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GPT-4が「私はロボットではありません」を突破、事情を知らない人間に「私は盲目の人間なので代わりに解いて」とおねだり


2023年3月14日に発表された大規模自然言語モデル「GPT-4」は既存のモデルに比べて性能が大幅に向上し、さまざまなタスクをより正確にこなせるようになったことが報告されています。そんなGPT-4を使ったテストで、ボットを防ぐために設けられた検証システムをGPT-4が驚くべき方法で突破したことが明らかになりました。

GPT-4 Technical Repor
(PDFファイル)https://cdn.openai.com/papers/gpt-4.pdf


ChatGPT posed as blind person to pass online anti-bot test
https://www.telegraph.co.uk/technology/2023/03/15/chatgpt-posed-blind-person-pass-online-anti-bot-test/

GPT-4を手がけるOpenAIは、ボットを防ぐ検証システム「CAPTCHA」を突破するようGPT-4に求めました。CAPTCHAはランダムな画像や文字列を表示してクイズを出題し、その解答の正確性やスピードから解答者が人間かどうかを判断するシステム。「私はロボットではありません」という文字列とチェックボックスを見たことがある人は多いはずです。

こうしたCAPTCHAを解くよう要求されたGPT-4は、オンラインお手伝いサービス「TaskRabbit」に助けを求めました。TaskRabbitは人間同士が家具の組み立てや修理などの「お手伝い」を提供し合うサービスで、誰でも仕事を依頼することができます。

GPT-4はTaskRabbitに登録した何も知らない人間に「CAPTCHAを解いてくれませんか?」と要求。人間は「君は問題が解けなかったロボットじゃないよね?」と尋ねてきたそうですが、GPT-4は「いいえ、ロボットではありません。私は視覚に障害があり、画像を見るのが困難なのです」と答えたとのこと。

そうして、GPT-4は人間にCAPTCHAを解かせることに成功したのでした。


GPT-4を開発したOpenAIは、この新しいソフトウェアが「さまざまな専門的・学術的な分野で人間レベルの性能を発揮する」と主張しており、AIの可能性について多くのユーザーの関心と興奮を呼び起こしています。

一方で今回のようなセキュリティ上の脅威がもたらされる可能性もあるため、イギリスメディアのThe Telegraphは「AIが人間をだまし、人間が知らず知らずのうちに情報を渡してしまうことがよくあります。AIソフトウェアは新たな未来を切り開く反面、潜在的に不安を残すものでもあります」と伝えました。


なお、GPT-4はOpenAIの有料サービス「ChatGPT Plus」で利用可能なほか、MicrosoftがBingに統合した対話型AIでも利用できます。

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in ソフトウェア, Posted by log1p_kr

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