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ニセ神父を雇って従業員に「罪の告白」をさせたレストランに約2000万円の罰金が言い渡される


アメリカ・カリフォルニア州のレストランが、従業員の自白を引き出すために神父を名乗る人物を雇ったとして、未払い賃金および従業員への損害賠償として14万ドル(約1980万円)の支払いを命じられました。捜査を行った労働当局は、自称神父を利用して従業員に職場での「罪」を告白させようとした試みを、「最も恥知らずな腐敗」と非難しています。

Employee testifies restaurants offered priest to extract confessions of workplace ‘sins;’ federal court orders payment of $140K to 35 workers | U.S. Department of Labor
https://www.dol.gov/newsroom/releases/whd/whd20230612-0

California restaurant had fake priest hear workers’ confessions, Labor Department says | Catholic News Agency
https://www.catholicnewsagency.com/news/254594/california-restaurant-had-a-fake-priest-hear-workers-confessions-labor-department-says

A restaurant must pay workers $140,000 after allegedly hiring a fake priest to extract confessions of workers' 'sins' | CNN Business
https://edition.cnn.com/2023/06/20/business/california-restaurant-fake-priest-fine/index.html

今回、労働基準法違反により罰金の支払いを命じられたのは、カリフォルニア州北部でタケリア・ガリバルディというレストランを3店経営するチェ・ガリバルディです。同社のレストランで働く従業員は、アメリカ労働省が起こした訴訟で、「雇用主が勤務時間中に神父を名乗る人物と面談するよう提案した」と証言しました。


従業員の話によると、自称神父は従業員に「罪を吐き出しなさい」と促し、雇用主から物を盗んだか、遅刻をしたか、雇用主に危害を加えるようなことをしたか、雇用主に悪意を持っているかなどを尋ねたとのこと。

カトリック教徒の従業員の多くが提案に応じて神父と面談しましたが、通常の懺悔(ざんげ)とは異なり仕事の話しかしなかったので、違和感を覚えたと従業員は述べています。


この裁判は、チェ・ガリバルディが週40時間以上働いた従業員に時間外手当を支払っていなかったことが、労働省の調査で発覚したのを受けてのものです。調査では他にも、雇用主が従業員用のチッププールから違法に管理職への給料を出していたことや、労働省の調査に協力した従業員を入国管理上の不利益を受けると脅したこと、当局に苦情を訴えたと思われる従業員1人を解雇していたことなども判明しました。

店の経営者が自称神父を連れてきた2022年11月当時、すでに店に対する労働当局の調査が始まっていたことから、この神父の懺悔室が開かれたのは調査をかく乱し、調査に協力した従業員に報復することを目的としたものだとされています。

労働当局は、店のマネージャーが「移民局の調査によって移民問題が提起されるだろう」と虚偽の主張をしたことなどを指摘した上で、「雇用主が重要員に行った卑劣な報復の試みは、労働者を黙らせ、調査を妨害し、未払い賃金の回収を阻止することを意図していたものでした」と非難しました。


自称神父の正体が何者なのかは明かされていません。レストランがある地域を管轄するカトリック教会のカリフォルニア州サクラメント教区は、「私たちの調査では、この件で神父とされている人物とサクラメント教区との間のつながりを示す、いかなる証拠も見つかりませんでした。問題の人物が誰なのかはわかりませんが、その人物は間違いなくサクラメント教区の神父ではないと確信しています」とコメントしています。

2023年5月8日の判決で、カリフォルニア州東部地区連邦地方裁判所のウィリアム・B・シャブ判事は、チェ・ガリバルディのオーナーと経営者3人に対し、従業員35人に未払い賃金7万ドル(約990万円)と同額の損害賠償金、合わせて14万ドルを支払うことを命じました。これとは別に、店には5000ドル(約70万円)の罰金も言い渡されました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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