手数料無料で自サイトを売ることができる「ラッコM&A」、一体どんなサイトが売買されているのか&実際にサイトの自動査定をやってみた
ECサイトを購入して自分で通販サイトを始めたり、休眠しているブログやSNSアカウントを手数料無料で売却してお金をもらったりすることが可能になっているのが売買案件の掲載数と成約数が国内No.1のサイト売買プラットフォーム「ラッコM&A」。契約書の自動生成や弁護士との無料相談チャットなどでオンライン完結の売買ができるとのことなので、どんなサイトやアカウントなどが売り買いされているのか見たり、実際にサイトの自動査定をやったりしてみました。
サイト売買のラッコM&A | 2022年成約数No.1+売却手数料無料
https://rakkoma.com/
・目次
◆1:「ラッコM&A」で速攻オファーが入った人気の趣味系サイトをチェック
◆2:見るだけでも面白い「アカウント案件」をピックアップ
◆3:ソースコードやデータベース込みで丸ごと売っている「スマートフォンアプリ」を発見
◆4:そもそも「ラッコM&A」はどんなサイトなのか?
◆5:サイトの「自動査定」をやってみた
◆6:そのほかの機能
◆7:まとめ
◆1:「ラッコM&A」で速攻オファーが入った人気の趣味系サイトをチェック
「サイト売買のラッコM&A」にアクセスするとこんな感じ。
スクロールすると新着の案件が並んでいました。
2022年に入ってから記事作成時点までに1000件以上が掲載されているとのことで、もう少し条件を絞ってどんなサイトやアカウントが売買されているのか見るべく、上の「案件一覧」かサイトを少しスクロールしたところにある「売出案件一覧を見る」をクリックします。
案件一覧を開いてみたのが以下。左に絞り込み条件やキーワード検索の検索ワードを入力する欄があり、右にその結果が一覧表示されています。
今回は試しに、絞り込み条件としてタグに「PICKUP」、種別に「WEBサイト」を設定。
カテゴリは「ペット・動物」にチェックを入れます。
収益モデルは「広告」を選択して「検索」ボタンを押して検索してみました。
すると、4件ヒットしました。そのうちの1つをクリックします。
すると、この案件の詳しい情報が表示されました。左には「売上」「記事数」「UU(ユニークユーザー)」「PV(ページビュー)」「利益率」「利益」のチャート、右には希望売却価格や売上などの詳細がまとめられています。このサイトは、売上や利益自体はそれほど高くないものの、熱帯魚やアクアリウムの話題に特化した記事を多く扱うことで高い利益率を確保している模様です。
スクロールするとさらに詳細な情報を閲覧することが可能。概要には、Googleアドセンスなどの広告収入が軌道に乗ってきていてアフィリエイト収入も見込めるものの、本業が忙しくなってしまったので手放すことになったと書かれています。また、月々の売上1万5000円からコスト980円を差し引いた利益は1万4020円とのことで、希望売却価格の60万円で購入するとだいたい3年半でペイする計算になります。
Google Analyticsのデータは、直近12カ月間か28日間のPV数とUUを見ることができます。年間のPV数の推移を見ると、冬や春の時期にはPV数が大きく伸びて夏の間は落ち込むことがうかがえます。熱帯魚の多くは寒さに弱いので、冬の水温管理に悩んだ人がこのサイトをチェックしているのかもしれません。
サイトの訪問者がどこからアクセスしてきたのかを示す「チャネル」、「モバイル/PC比率」、「ユーザー属性」が以下。例えば「チャネル」を見ると、検索エンジンでの純粋な検索結果からのアクセスを示す「オーガニック」(赤枠)からの流入が最も多いことが分かります。この点は「ラッコM&A」に掲載されている他のブログ案件と同様ですが、大抵は「オーガニック」からばかりなのに対してこのサイトはお気に入りなどからの直接のアクセスや他のサイトからの流入もそこそこあるので、比較的多様なアクセスを持つブログだと言えそうです。
その他の情報はこんな感じ。「媒体情報」には収益モデルなどの基礎情報がまとめられているほか、引き継ぎ後の運営作業も書かれています。また、売却に至った理由や売買の際の注意事項などをまとめた「売買情報」や、収益の根拠となる「エビデンス・補足資料」といった情報もここに書かれています。
「ラッコM&A」によると、以前は収益性のあるアフィリエイトサイトがよく取引されていましたが、最近は収益性は高くなくても趣味もかねて続けられそうな趣味系ブログが人気とのこと。1つ前のアクアリウム情報のサイトのほか、「さぼてん」に特化したこのブログも、掲載後すぐにオファーが入って成約した案件です。
記事数は55件ですが記事の質に自信ありとのことで、毎月の収入は3000~4000円台、多い月の収入は8068円でした。コストが0なので、売上がそのまま利益になっています。
PV数のグラフはこんな感じ。2021年4月には月間PVが2605でしたが、それ以降は4000PV以上をキープしており、9月には1万PV以上も達成しています。
アクセスのほとんどがスマートフォンからというサイトが多い中、PCでの閲覧者数が46.7%で最多なのが印象的。外部からの流入やリピーターも多めです。
運営作業は「何もすることはありません」とのことで、ほったらかしでも一定の収入を上げてくれるのは確かに魅力的です。
いろいろなサイトがあることが分かってきたので、今度はもう少しマニアックな案件を見てみるべく、キーワードに「ポケモン」と入力。希望売却価格は50万円を上限に設定して検索をかけてみます。
