ハードウェア

Macに接続したBluetoothヘッドセットで音質が悪い原因と修正する方法


MacでBluetoothヘッドセットを使うと、なぜか音質が大きく劣化したり、プツプツとノイズが混じったりすることがあります。なぜMacにBluetoothヘッドセットを接続すると音質が下がるのかについて、Mac用のオーディオ設定アプリ「Recadio」を開発するダニエル・ゴンザレス・レイナ氏が解説しています。

Why Is Bluetooth Sound Quality Bad on My Mac
https://www.recadio.com/blog/why-is-bluetooth-sound-quality-bad-on-my-mac

AppleはBluetoothヘッドセットを使う場合に音質が低下する可能性に言及しており、以下のようなページを用意しています。

Mac で Bluetooth ヘッドフォンの使用時に音質が低下する場合 - Apple サポート (日本)
https://support.apple.com/ja-jp/102217

この中で、AppleはBluetoothヘッドセットを使うと音質と音量が低下する理由について、このように解説しています。

こうした現象が起きるのは、Bluetooth に 2 つのモードがあるせいです。
・1つは高音質でオーディオを聴くためのモード、
・もう1つはマイクで聴く/話すを両立させるモードです。Bluetooth が2つ目のモードに切り替わると、マイクが使われなくなるまで、音質は下がります。


ここで、レイナ氏はBluetoothプロファイルの概念について解説。BluetoothプロファイルとはBluetoothを接続するために使われるルールのようなもので、さまざまな種類が存在します。ここで重要になるのは、音楽をストリーミングするためのAdvanced Audio Distribution Profile (A2DP)と、ハンズフリーで通話に応答するためのHands Free Profile(HFP)の2種類です。

Appleの言う「高音質でオーディオを聴くためのモード」がA2DPで、「マイクで聴く/話すを両立させるモード」がHFPです。A2DPではあるデバイスから別のデバイスへの音声ストリーミングが1方向にのみ許可されますが、HFPでは会話が主体になるので双方向に許可されます。MacでBluetoothヘッドセットに接続すると、A2DPではなくHFPで接続されることになります。


しかし、音質を優先するA2DPと異なり、HFPで使われるオーディオコーデックは音質よりも低遅延を重視するものが採用されています。記事作成時点ではもっと音質のいいコーデックが存在するのですが、AppleはHFPにSBCコーデックを採用しています。そのため、Macに接続したBluetoothヘッドセットで音声を聞くと、プツプツとノイズが混じったり音質が劣化したりするというわけ。

つまり、MacにBluetoothヘッドセットを接続する時、HFPではなくA2DPで接続するように設定すればよく、そのためにはMacがBluetoothヘッドセットのマイクを使用できないようにすればOK。しかし、Macでマイクを使用不能に設定する方法はないため、手動でオーディオ設定をその都度修正するか、Recadioのようなオーディオ設定アプリを使うべきだとレイナ氏は述べています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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