メモ

国防の名目でゴミ箱1つに530万円もの税金が費やされていたことが判明


アメリカのシンクタンク・クインシー研究所の調査により、国防総省が契約を結んだ民間企業が供給品の価格を不当につり上げて、国防総省に高額の支払いを行わせていたことが明らかになりました。

The Pentagon’s $52,000 trash can - Responsible Statecraft
https://responsiblestatecraft.org/2023/06/20/the-pentagons-52000-trash-can/


クインシー研究所のオンラインマガジン・Responsible Statecraftによると、国防総省の大手取引先のひとつであるボーイングが価格を不当につり上げて日用品を販売していたとのこと。これにより、国防総省は2020年にただのゴミ箱4個に20万ドル(約2900万円)を、翌2021年には11個のゴミ箱に対してそれぞれ3万6640ドル(約530万円)を支払うことになり、ゴミ箱だけで支出が40万ドル(約5700万円)を超えてしまったそうです。

別のケースでは、ロッキード・マーティンがP-3機用のコンジットと呼ばれる電線管の価格を14倍にもつり上げ、2008年から2015年の間に国防総省に13万3000ドル(約1900万円)の追加費用を負担させていたとも伝えられています。また、製品販売代理店のジャマイカ・ベアリングスはかつて1個350ドル(約5万円)だった無線フィルターを2022年には1個あたり4万9000ドル(約700万円)近くで国防総省に販売していたことも判明。こうした価格の不当なつり上げが、国防総省の無用な支出の増加、ひいては納税者の負担増加につながっているとResponsible Statecraftは指摘しました。

ドキュメンタリー番組・60ミニッツが行った以前の調査では、ボーイングが地対空ミサイルシステムのMIM-104 パトリオットに5億ドル(約710億円)以上の費用を過大に請求していたケースなど、兵器産業において複数の価格つり上げが横行していることが浮き彫りになっています。60ミニッツの調査に端を発し、超党派の上院議員グループは国防総省に対して業者による価格つり上げの疑惑を調査するよう求めています。

by Kelly Michals

こうした価格つり上げの疑いについて、ボーイングはコメントを拒否。ロッキード・マーティンは60ミニッツの取材に対して「国防総省とは誠実に交渉しており、政府への販売は連邦調達規則およびその他すべての適用法を順守している」と述べたとのこと。

Responsible Statecraftによると、バイデン政権が要求する8420億ドル(約12兆円)の国防総省予算の約半分はこうした請負業者に支払われており、2022年には軍事費のおよそ30%がレイセオン、ボーイング、ロッキード・マーティン、ゼネラル・ダイナミクス、ノースロップ・グラマンの「ビッグ5」兵器メーカーに支払われています。専門家によれば、1990年代には国防総省の「プライム」と呼ばれる請負業者は50社以上あったものの、2023年時点ではわずか5社に減少してしまい、企業同士の競争がなくなったために価格つり上げが進行してしまったそうです。


Responsible Statecraftは「ゴミ箱の例は、請負業者が部品や兵器システムの費用を過剰に請求する事例のほんの一部に過ぎず、ただ軍の即応性を低下させ、支出を増加させる行為である」と非難しました。

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in Posted by log1p_kr

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