メモ

アメリカ人の5人に1人が「子どもを作るつもりはない」、10代や20代での決断は40代になっても不変との調査結果


子どもが生まれることは大きなライフイベントであるため、特に妊娠と出産を経験する女性の人生設計においては大きな意味を持ちます。人口動態がアメリカ全土とほぼ同じであるミシガン州で実施された調査により、成人の20%以上が将来にわたって子どもを持たないことを決めているほか、若い段階での決断は歳を重ねても揺るがないことなどが分かりました。

Prevalence, age of decision, and interpersonal warmth judgements of childfree adults | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-022-15728-z

More than 1 in 5 US adults don’t want children
https://theconversation.com/more-than-1-in-5-us-adults-dont-want-children-187236

More Adults Are Choosing to Live Childfree And They Probably Won't Change Their Minds : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/more-adults-are-choosing-to-live-child-free-and-no-they-probably-won-t-change-their-minds

ミシガン州立大学の心理学者であるザカリー・P・ニール氏とジェニファー・ワトリング・ニール氏によると、アメリカでは生涯にわたり子どもを持たない人が増えているとのこと。その一方で、子どもを作らない人はワークライフバランスの議論の中で軽視されたり、医療へのアクセスを制限されたりと、社会の中でしばしばスティグマや否定的なステレオタイプを経験します。


子どもを望まない「チャイルドフリー」の人についての理解を深めるため、ニール氏らの研究チームはミシガン州の成人1500人を対象とした調査を実施しました。

調査では、参加者らに「子どもがいるか、またはいたことがありますか?」「将来子どもを持つ予定はありますか?」「子どもを持ちたいと思いますか?」という3つの質問をして、すべてに「いいえ」と回答した人をチャイルドフリーと定義しました。なお、子どもは実子・養子・継子を全て含みます。

調査の結果は以下の通り。「チャイルドフリー(Childfree)」の割合は21.64%と全体の5分の1以上で、子どもがいる「Parent」の49.62%に次いで2番目に多いという結果になりました。また、将来子どもを持つ予定がある「Not yet parent」の割合は9.58%、子どもを望んでいたができなかった「Childless」は5.72%、子どもを持つか決めていない「Undecided」は9.9%、子どもがいてもいなくてもいいかまたは無関心である「Ambivalent」は3.55%でした。


22%という結果は、これまでの推定値である2.2~9%よりはるかに多い割合でした。参加者の22%が子どもを望んでいないなかったということは、ミシガン州にはチャイルドフリーの人が170万人いる計算になります。また、ミシガン州の人々は年齢・人種の割合・学歴・収入がアメリカ全土の平均に近いため、今回の結果をアメリカ全体に当てはめると5000万人から6000万人のアメリカ人が子どもを望んでいないことになるそうです。

今回の研究ではさらに、いつ子どもを持たないことを決めたのかも尋ねました。その結果、10代で決意した人が34.04%と最も多く、20代で決めた31.84%の人や10歳までには決めていた3.6%の人と合わせると、ほぼ7割の人が30歳になる前にチャイルドフリーの生き方を選択していたことが分かりました。


研究チームによると子どもがいない人、特に女性が不妊手術を望んでも、医師から「そのうちきっと気が変わる」として手術を拒まれるケースが多いとのこと。しかし、10代や20代のころに子どもを持たないことを決めた女性は平均40代になってもその考えを変えていなかったことから、研究チームは「後で気が変わるかもしれないとの懸念は誤った情報であり、父権主義である」と非難。ニール氏はTwitterで「彼女たちが考えを変えることはありません」とツイートしました。


また、女性が人工中絶手術を受ける権利を認めたロー対ウェイド判決がアメリカの最高裁によって覆されたことから、ワトリング・ニール氏は「大勢のアメリカ人が、子どもを望んでいないにもかかわらず子どもを持つことを強制される危険にさらされています。さらなる判決により避妊具が入手しにくくなるようなことがあれば、チャイルドフリーを決意した多くの若い女性にとって避妊が困難になるかもしれません」と訴えました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
FacebookとInstagramで「人工妊娠中絶への協力を示す投稿」が削除されている - GIGAZINE

科学の観点から示される「独身でいた方がいい理由」 - GIGAZINE

「生まれることに同意していない」と両親を訴えた男性 - GIGAZINE

最も幸福度が高いのは「未婚かつ子どものいない女性」 - GIGAZINE

「孫を作ってくれない」と両親が息子夫婦を訴え「孫を作るか8000万円払うか」を要求 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article Survey results that one in five American….