すると、ポケモンに関する案件だけで9件見つかりました。13年運営されたという老舗の攻略サイトがあったのでクリックしてみます。
この案件のデータを見てみるとこんな感じ。長年続けられただけあって、記事数は800件あります。
概要には、個人が趣味で運営してきた攻略サイトで、2008年発売の「ポケットモンスター プラチナ」から攻略記事を書いてきたことがこのサイトの一番の資産であり強みだということが切々とつづられています。希望売却価格が44万円で毎月の営業利益が4000円なので、単純計算で約9年続けると元が取れます。
PV数の推移はこんな感じ。
直接のアクセスが多いほか、リピーターの割合も高め。根強い固定ユーザーがいることがうかがえます。
その他、もれなく3人の専属ライターまで付いてくるジャニーズ専門サイトなどもあります。
また、1ドメインに1記事を掲載するペラサイトが6つセットで希望売却価格が5000円という案件など、さまざまなサイトが売買されていました。
◆2:見るだけでも面白い「アカウント案件」をピックアップ
「ラッコM&A」ではサイトだけでなく、SNSなどのアカウントも売買されています。まずはYouTubeにチェックを入れ、SNS総フォロワー数を5万人に設定して「検索」をクリックしてみます。
フォロワー数が5万人以上のYouTubeチャンネルで絞り込んでも210件も出たので、さらに売上順でソートしました。
ソートした結果、売上トップは2ちゃんねるの創設者として有名なひろゆき氏の切り抜きを扱うYouTubeチャンネルで、「切り抜き業界No.1」とのこと。クリックして詳細を見てみます。
この案件の希望売却価格は3980万円で毎月の売上が1400万円、利益は700万円と、いろいろと圧巻です。
概要はこんな感じ。利益が売上のちょうど半分なのは、ニュースサイトのガジェット通信を通じて切り抜き動画を作っていて、売上の半分を支払う必要があるのが理由だったようです。
その他のデータが以下。YouTubeチャンネルの「SNS総フォロワー数」は、宣伝用のTwitterアカウントやInstagramアカウントのフォロワーが合算されていることがありますが、特に記載がないので純粋にYouTubeチャンネルの登録者数のみで85万人いる模様。「切り抜き業界No.1」だというのもうなずけます。
巨額の案件ばかりではありません。例えば、登録者数が1000人を超えていて、すぐに収益化できるゲーム実況切り抜きチャンネルに2万円という希望売却価格がついている案件もあります。
続いて、 オークションサイトの「eBay」とAmazonに商品を出品する「AmazonSeller」を選択し、収益を30万円以上にして検索してみました。なお、eBayはアカウントの移行が難しいケースが増えてきたことを受けて、近日中に取り扱いを終了する予定とのことです。
その結果、5件がヒット。売上順でソートして1番上に来た案件をクリックします。
この案件の詳細はこんな感じ。アカウントと在庫の希望売却価格が合計で916万円、売上は月々約185万円で利益は約31万円です。中国および国内メーカーの服とかばんを自社ブランドで展開して、星4.7の高評価を得ていたとのこと。
直近1年の収支のグラフが以下。2022年に入ってから2回ほど利益がマイナスになる月がありましたが、2021年9月には80万円を超える利益を上げています。
法人が経営しているだけあって、交渉に入ると上記の売上等に関するデータを裏付ける資料もエビデンスとして示されます。
今度はSNSアカウントを見るべく、「Instagram」と「Twitter」にチェックを入れ、SNS総フォロワー数は「3000」にして検索しました。
その結果、62件ヒットしました。一番新しい案件をクリックしてみます。
フォロワーが4500人いるこのTwitterアカウントの詳細はこんな感じ。ランニングに関する話題に特化したつぶやきが特長のアカウントで、76万円の希望売却価格が設定されています。
いいねが100付くのは当たり前で、200以上のいいねが付くのもよくあるとのことでした。
アカウントとしてはそのほか、属人性がないことがアピールされているYouTubeチャンネルなども取引されています。
また、関西のグルメ情報を発信している希望売却価格が5万円のInstagramアカウントなど、好きなことや得意分野などがテーマのアカウントを手放してお金に換えている案件も多く見られました。
◆3:ソースコードやデータベース込みで丸ごと売っている「スマートフォンアプリ」を発見
サイトやアカウントに比べると案件数は多くありませんが、アプリも取引されています。
アプリ全体で28件ヒット。
「おすすめ」をクリックしてみると交渉を受付中の7件がおすすめ順でソートされたので、そのうちの1つをクリックしてみます。
このアプリ案件は、希望売却価格が980万円のマッチングアプリの取引です。
Android版、iOS版、Webアプリ版があり登録ユーザーやSNS(Facebook・Twitter・Instagram)データベース、ソースコードまで全て譲渡されるとのこと。毎月の売上は約46万円でコストが8万9000円、差し引きした利益は約37万円です。
その他の情報はこんな感じ。ユーザー数2万5500人のアプリが会員の個人情報とともに1000万円を切る価格で売りに出されており、「ラッコM&A」を見るといろいろなサイトやサービスの相場も見えてきます。
アプリとしてはこのほか、Android向けのゲームアプリなどの案件が掲載されていました。
◆4:そもそも「ラッコM&A」はどんなサイトなのか?
