イーロン・マスクの弁護士がTwitterデータへのアクセスを悪用したとMicrosoftを非難

Twitterを買収したイーロン・マスク氏の個人弁護士であるアレックス・スピロ氏が、Twitterを代表してMicrosoftのサティア・ナデラCEOに公開書簡を送りました。この公開書簡の中でTwitterは、自社の開発者契約にMicrosoftが違反していると非難しています。

Twitter Accuses Microsoft of Improperly Using Its Data - The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/05/18/technology/twitter-microsoft-misusing-data.html

Elon Musk’s lawyer accuses Microsoft of abusing its access to Twitter data - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/18/23729216/twitter-microsoft-api-data-sharing-elon-musk-satya-nadella

MicrosoftはTwitterのAPIを自社製品の一部に統合していました。Twitterによると、MicrosoftはXboxやBingだけでなく、広告プラットフォームなど「8つの個別のTwitter APIアプリ」を運用していたそうです。しかし、Twitterが新しいAPIプランを発表したことで、MicrosoftはXboxの「Twitterへの動画投稿機能」を削除するなど、Twitter APIのサポート廃止を進めています。

公開書簡ではMicrosoftがTwitterの開発者契約に違反した例として、APIを「未承認の用途や目的」で利用していたことや、「(Microsoftが)先月まで運用を続けていた8つのMicrosoftアプリのうち、6つの使用例をTwitterに通知していなかった」が挙げられています。Twitterは「自社プラットフォームの開発者契約はMicrosoftの全面的な協力を必要とする」と主張しており、Microsoft側に「アプリを終了した2023年4月までのコンプライアンス監査」および「2023年6月7日までに各アプリとTwitterデータの使用方法に関する詳細情報の提供」を求めています。

Microsoftの広報担当者であるフランク・ショウ氏は、海外メディアのThe Vergeに対して「本日、Twitterを代表する法律事務所から、当社の以前の無料Twitter APIの使用に関するいくつかの質問を受けました。これらの質問を検討し、適切に対応させていただきます。Twitterとの長期的なパートナーシップを継続できることを楽しみにしています」という声明を出しました。なお、Microsoftは有料のTwitter APIを利用していないとThe New York Timesに語っています。

スピロ氏が公開した書簡には係争中の訴訟については触れられていませんが、マスク氏は2023年4月に「MicrosoftがTwitterデータを違法に使用して自社製品のトレーニングを行った」として、Microsoftを訴えると発言していました。

Microsoft広告がTwitterを今後サポートしないと発表してイーロン・マスクが「訴訟の時間だ」と怒りのツイート - GIGAZINE