テスラがEVの販売台数でついにトップの座を中国のBYDに譲る

電気自動車(EV)メーカーのテスラが2023年第4四半期(10～12月)の車両生産台数および納車台数を発表しました。これによりテスラの2023年の納車台数および生産台数が明らかになったわけですが、中国の競合メーカーであるBYDに後れを取ったことも明らかになっています。

Musk's Tesla Falls Behind China's BYD in Quarterly Electric Car Sales - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-01-02/tesla-falls-behind-byd-in-quarterly-ev-sales-as-growth-slows

Tesla Vehicle Production & Deliveries and Date for Financial Results & Webcast for Fourth Quarter 2023 | Tesla Investor Relations
https://ir.tesla.com/press-release/tesla-vehicle-production-deliveries-and-date-financial-results-webcast-fourth-quarter-2023

テスラは2023年第4四半期(10～12月)に、約49万5000台の車両を生産し、48万4507台の車両を納車したと発表しました。この数字はアナリストの予測(48万3173台)を上回るものです。これにより、テスラが2023年に納車した車両の合計台数は181万台(前年比38％増)となり、総生産台数は185万台(前年比35％増)となりました。

一方で、中国の電気自動車(EV)メーカーのBYDは、2023年第4四半期に52万6409台のEVを販売したと報告しています。これにより、BYDはテスラに代わり2023年第4四半期にEV市場で最も多くの車両を販売したメーカーとなりました。なお、BYDの好調の原動力となったのは、低価格帯モデルのラインナップの広さだとBloombergは指摘しています。

テスラとBYDの四半期ごとのEV販売台数の推移をまとめたグラフが以下。2023年第3四半期の時点で販売台数はほぼ同等レベルに達していた模様。

テスラは「年間180万台」という当初の目標を上回ったものの、同社のイーロン・マスクCEOはより多くの納車を目指していた模様。テスラは2023年にEVの値下げも実施し年間納車台数を伸ばそうとしましたが、「納車台数を大きく伸ばすほど大きな需要を呼び起こすことはできなかった」というのがBloombergの見解です。

EV市場でテスラを追い抜いてトップに立ったBYDおよび中国の自動車産業について、Bloombergは「EV市場での変動は、自動車産業全体における中国の影響力の増大を反映しています。中国はここ数年、アメリカ・韓国・ドイツを上回り、2023年には日本を追い越して世界最大の乗用車輸出国になる可能性があります」と指摘しています。

四半期ごとのEV販売(納車)台数でついにBYDに追い抜かれたテスラですが、BYDよりも多くの売上および利益を生み出しています。これはテスラがはるかに高価格の車両を販売しているためです。テスラの売上の大部分を占めているのはモデルYとモデル3の2モデルで、テスラが2023年第4四半期に納入した車両のうち、モデル3とモデルYが占める割合は95％にもおよびます。

なお、テスラはモデルYとモデル3の他に、モデルSやモデルX、さらに2023年11月30日にはCybertruckの納車を開始しました。

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テスラは地域ごと四半期ごとの自動車の販売台数を公表していませんが、アメリカと中国が同社にとって最大の市場となっているとBloombergは指摘しました。なお、テスラはモデルS/X/3/Yをカリフォルニア州フリーモントで、モデル3/Yを上海で、モデルYをオースティンとベルリン郊外の工場で製造しています。