「統計」をクリックして実績のデータを見ると、ブログからアカウント、アプリまで手広く売買している「ラッコM&A」がどんなプラットフォームなのかを見ることができます。
2020年時点での「ラッコM&A」は、成約数が110件でシェア率14.21%の4番手、契約数は294件でシェア率11.57%の3番手でした。
しかし、2021年には業界トップに躍り出ています。
それ以降はトップを独走しており、2022年に入ってから7月12日までの半年ちょっとで1106件もの案件が「ラッコM&A」に掲載されています。
2022年第2四半期の成約数は223件で累積成約数も1000件を突破。成約額は7月12日の時点で約6億9110万円に達しています。
登録申請数と掲載数の推移も堅調です。
売主の81.22%が個人で18.78%が法人、買主は47.39%が個人で52.61%が法人です。このことから、「ラッコM&A」は特に売主では個人の利用率が高く、多くの人が自分のブログやサイト、アカウントを売っていることが分かります。
成約率は45.4%で受付終了が45.32%とのことなので、案件のうちほぼ半分に買い手がついていることになります。案件はなんでもいいというわけではなく、不合格率が25.27%とほぼ4分の1が審査でふるいにかけられています。なお、取り扱えないサイトは「属人性が高く継続運営が困難であるもの」や「アダルトコンテンツの配信を主体としたもの」などです。
種類比率では、最も割合が多いWEBメディアが65.54%で次点のSNSが23.51%と、サイトとSNSアカウントの売買が全体のほぼ9割を占めました。また価格が30万円未満の案件が36.64%で30万円以上100万円未満が31.99%と、100万円を下回る案件が全体の7割弱となっており、取引の多くが小型案件になっています。
◆5:サイトの「自動査定」をやってみた
「自動査定」では、サイトがどれくらいで売れるかのシミュレーションが可能です。
というわけで、これまでチェックしてきた案件や統計の情報から見えてきた、個人サイトとしてありそうなサイトの情報を入力してどのくらいの値段がつくのかみてみます。入力したデータは毎月の売上と利益が「1万円」、PVが「1万5000」、UUはPVよりやや少なく「1万」、広告が収入源で譲渡後も問題なく運営可能なゲームや漫画、アニメ系の情報発信サイトを想定して「自動査定結果を見る」をクリックします。
クリックした瞬間に査定額が出ました。額は「19万1000円~38万1000円」で、その下には査定の基準も解説されています。
◆6:そのほかの機能
ユーザー登録をしないと使えない機能もあるので、登録をしてみます。まずは画面右上の「新規登録」をクリック。
続いて、登録に使うメールアドレスを入力して「ラッコID利用規約に同意する」にチェックを入れ、「登録」をクリックします。
入力したメールアドレスに認証用のメールが届いてるので、記載されているURLをクリックすればOK。
自動発行されたパスワードを含む登録情報が表示されます。
「マイページ」にある「売却サイト登録」では、自分が保有しているサイトやアカウントの登録が可能。
入力画面はこんな感じ。
また、ログインした状態で各案件のページにある「気になる」ボタンを押すと、「気になるリスト」に登録しておくことができます。
「気になるリスト」はマイページから見ることが可能です。
また、案件一覧で検索条件を入力してから「この条件を保存」をクリックすることで、よく検索する条件を複数保存しておくことができます。
保存した検索条件を復元するには、「保存した検索条件」をクリック。
検索条件をクリックすると、一発で検索結果に推移します。また、赤枠で囲われたラジオボタンを切り替えることで、条件に合致した案件が追加された際にメールを受け取るかどうかを選択することもできます。
◆7:まとめ
「ラッコM&A」はさまざまな内容や規模のサイトやアカウント、アプリが売買されているプラットフォームで、売主なら手数料は無料です。PV数があまり多くないサイトやまだ収益化されていないアカウントなども頻繁に登録されているので、「ずっと続けてきた趣味のブログを書いてるけど別のテーマにも興味がわいてきた」という人や、「実生活が忙しくて更新できなくなったYouTubeチャンネルを持っている」という人は、案件一覧をのぞいてどんなサイトが取引されているのか見てみるだけでも面白いと感じました。
サイト売買のラッコM&A | 2022年成約数No.1+売却手数料無料
https://rakkoma.com/
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