました。醤油につけて食べると肉の甘さが強調されます。超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇は栄養成分表示では塩分が3種の醤油の中で最も少ないのですが、ステーキにつけて食べるとなぜか塩分が濃く感じました。
ローストビーフにも醤油を付けてみます。
ローストビーフは最初から塩やこしょうで味付けされており、醤油を付けると「元から味が濃いところに塩分を足している」というあまり嬉しくない状態になりました。牡蠣だし醤油や昆布だし醤油 塩分ハーフをにつけた場合は甘口になってすき焼きのような味わいに変化します。
最後に卵かけご飯に醤油をかけて食べてみます。
よく混ぜてから試食。
卵かけご飯は味が非常にシンプルなため、醤油による味の違いがはっきりと分かります。龍野乃刻は塩辛いだけでなくうま味も強く感じられるのが特徴的でした。
編集部員4人でそれぞれ組み合わせていって味を見ていったのですが、基本的な傾向として「うすくち醤油は色が薄く塩分が多い」と言われているその真の意味を理解できました。「ここまで醤油としての味を濃く感じるとは……」というのがあり、この醤油の味について、基本的に九州の甘い醤油になれている編集部員は「しおからすぎる」というようになり、逆に普段からこいくち醤油をバリバリ使いまくっている編集部員は「醤油の香りが立っている」となり、さらに別の編集部員は「ちょっとでかなり醤油の味がするので、こいくち醤油のノリで使うと本当に塩辛くなりすぎる。あくまでもこれにダシなどを加えて料理するのに向いている」「焼きおにぎりの表面に塗るとよさそう」というような感じで、かなり意見が分かれるものの、共通事項として「使う分量が非常にシビア」だというのがわかりました。ヒガシマル醤油のスーパーで売っている系だと少しずつ入れることができるものの、今回の龍野乃刻はガラス瓶でドバッと入ってしまうため、高級感は失われるものの、普段のヒガシマル醤油と同じ容器の方がよさげ。ただ、こいくち醤油とはまったく違うというのが実感できる味。よく創作の料理作品で出てくるところの「通はちょっとだけ付けて味わう」みたいなのがこの龍野乃刻をはじめとするヒガシマル醤油にはすべて共通事項として存在するように感じます。とにかく通常のヒガシマル醤油のうすくち醤油系列は割とピーキーなつくりになっているのに対し、今回の龍野乃刻は「割とまんべんなく合うようにできている」のが特徴。味の濃い素材、脂のノリまくっている素材、そういうものと正面からぶつかっても負けない割に、言うほど濃いわけでもなく、うまく素材を引き立てるという感じ。ただし使いすぎるとあっという間に醤油の味にすべてが塗りつぶされるので、きちんと味見しながら最適な量を探るべきで、いろいろな料理にこそ積極的に使う方が良いというのが総評です。このあたりはさすが「うどんスープ」を作っているだけのことはあります。
というわけで「龍野乃刻」は以下のページから予約注文可能なのですが、2024年の予約は6月1日から受付開始予定。実際に2023年に予約した際には公式サイトで会員登録して発注後、そのまましばらくは発送したという連絡も何も無く「注文通ったのか……?」と疑問に思っているとある日突然届き、箱の中にお値段分の振込用紙が同梱されていた、という流れでした。
ヒガシマル醤油 通信販売 / 龍野乃刻
https://shop.higashimaru.co.jp/products/list?category_id=22
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