ハードウェア

SanDiskのSSDで発生したデータ消失は設計と構造上の欠陥によるものとデータ復旧業者が指摘


2023年5月ごろから報告されている、SanDiskのSSDでデータが突然消失するという事案について、データ復旧業者・Attingoがファームウェアの問題などではなく、そもそも設計と構造に問題があると指摘しています。

Kaputte SanDisk SSDs: Jetzt wurde die Ursache gefunden
https://futurezone.at/produkte/sandisk-ssd-ausfaelle-western-digital-attingo-datenrettung-problem-hardware/402664391


SanDisk Extreme Pro Failures Result From Design and Manufacturing Flaws, Says Data Recovery Firm | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/sandisk-extreme-pro-failures-are-due-to-design-flaw

問題となっているのは、SanDiskのポータブルSSD「Extreme Pro」と「Extreme Pro V2」でデータが突然消えたり、SSDそのものが使用不可能になったりすることです。報告を受けたSanDiskは、4TBモデルで問題が発生していることを認め、ファームウェアアップデートの配信を約束しました。ただし、2TBモデルと3TBモデルでも同様の問題が発生していますが、こちらは黙殺された形になっていました。

SanDiskのSSDで「データが突然消える」などの症状が報告される - GIGAZINE

by mukesh kumar

しかし、データ復旧会社・Attingoのマルクス・ハーフェレ氏はニュースサイト・futurezoneの取材に対し「ファームウェアの問題ではなく、設計や構造の問題です」と答えています。25年にわたりデータ復旧事業を行っているというAttingoには、少なくとも週に1件というペースでExtreme Proが届くとのこと。

ハーフェレ氏が指摘するのは当該SSDのはんだ付けプロセス全体の問題です。


まず、回路基板にコンポーネントを取り付けるにあたって行っているはんだ付け時に気泡が入り、はんだが取れやすくなっているとのこと。また、コンポーネントが基板上で意図されたレイアウトに対して大きいため、取り付け位置が高くなり、本来であればコンポーネントと接するべきパッド部分との接触がわずかになって、結果、はんだの接合部分がちょっとしたことで壊れて外れてしまう状態になっているそうです。

Attingoが示した、問題のSSDの様子がコレ。はんだが白く泡立っている様子がわかります。ハーフェレ氏は、作業環境の温度や湿度の問題のほかに、そもそもはんだの品質が低い可能性も挙げています。


なお、この件についてfuturezoneが製造元のWestern Digitalに問い合わせたところ「2023年春に、当該モデルに問題があることを認識し、問題を修正したファームウェアアップデートを配信しました」との回答があり、設計上の不備については返答がなかったとのことです。

ハーフェレ氏は、不備のある部分にエポキシ樹脂を追加してしっかり固定されている改良版モデルが出てきていることから、Western Digitalは設計・構造の不備を認識していると指摘しています。

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in ハードウェア, Posted by logc_nt

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